9 ヘル・ペンタグラム 上
天を貫くようにして聳え立つ古の塔。
その最上階、朽ち果てた室内。
「この日が来るのを、私は待ちわびていたよ」
夜を凝縮したかのような、漆黒の外套に身を包んだ魔術師が佇んでいる。人間ではない。風にはためくローブの内側に、肉体は存在しない。確認できるのはその頭部のみ。前方に異様なほどせり出した山羊の角を持つ、髑髏。アンデッドの最上位種。魔術を極める為にすべてを捨て去った者のなれ果て。死霊魔導師。
「これほどの超越魔物が一堂に会するとは、壮観だな」イビルへイムの哄笑が闇の中に響いた。「今日此処に、地獄に堕つ五芒星、その同胞すべてが集ったというわけだ。素晴らしいじゃないか」
イビルへイムは周囲を囲む魔物たちを眺めわたした。
集結した〈魔〉の影が蠢いている。
「お前のくだらない前口上なんかに興味はないんだよ」一匹の魔物が、苛立たしげに咆えた。「さっさとセイリーネスを潰させろよ、イビルヘイム」
魔物は獅子の顔を持ち、背からは鷲のように勇猛な二対の翼を生やしていた。躯は獣人のように屈強、両腕は丸太のように太く、しかし両足は鳥類のそれであり、鷲の鉤爪を備えている。その姿は二足歩行の獅子鷲といったところだが、しかしその存在は遙かに格上だ。
「俺たちは暴れる為に来たんだろうが」
「そう急がないでくれ。物には順序がある。それに時間ならたっぷりとあるだろう?」
「知るかよ」
獅子は凶暴な眼でイビルへイムを睨む。
彼の周囲で風の魔力が荒れ狂う。
精霊を従え、あらゆる風を支配する魔物。メルドポルダ荒野を根城とする超越魔物、〈颶の獅鷲〉。
それも一匹ではない。
「おいおい、そう苛つくんじゃねぇよ、マシュズ」
隣に腰掛けていたもう一匹の獅子が、マシュズの肩を抱いた。
「あのリッチの言うとおりめでたいじゃねぇか。穏便にいこうぜ?」
「気安く俺に触るなよ、バズロ」
「ああ? てめえ兄貴に向かってなんて口の利き方だ、殺されてぇのか?」
「お前が俺を殺せるならな」
「言うねぇ。本当にぶち殺してやろうか」
「貴様等、黙れ」今にも爆発しそうな二匹の獅子の動きが、その一言でぴたりと止まった。彼等の背後に、獅子がもう一匹。ズグだ。バズロとマシュズのふたりと比べると、いくぶん小柄だ。しかしその躯から溢れ出す魔力と威圧感は、あきらかに両者を凌駕している。ズグは弟たちの顔を交互に睨み、もう一度「黙れ」と凄んだ。バズロとマシュズは兄の殺気に気圧され、大人しく引き下がる。
長兄のズグ、次兄のバズロ、末弟のマシュズ。常に行動を共にする超越魔物、〈獅鷲の三兄弟〉。
三兄弟の中でもズグの力は頭一つ抜けている。長兄の命令は絶対だ。
「悪かったな」眼前の同胞たちに向け、静かにズグは謝罪する。「どうにも此奴等は血の気が多くてな」
「まったくもってその通りだね。下品な連中だ」玲瓏な声が獅鷲たちを嘲笑った。妖狐は蛇がとぐろを巻くように躯を丸めた。気怠そうな眼差しをズグに向け、大きくあくびをし、その頭を前脚に預ける。その一連の動作は非常に優雅であったが、しかしその妖狐の纏う気配にも、その姿にも、優美さなど欠片もない。全体的な姿自体は大柄な狐といったところ。しかしその体毛は毒々しい赤紫色であり、見る者に凶々しい印象を与える。だが、何よりもこの狐と対峙した者を恐れさせるのは、その尾だ。
妖狐の尻尾は赤紫を通り越し、もはや黒に近い、至極色に染まっている。妖狐はその魔力を尻尾に溜め込む習性を持つ。ゆえに尾が太く長い個体ほど強大な力を持つとされる。気怠げに躯を丸める妖狐の尻尾は、その体躯の四、五倍ほどもの長さがある。そしてそれだけではない。至極色の魔力が、尾部から立ちのぼっている。あまりの膨大さゆえに、体内に魔力が収まり切らないのだ。立ちのぼる気は揺らめき、扇状に広がり、その様子が複数の尻尾に見えることから、この狐はこう呼ばれる。〈九尾〉。あるいは〈華瓏国の化け狐〉。
名をキルククリ。
「下劣な奴等は嫌いだ。見てると不愉快になる」
「お前の意見には賛同するが」ズグが牙を剥く。「それ以上弟どもを侮辱したら貴様の首から上を吹き飛ばずぞ」
「なんだ、血の気が多いのはそっちのふたりと同じじゃないか。嫌になるね、こんな奴等と一緒に動かなきゃいけないなんてさ」
