表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
18/46

会話の終わりを表す『終わりかぎ括弧』の前に、句点(『。』)あるいは読点(『、』)を置くか否か

 過去に読んだ作品を読み直しており、現在はル=グウィンの作品を読んでいます。ル=グウィンの作品は、『岩波同時代ライブラリー』の一冊だった『影との戦い』を読んだだけでした。今まで『ゲド戦記』を全巻読んだことがなかったため、いっそのこと全巻揃えようと思い立ち、岩波少年文庫の全六巻を購入しました。


 読み進めて気づいたのですが、岩波同時代ライブラリー版も岩波少年文庫版も、会話の終わりを表す『終わりかぎ括弧』の前に、句点(『。』)あるいは読点(『、』)を置いています。読み始めた当初は、視覚的に「何か違う」という感じがありましたが、すぐに慣れました。逆に、『終わりかぎ括弧』の前に句読点ありの紙面に慣れてしまうと、「『終わりかぎ括弧』の前に句読点が無いと、台詞が終わった気がしない」と感じるようになりました。これもまた慣れの問題ですので、『終わりかぎ括弧』の前に句読点が無しの紙面を少し読めば慣れるとは思いますが。


 また、同作品では、会話の始まりを表す『始めかぎ括弧』を字下げして組版されています。尤も、字下げ幅は、岩波同時代ライブラリー版では全角一つと半角一つ分であり、岩波少年文庫版では全角一つ分であり、最近多数派を占める半角一つ分の字下げとは明らかに異なります。会話の始まりが明確になるので、却って読みやすく感じます。


 表題の、「会話の終わりを表す『終わりかぎ括弧』の前に、句点(『。』)あるいは読点(『、』)を置くか否か」、ですが、結局のところどちらでもよいのかなと思います。少なくとも、一つの作品の中で統一されていれば、どちらの書き方で書かれていたとしても、「この作者(あるいは翻訳者)は、この作品でそのような書き方をしたのだな」と思うだけですので、特に問題は無いのかと。会話と地の文(伝達節)とを混ぜて書く書き方の場合に、句点(『。』)あるいは読点(『、』)を使い分けることで、台詞が一段落したのか、あるいは、続いているのかを書き分けることが可能になりますので、表現方法の選択肢が増えるということはあると思います。

参考文献:


ゲド戦記:『影との戦い』

著:アーシュラ・K.ル=グウィン

訳:清水 真砂子

岩波同時代ライブラリー


ゲド戦記:『影との戦い』『こわれた腕環』『さいはての島へ』『帰還』『ドラゴンフライ』『アースシーの風』

著:アーシュラ・K.ル=グウィン

訳:清水 真砂子

岩波少年文庫


日本語組版処理の要件(日本語版)

https://www.w3.org/TR/2012/NOTE-jlreq-20120403/ja/


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