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おやすみ、黒猫ちゃん

作者: 尚文産商堂

黒猫は、使い魔としてよく使われている。

それには諸説あるわけだから省くが、使い魔はなくてはならない存在だ。

少なくとも、私にとっては。


使い魔も普通の動物ではない。

ある一定の遺伝子を有しており、なおかつ人懐っこくなければならない。

私は、手野大学で使い魔を連れている学生の一人だ。

魔術師となるための唯一の国立大学が手野大学。

魔術学部と文化学部の2つでいろんな人らが学んでいる。

私の使い魔は黒猫だ。

ただ、純粋な真っ黒ではなくて、尻尾の先3cmくらいだけが純白の毛並みを持っている。

女の子で、身だしなみにはいつも気を使っているらしく、いつ撫でてもふわふわの毛並みだ。


「えー、今日は、魔術粒子の濃縮についての実習です」

教授が実習場で話す。

今回は魔術粒子として知られている5つの粒子のうち、最大の威力を持つ天と呼ばれる魔術粒子を集めていく。

魔術粒子は他にもあるが、天と別の要素が結合した形をとっている。

そのため、純粒子と呼ぶ人もいる。

この大学に限らずだが、実は使い魔を連れているのは少ない。

使い魔関連法と呼ばれる法律で、魔術を取り扱っている省である神秘省というところに届け出を出さないといけないからだ。

要は、面倒ということらしい。

ただ、使い魔はこういった魔術を使う際に、一番威力を発揮する。

実験場の中、教授の目の届く範囲でどこにいてもいいということで、私は森のそばへと行く。

農学部の実験林のそばだ。

そして、黒猫に目をやるとうなづかれる。

あとはいつも通りだ。

今回は詠唱魔術で天を集める。

まずは自然に近い使い魔のそばに魔術粒子は集まっていく。

それをスプーンですくっていくという感覚だ。

スプーンといっても本物ではなくて、あたかもそのようにとっていくということになる。

私はそのすくった天を、そっとこぼれないようにして瓶に収める。

この瓶の質量で、どれだけとれたかを図るという仕組みだ。


「はい、そこまで。使い魔を連れている人は少し休ませてあげなさい。疲労困ぱいだろうからね」

教授に言われて、私は使い魔に語りかける。

「お疲れ様、おやすみ」

頭を撫でると尻尾をゆっくりと振っていたが、次第に動きが鈍くなり、私が持っていたカバンの中に入って寝始めた。

私がカバンと瓶を持って教授のところへと向かう。

結局取れたのは、目標にギリギリ届く量だった。

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