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第1話

「それにしてもよーこの暑さどうにかなんないのかよぉー!!」

「ほんとっすよね…大学のクセしてクーラーどころか扇風機もないし。しかもこの部屋、学内で一番暑いところにあるし…」

「ったく」


ここは名門、私立上志(じょうし)学院大学のキャンパス。

そして、この最も南向きの小さな講義室をミステリー研究会という非公認のサークルが陣取っている。

今は、大学祭の出し物を製作中なのだが。


「そもそも、メンバーが2人しかいない非公認のサークルなのに、出し物してもいいんですか、関谷さん?」

とまあ、いたって正当な意見を述べているのが僕、1回生の橋本慎也(はしもとしんや)

「いいのいいの。今年は久しぶりにメンバーが増えたから、学祭に便乗してパーッとお祝いすんだよ」

そして、明らかにいい加減なこの人は、自称4回生の関谷了(せきやりょう)

僕は言動から察するに、この人は4回生どころじゃないと踏んでいる。


「嵌められたよなぁ」

関谷にパシリにされながらボヤく。ボヤかずにはいられない。

サークルに入るときがそうだった。

つい、関谷の前で「あぁ、推理小説は好きですね」と言ったらじゃあミス研だと言われ、あれよあれよのうちに入ってしまっていた。

というか、入ったことにされてしまった。


非公認なんだから、入る入らないとか拘束力とかそんなもんは関係ないかもしれないけれど、

きっとこうやって学生が定着しなかったんだろうなーと思うと、関谷さんが不憫になってしまってフェードアウト出来ないでいる。

ただの一度もミス研らしい活動はしていないけれど、もう少し関谷さんに付き合ってみようと思う。

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