「俺の忠告を聞いていないようだな」
「生憎、下劣な連中に貸す耳はなくてね」
「切り刻まれたいらしいな」
「うるさいな。呪い殺されたいのか?」
「おふたりさん、その辺で喧嘩はやめにしたらどうだ?」無神経なほど快活な声が、ズグとキルククリの応酬を遮った。岩塊のような、巨大な刃を背負ったひとりの男が歩み出てくる。藍鉄色の鎧に身を包んだ、騎士然とした男だ。黒い髪、瞳孔が縦に伸びた瞳。鱗の生えた顔がニヒルな笑みを湛え、唇から二叉の舌が覗いている。英雄と石蛇の混血。猟犬の長。ジュルグ帝国歴代最強の騎士と讃えられた魔人。ザラチェンコは大きく手を打ち鳴らし、朗らかに嗤った。「せっかく全員が集まったんだ。もう少し仲良くしようじゃないか」
「お前みたいな穢血が仲間面するんじゃねぇ」
そう吐き捨てたのはズグでもキルククリでもない。
長兄に叱られ押し黙っていた、末弟のマシュズだった。「血混じりが同胞だと? 笑わせんじゃねぇよ」
「酷い言いぐさだな」ザラチェンコの顔に冷たい翳が射す。「魔人はお嫌いかな?」
「反吐が出るぜ、お前にも、そっちの女にも」
「なに、アタシにまで喧嘩売ってるわけ?」ザラチェンコの隣から冷ややかな声があがった。一羽の鳥がうずくまっている。巨大な怪鳥、夜の大鴉だ。その鴉の腹に凭れかかるひとりの女がいる。紫色の髪の、猛禽類のような眼をした女だ。美しい顔立ちをしている。だが、右半顔に広がった逆五芒星の刻印がその美貌を台無しにしている。着崩した暗い色の魔術師外套、首や耳、腕や指を飾る数々のアクセサリー。そしてあらゆる種類の呪物が大量に縫い付けられた異形の長杖。シュラメール魔術王国建国以来最高の才能と呼ばれた天才魔術師。獄炎の魔女のジュリアーヌ。
「灼き殺されたくなきゃ、喧嘩を売る相手は選ぶことね」
「黙れ魔女が。お前も半分人間だろうが」マシュズは吐き捨てる。「そんな奴等を同胞として迎え入れろだと? ふざけるのも大概にしろ」
「うざい野郎だな」ジュリアーヌはかったるそうに眼を細める。「精霊がいなきゃ魔術も使えないような雑魚が、アタシにふざけた口利かないでくれる?」
「雑魚だと? 魔獣狩りから逃げ帰った雑魚はどっちだってんだ?」
「魔獣狩りが、雑魚?」ジュリアーヌは高笑いする。「ねぇ、今の聞いた?」
「もちろん」ザラチェンコは酷薄な笑みを浮かべる。「なあマシュズ、君は少し慢心が過ぎるんじゃないか? 自信があるのは大いに結構だが、自らを過信しすぎる者は早死にすることになる。これは俺の経験則だ。いいか、上には上がいる。覚えておくといい」
「アンタなら逃げる前にアイツに殺されてるわ」ジュリアーヌは嘲る。「むしろアイツから逃げ切ることの出来たアタシたちの実力を褒めて欲しいくらいよ」
「それ程なのか?」
反論しようとしたマシュズを、ズグの言葉が遮った。その言葉はジュリアーヌに向けられたものであるが、同時に、マシュズへの怒りが込められていた。『二度までは許す、だが次出しゃばれば容赦しない』ズグの眼差しは如実にそう物語っていた。気の短い弟たちと違って、ズグは物静かだ。どのような状況でも表情を変えることはない、凪いだ海のように冷静な男。だが、ひとたびその怒りが頂点に達すれば、獅鷲としての凶暴性をもっとも剥き出しにするのが、このズグなのである。荒れ狂う精霊を纏い、あらゆる物を切り裂く旋風と、なんであろうと吹き飛ばす嵐を従え破壊の限りを尽くす、颱の化身。今まで弟ふたりが彼の元で生き残ってこれたのは、引き際をわきまえていたからだ。おそらくこの会談中、マシュズは二度と口を開かないだろう。
ズグはジュリアーヌとザラチェンコに眼を向ける。
「ガルドラク・ド・ガルガンジュ。それほどの魔物なのか」
「当然でしょ。そこらの人狼と一緒にしないことね。アレは別格よ」
「まったくだ」ザラチェンコが肩をすくめる。「できれば、ガルドラクの相手はもう二度としたくないね」
「確かに噂はよく耳にするぜ。ヤバい奴なのは確かだろうよ」次兄のバズロが懐疑的な視線をふたりに注いだ。「だがテメェ等は三人いたはずだ。ヘル・ペンタグラムが三人もいて殺しきれないなんてことがあり得るか? 超越魔物が三人だぜ?」
