『角速度』ではなく、『書く速度』
エディタを起動後、「かくそくど」と入力し、変換を実行したところ、「角速度」に変換されました。変換実行前に「もしかしたら『角速度』に変換されるかもしれない」と思っていたのですが、思ったとおりになりました。予測変換が当たったようです。
「書く速度」は、実のところ、「下書きを書く速度」です。下書きの方法はノートにシャープペンシルでの手書きです。手書きをするのは、『下書き』の項にも書きましたとおり、小説に関してはPC上で書くよりも書きやすいという単純な理由からです。そのノート(A5版、6ミリ幅、一ページ当たり30行)に手書きする速度なのですが、どう頑張っても一時間で二ページが限界です。ノートの一ページの文字数は、これまでの経験上、文庫本にして約二ページに相当します。下書きの際はかなりみっしりと詰めて書いているので、清書の際に少々行数が増加しますが、文庫本にして約二ページというのはあまり変わりありません。「書く速度」は、文庫本に換算して一時間あたり約四ページの進度です。
単純計算すれば、二十五時間で文庫本約百ページ分、七十五時間で文庫本約三百ページ分ですので、約三日で文庫本一冊分くらいの文字数を書けることになります。しかし、二十五時間どころか二時間を休みなしで書くこともできないほどですので、前述の単純計算は絵に描いた餅です。また、一時間あたりノート二ページ、という進度も、全速力でその程度という値ですので、始終このままの状態で書き続けられるわけでもありません。一時間あたりノート一ページのときもあれば、数行のときもあります。どうしても文章を思いつかず、一行も書けずにノートを閉じることもあります。毎日書けるわけでもないため、それなりの文字を書くにはそれなりの日数がかかります。
例として、ノート約百五十ページになった前作の下書きに要した時間は約三ヶ月でした。時間を見つけて書いていても、一日(平日)に費やせる時間は最大でも二時間、週末は書かないことが多かったので、進みとしては遅いです。下書きを完成させたとしても、その後、清書、校正、推敲と続いたので、一つの作品を完成させるために要した時間は約六ヶ月でした(清書については、下書きが完成する目処が立ったところで着手しましたが)。完成させたとしても、その後もちまちまと修正を続けていたため、「これで完成」と思えるほどになるのにはさらに三ヶ月を要しました。合計、九ヶ月を要しました。この期間が長いのか短いのかは何とも判断できませんが、趣味の一つとして続けるにはこれくらいがちょうどよいのかもしれません。




