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夢幻 「甘いバレンタイン?」

遅れてすみません。

番外編ですが、一応これから書こうと思っている未来の本編にはさむ感じになります。タブンネ。しかも急展開なので訳が分かんないです。


まだ出ていない名前や人物がいますが、ちゃんと出させるようにしますのであしからず。

ではどうぞ。

 とある日の事。

現代で有名なイベントがこの幻想郷でも実行されようとしていた。

そう、バレンタインである。

昔はこのようなイベントはなかったがたまに幻想郷で迷う人、つまり外来人と呼ばれる人によって広まったのである。

外来人とは何らかの原因でこの幻想郷に来てしまう人の事である。

しかし、幻想郷は妖怪がいるため普通は生きている人は少ない。

妖怪全部が人食いとは言わないが、それでも少ない。

特別親切に人里まで案内する妖怪も普通いないだろう。

それでも何とか生きて助かっている人もいる。

要は運次第といったところか。


 そのバレンタインでそわそわしている賢者が一人、八雲紫である。

なぜかって?

そんなもん知らんがな。


「……できた」


 綺麗に包装された箱を見てうんうん頷く賢者。

その顔はとても幸せそうである。


「紫様?何をなされているのですか?」


「っ!?藍、脅かさないでよ!?」


「何やら真剣な表情でしたので……何ですそれは?」


「ああこれね。チョコよ」


「チョコですか?……あー、バレンタインのですね」


「なんで知ってるの!?」


「人里でもなんだかその手の話題で人気ですよ。多分外来人のせいですかね。義理チョコとか友チョコとかたくさんの種類があるみたいですが」


「そうなの?まあいいわ早速幻夜に渡さないと」


「ちなみに幻夜様はお出かけ中ですよ」


「なんですと!?」


「紫様が寝ている間にですよ。私は橙と一緒に幻夜様に渡しましたけど」


「主を差し置いてあんたは何やってるのよ!」


「渡せるときに渡しておいた方がいいと思いまして」


「……まぁいいけど幻夜にお出かけの行先とか聞いてないの?」


「特に何も言ってないですよ、もしかしたら人里にいるのかも?」


「早速行ってくるわ!留守番頼むわよ藍!」


 紫はスキマを展開して人里へ向かった。

渡せるといいね(笑)


----------


そのころの幻夜in人里


「……これで全部かな?店長さーん、これで全部かー?」


 とある店の手伝いをしていた。

たまに人里に来ては人の手伝いをしている。

これも一つの趣味なのだとか。


「おう、ご苦労さん。しかし、あんた妖怪なのに人間の力仕事手伝うなんてな」


「我は人間が好きだからな、困っている奴がいると手を貸してあげたくなる」


「そうなのか、あんたいい妖怪なんだな」


「そうでもない。昔は人間に危害を加えるような妖怪は真っ先に倒していたからな」


「今はそうじゃないんだろう?」


「ああ、とある奴との出会いで心が変わったよ」


「そうならいいじゃねーか。大切なのは今だぜ」


「人間の貴公に言われたくないな、……それじゃまた機会があれば」


「ありがとな、助かったよ。また見かけたら声かけるぜ」


 店長という人に別れの挨拶をし、そのまま人里を歩いていく。

なぜだかいつもより活気があるな。

……そういえば今日は現代ではあの日だがこの幻想郷でもあるのか?

八雲……いかんいかんまだ慣れてないようだ。

紫に聞いた話だと現代から幻想郷に迷い込む人間もいるようで、それがこの人里に来ることが多いと聞いた。

妖怪に食われる奴もいるようだが、たまに私も助けている。

逃げにはちょうどいい能力でな、無傷でやり過ごすのにはこれが一番である。

昔は問答無用で斬っていたがな。

おっと話題がそれてしまったな。

そう、今日はバレンタインという日らしいな。

私は一応聞いたことがあるがよく分からない。


「さて、今日はどう暇をつぶそうか」


 しばらく歩いていると人だかりができている。

何をしているのかと覗いてみる。

大体分かるがな。


「おや、人形か……という事はアイツの人形劇か、暇だし見ていくか」


 たまに森から魔女がこの人里にやってくる。

確か名はアリス・マーガトロイドといったかな?

本人はインドア派と言っているがそうには見えない。

人形の研究に忙しいとかなんとか。

自立人形と言ったかなその研究は。

よく分からんが本人にとっては最大の目標なのだろうな。

これを見終わったら次は何処に行こうかと悩んでいるうちに人形劇が終わったようだ。

そこにいた多くの子供達がはしゃぎながら散っていく。


「終わったか……何だそれは?」


 そのうちの数名の子供、しかも女の子に何かを差し出される。

そういえばここの子供たちとも遊んだっけ。


「チョコレート!前にお世話になったから、はい!」


「くれるのか?義理チョコというやつか……ありがたく貰うよ」


「うん!今度お返し頂戴ね」


「分かったよ」


 子供たちはチョコ渡して去っていく。

まさかホワイトデーもあったとはこれは忙しくなりそうだ。

藍の分と橙の分も用意しないといけないな。

朝に二人から渡されたしな。


「あら、モテモテね狐の妖怪さん」


「うるさい人形使い」


「相変わらずきつい返しね、今日も暇つぶしに来たの?」


「まあな。暇だからここの劇を見ていたよアリス」


「そうなの。見てくれたお礼にはいこれ」


「お前もか、てっきりこの手の話題はあんまり聞かないかと思っていたのだが」


「外来人がいろいろ言ってたからね」


「ふーん、まぁいいや貰っていくぞ」


「お返し、楽しみにしているわ」


「はいよ」


 チョコを渡された後アリスと別れる。

その後もいろんな奴からチョコを渡された。

さすがにこの量はきついぞ。

一日で食い切れんししばらくはチョコと格闘か。

胸焼けしそうで怖いな。

永遠亭で薬でも貰うか?


