『キャラクター』という語に対する違和感
あまり使いたくない語の一つに『キャラクター』があります。『キャラクター』という語を目にすると、どうしても、コンピュータ用語あるいはプログラミング用語としての『文字』や『文字列』が真っ先に頭に浮かびます。プログラミング言語によっては文字や文字列の扱いに苦労するものもあるので、それらを連想させる語を前にするとどうしても身構えてしまいます。特に『キャラ』という略記は C や C++ などでの char 型を連想させるために、さらに使いたくない語でもあります。
"character" という語について LDOCE Online にて少し調べてみたところ、『性質』、『性格』、『為人』、『登場人物』、などなど、複数の意味があるらしいことがわかります(https://www.ldoceonline.com/dictionary/character)。そのため、"character" に対して一語で表せる日本語がないために『キャラクター』というカタカナ語を使用しているのではないか、と推測しています。『キャラクター』に相当する日本語を使用せざるを得ない場合には、『登場人物』なり『人物の造形』なり『人物の性格』なり、文脈によって使い分けることになると思います。
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初めて『キャラクター文芸』なる語を目にしたとき、どうにも表現しがたい違和感を覚えました。そこで、カタカナを使用しないようにするにはどうすればよいだろうか、この語を日本語に無理矢理翻訳するとしたら(漢字を当てはめるとしたら)どのような語になるのだろうか、と考えてみました。『文字列文芸』、ではないのは確かです(小説は文字列なので)。『登場人物文芸』でもありません(意味不明です)。であれば、音楽用語を無理矢理援用して『性格的人物文芸』とするというのもありかもしれません。ですが、これはこれでしっくりきません。はてさて。
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人間が登場しない小説に於いて(動物が主役の小説に於いて)、登場する名前の一覧に『登場動物』と記されているのを見つけたときは、「確かにそうだな」と感じました。その作品には名前のある人間が一人も登場しません。主役は猫であり、脇役として栗鼠や蛙などが登場するため、『登場動物』と記すのは確かに理に適っています。が、その説明欄には『主人公』なる語が使われていたので、「あれ?」と思ったのも確かです。『主人公』という語を動物に対応させるとしたら、『主獣公』になるでしょうか。ただ、『獣』は主として哺乳類を表す語なので、鳥類や爬虫類などには使えません。この点についてはあまり深く考えないほうがよさそうです。