「殺しきれないとまでは言わないけど、かなり難しいわ」ジュリアーヌは顔に指を這わせる。顎、頬、逆五芒星の刺青。そしてぽっかりと空いた右の眼窩。「あの時アタシたちが差し違える覚悟で戦っていれば、あるいはね。でもそれは分の悪い賭けよ。正直アタシ等全員喰われていた可能性の方が高い。なにせ今の魔獣狩りは覚醒してる」
「俺なんか死にかけたからな」ザラチェンコは闇の中を移動する。壁の亀裂から月明かりが差し込んでいる。立ち止まる。月明かりに照らされたザラチェンコの鎧には何本もの残痕が認められる。だが何よりその顔だ。右の蟀谷から左の首筋にかけて、獣の凄惨な爪痕が走っている。ザラチェンコは傷に触れる。「おまけに相棒まで失った」一瞬、その顔に感傷が浮かぶ。「まったく嫌になる。まあ、この傷痕自体は気に入っているがね。戦場に立つ者にとって傷とは何ものにも代えがたい、誇り高い勲章だと思わないか? 騎士にとっては血を流すことこそが誉れなんだ。何より、この傷痕によりまた一段と俺の男振りが引き立ったと思わないか? どう思う、同志諸君」
朗らかなザラチェンコの発言に、しかしヘル・ペンタグラムの面々は反応しない。
「ノリが悪いな」
嘆息するザラチェンコに、
「アンタの言ってることがくだらなすぎるだけ」
ジュリアーヌが答える。
「で、カ・アンクの奴はどうした」
不意に金属質の声が闇を震わせた。この場所に集った魔物どもが顔を顰めるほど、その声は不快な響きを伴っていた。イビルへイムの隣に佇む異形の魔物が発した声だった。魔蟲を溶かし、人の鋳型に流し込めばこのような形になるのかもしれない、そう思わせるほど悍ましい姿をした蠅の悪魔。ベルゼーニグルは腕を組み、背中の薄い翅を震わせながらジュリアーヌとザラチェンコを見ている。「奴だけがここにいない。死んだのか?」
「なに、気になるわけ」
ジュリアーヌの問いに、
「同じ魔蟲だからな」これ見よがしに六本の腕を広げる。「忘れたのか? ヘル・ペンタグラムにカ・アンクを引き入れたのはオレだぜ。奴とは古い付き合いだ。どうなったのか是非知りたいね」
「教えてやりたいのはやまやまだが、正直俺たちにもわかっていない」ザラチェンコが肩をすくめる。「何せ最後まであの場に留まっていたのはカ・アンクだからな」
「奴が?」
「アタシ等が逃げ切るまで魔獣狩りの足止めをしていたのがアイツよ」
「不自然だな。そんな役柄を引き受けるような奴じゃないんだが」ベルゼーニグルは怪訝そうに眉を顰める。
「何が起こったのか、詳しく知る必要がありそうだな」イビルへイムがジュリアーヌとザラチェンコの前に躍り出る。「あの日ゼルジー大森林で何があった。なぜカ・アンクは不自然な行動を取り、なぜ我々の前から姿を消した。なによりジュリアーヌ、君は非常に興味深い言葉を口にしたな。魔獣狩りが『覚醒している』と」死霊は芝居がかったような仕草で周囲を見回し「我等が〈王〉はどうやら遅れているらしくてね、皆退屈している。せっかくだ、今ここであの日何があったのか聞かせてくれないか」
「カ・アンクね」だるそうにストリゲスに躯を埋め、ジュリアーヌはもう一度右の眼窩に触れる。あの日、生贄魔法の供物として自ら抉り出した右眼。ジュリアーヌの極大魔法、ザラチェンコの極大魔法、そしてカ・アンクの召喚した異質な魔力を纏った魔蟲たちの猛攻、そのすべてをたたき込み、しかし仕留め切れなかった、最強の人狼。まさに不死身の獣。「アイツについては話すことないけど、魔獣狩りに関してなら教えてあげる。アイツ、先祖返りしてるわ」
「先祖返り?」怪訝そうな次兄バズロの言葉に、
「おそらく血の記憶に関することだ」ズグが言う。
「先祖返りか。文献で読んだことがあるな」イビルへイムはジュリアーヌの眼をのぞき込む。「ガルムの中には、ごく稀に、夜の種族の血を覚醒させる個体が現れる、と。ということは、魔獣狩りは超速再生を発現しているのか」
「いや、少し違うな」ザラチェンコが割り込む「もっと厄介な能力だ。そうだろう?」隣の魔女に眼を向ける。
「その通り」ジュリアーヌは頷く。「確かに超速再生に分類される能力ではあるけれど、血魔のそれとは性質が根本的に異なる。戦っていて気づいた。アレは最悪」
