前回(漢字/ひらがな)の続きのようなもの
或る語に対して漢字を使用するか、ひらがなを使用するかの基準を自分で作るのは、正直なところ面倒ですので、何かしら参考にできるものはないかと書店の辞典コーナーを見ていたところ、以下の書籍を見つけました。
『朝日新聞の用語の手引[改訂新版]』/
編:朝日新聞社用語幹事/朝日新聞出版
小説と新聞とでは文章に求められるものは異なりますが、言い換えなどについての[用字用語集]の項目は参考になります。もちろん、このとおりにしなければならないというものでもありませんので、あくまで参考資料として参照しています。
ただ、外来語のカタカナ表記については疑問に思えるものもあります。"Violin" をカタカナ表記するとしたら、「ヴァイオリン」か「バイオリン」かのどちらかだと思いますが、選ぶとしたら前者です。"Viola" のカタカナ表記も「ヴィオラ」を選びます。"Violoncello" のカタカナ表記も「ヴィオロンチェロ」を選びます。「ビオロンチェロ」の表記では何となく間の抜けた印象を与える気がします(気のせいかもしれません)。「ヴィオール属」を「ビオール属」と表記することは(あまり)ありません。外来語のカタカナ表記については、既に日本語の中に浸透しているものと、新たに使われ始めたものとの間で、一貫性に欠けるのはしかたがないのかもしれません。カタカナ語を使用する物語を執筆する際には、予め独自に表記基準を作る必要がありそうです。




