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書き直すと文字数一割増

 ずいぶん前に完結させた長編を、今もちまちまと書き直しています。自分が書いた文章ではあるのですが、改めて読み直すと何だか変に感じます。文と文との妙な繋がり、一文の中での動作主と動作との捻れ、誤変換や誤入力等による誤字脱字、等々が目につきます。


 それらを直すために次にような方法を採っています。まずは、テキストエディタを縦組み表示にします。次に、元の文章から幾つかの段落の塊――画面上で並べて読める程度の塊――で選び出します。その後、元の文章の左側に新しい文章を書いて行きます。このとき、内容は変更せずに表現だけを変更して行きます。書き直し終えたところで校正支援ツールで確認します。ツールの実行結果で指摘箇所がゼロになることはまずありません。ルビも手入力しているので、ツールはそれらがおかしい旨を指摘します。それらを除いても何らかの指摘があります。その実行結果を基に、表現を修正したりしなかったり、表記揺れを統一したりしなかったり、ツールでは確認できない誤り――意味的な誤り等――の有無を探したり、ということを実行します。


 書き直しとツール実行とを何回か繰り返すと、元の文章と比較して文字数が約一割増加します。増加の割合は毎回ほぼ同じです。どの部分を書き直しても、ほとんどの場合、その増加分は約一割です。ということは、その部分について本来はそれだけの文字数が必要だったはずなのに、書いた当初はそれだけのものを書く力が不足していた、ということなのかもしれません。


 文字数一割増となると、何らかのコンテストに応募しようという際には影響があるかもしれませんが、その予定もないので特に問題はありません。原稿のデータそのものはテキスト形式ですし、文字コードは Shift-JIS なので全角一文字当たり 2 B です。全角文字で五〇万文字でもファイルサイズは約 1 MB です。最近の大容量ディスクの前では、大した量ではないでしょう。文字数の増加について、あまり気にする必要はないのかもしれません。


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