「どう違うというんだ?」
「本来、超速再生とは」ジュリアーヌは語る。本来、超速再生とは時間の回帰に近い。吸血鬼および上位種の血魔が保有するこの能力は、負傷や欠損が生じた場合、自身の状態を完璧な状態へと瞬時に巻き戻す。治るのではなく巻き戻すのだ。つねに術者にとって最良の状態を保つことの出来るこの力は、まさに不老不死、死者の貴族階級ヴァルコラキに相応しい能力といえる。「でもアイツの超速再生は違う」なぜ魔獣狩りの超速再生がそのような変化を遂げているのかはわからない。ナイト・ブリード本来の能力がそういうものだったのか、もしくは月の狼という血の中で能力が変異したのか、あるいはガルドラク・ド・ガルガンジュという個体だけが特別なのか。魔獣狩りは肉体を巻き戻さない。文字通り再生する。そう、恢復する。そしてその際に生じる、肉体の反応。裂けた筋繊維はより強靱な躯を求める。折れた骨はより堅牢な骨格へと生まれ変わる。肉体、そのすべてが、強さだけを渇望する。恢復、いや超恢復といっていい。敵と戦い、負傷し、強靱な肉叢を得る。おそらく魔獣狩りはこのサイクルを何百年と繰り返すことによって、あの規格外の肉体を得るに至ったのだろう。だが超速再生、いや〈超速恢復〉という力を手に入れたことにより、このサイクルが一瞬で完了するようになった。
「つまり」ジュリアーヌは嗤う。「今の魔獣狩りは、傷を負えば負うほど強くなる」
「ふざけてやがるのか?」バズロの言葉に、
「大真面目だ」ザラチェンコが返す。
「なるほど」イビルへイムは頷く。「大いに危険な能力だ。血を喰らえば喰らうほどその魔力量が増大していく祖なる血魔の肉体版といったところか。まったく、ナイト・ブリードの血脈は厄介極まりないな。やはりどのような手を使ってでも、クシャルネディアと魔獣狩りは我々の側に引き入れるべきだったか」
「そういえば、クシャルネディアも生きてるんだったね」キルククリがあくびをする。「てことは、あのヴァルコラキも今頃膨大な魔力を手に入れてるんじゃない? なんで面倒そうな奴等ばかり取り逃がすかねぇ」
「今さらそんなことを言っても仕方ないさ」ザラチェンコが肩をすくめる。「とりあえずガルドラクとクシャルネディアの件は脇に置いておこう。今はセイリーネスを陥落させる方が先決だろ?」
「確かにな」獅子の凶暴な眼でイビルへイムを睨めながら、ズグが静かに呟く。「その魔人の言うとおりだ。まずはあの忌々しい聖都を潰す方が先だ」
「まあ、心配しなくても人狼と血魔は僕が始末してあげるよ」キルククリが邪悪な笑みを浮かべる。「不老だとか不死だとか、そういう奴等を殺すのにうってつけなのが僕の術じゃないか」
「そう簡単に殺せるなら苦労しないわ」ジュリアーヌはにやりとする。「まあでも、アンタの呪法は確かに有効かもね。それなりに期待してるわ」
「聖都潰しまでまだ少し間がある。オレはカ・アンクの行方を探るぜ」ベルゼーニグルは死霊を見る。「構わねえだろ?」
「ずいぶんと熱心だな。君らしくない」
「言ったろ? 古い付き合いなんだ」
「わかった。私としても蟲王の行方には関心がある。好きなようにしてくれ」
そこでふと思い出したとでもいうように、イビルへイムは振り返った。
闇夜の満ちる室内、超越魔物たちの昏い、濃厚な魔力が漂う中にいてもなお際立つ、一匹の黒い獣。胡座をかき、膝の上に二本の剣を、いや二振りの刀を乗せ、瞑想するように瞼を閉じている。その姿形は人間に酷似しているが、しかし全身を覆う黒い体毛、異様なほど長い両の腕、何より人のモノとは似ても似つかぬ獰猛な猿の貌が、この者が紛うことなき獣であると証明している。猿魔、あるいは黒狒狒と呼ばれる、物ノ怪。
「君はずいぶんと無口だな」イビルへイムは狒狒に近づいた。「ここに来てから一言も喋っていない。もう少し親交を深めたらどうだ、シュラマル」
シュラマルはゆっくりと片方の眼を開く。抜き身の刀身のような眼光が、死霊を射る。「馴れ合うために来たのではない」黒狒狒流斬魔剣術、その現当主は、重い錆声で答えた。「貴様等の話に興味などない。この組織の目的にもな。俺のことは放っておけ」