 だいぶ日も落ちてきたので紫の屋敷に帰るとする。

ここから飛んでいけば三十分で着くかな。

全力で飛ばせばな。

ていうよりその必要もなさそうだ。

そう、奴だ。


「やっと見つけたわ……今までどこにいたの」


「そう怖い顔すんな、綺麗な顔が台無しになるぞ」


「綺麗な顔って……違う!そうじゃなくって!」


「人里にいたよ」


「えっ!?見つけたらすぐにスキマに送り込んでやろうと思ったのに、本当に人里にいたの?」


「本当だよ。ただし、お前に見つかると面倒だから見つけたと思わせる妖術を使った」


「……能力を使ったのね、道理で違う人ばっかりだったんだ」


「逃げに便利だなこの能力は」


「幻影を操る程度の能力……うまく使えば戦闘でも有利になれそうね」


「まぁそうだな。それで何か用か?今から帰ろうと思った矢先にお前が出てくれて助かった」


「人を便利屋みたいに……」


「便利じゃないのかそのスキマは?」


「確かに便利だけども……ほら、出してあげたから早く入りなさいな」


「じゃあ、おじゃまっと」


 スキマは本当に便利だな。

今度私にも移動用だけでも使えるようにしてもらうかな。


「よっと、着いたな。ただいま」


「はい、お帰りなさい。藍ー帰ったわよー……あれ?」


「いないのか?」


「結界の様子でも見に行ったのかしら?」


「仕方ない、今日は我が料理を作るが何がいい?」


「その前に私の部屋に来てくれないかしら」


「何で?……ああ、バレンタインな」


 私はそう言って指を鳴らして今まで見えなかった物が見えるようになる。

袋詰めにされた大量のチョコである。

紫も驚いたような表情に変わる。


「何よこの袋!?しかも大量のチョコ!?誰から貰ったの!?」


「里の子供多数に、博麗に霧雨にアリスに魂魄に上白沢に藤原に東風谷に、それと紅魔館のメイドかな?」


「そんなたくさんもらったのね……じゃあ私のは」


「ん?紫のもあるのか?」


「(ビクッ!?)ええ、まあ……」


 こいつも用意していたのか。

冬になると冬眠するとか言っていたくせに。


「で?お前の部屋にあるんだろ?早く夕飯作りたいんでな」


「(私の気持ちも知らないくせに)……分かったわ」


 しかし紫の部屋なんか見たことがないな。

藍の事だから綺麗に片づけていると思うがいなかったらゴミ屋敷にでもなっているんかね。


「ふーん、なんだ散らかっているかと思ったが」


「なによ、私だって自分の掃除ぐらいするわよ」


「なんだっていいけどな。それよりも渡してくれるんだろ?」


「そうね、えーと……」


「……どうした?」


「はい、私の気持ちよ」


 私の気持ちって、……ああそうかこいつは。


「……そうか、ありがたく貰うよ。しかもやけに綺麗に包んでるな、開けづらい」


「(やっぱり気付いてくれない)せっかくだから今食べてもいいのよ」


「夕飯の後でな。なぁ、紫」


「何?」


「我の事が好きなのか?」


 大胆に言ってみる。

さてどう反応するか。


「っ///えっとそれは……!?」


「やっぱりな、なんとなく昔と違う感じがしたから何かと思ったらこの事か」


 そしてそのまま抱きしめる。


「ちょっと!?」


「隠さなくていい。……藍も気付いてたんじゃないか?」


「あの子は頭いいからね、分かってるんじゃないかしら。それよりも結構恥ずかしいんだけど///」


「やっぱりお前を弄るのは楽しいな、その分倍返しにされるけどな」


「弄るって……なんだか苦しいんだけど」


「ぎゅっと抱きしめてるからな、ついでに頭も撫でられる、お得だな……おっと」


 急に体が無理やり離され距離を取られる。

とても弄りがいがあったね。


「やっぱり賢者様とは言えども恥ずかしすぎるんですかね(ニヤニヤ)」


「幻夜……あんた覚悟しなさいよ#」


「まぁまぁ、抑えて抑えて」


「問答無用!幻巣『飛光虫ネス……!?」


 スペルカード宣言する前に無数の鏢が飛んできた。

スキマの展開も間に合わずどうなるかと思いきやとたんに消えた。


「幻影……って近い!?」


 いつの間にか紫の前に幻夜がいた。

それもかなりの近い距離で。


「家の中でそんなもん発動すんな。……これはちょっとしたお仕置きだよ」


 紫はなぜか瞬間的に目をつむる。

怖いのだろうか、それとも無意識なのか定かではないが。

しかし思いもよらない出来事が。


「……えっ?」


 頬になんだか暖かい感触があった。

恐る恐る目を開けた。


「……幻夜、今何をしたの?」


「分からない?頬にキスしたんだけど」


「……えっ///」


「疑うのか?じゃあ……これが我の気持ちかな」


 紫は一瞬幻夜が何を考えているのか分からず頭が思考停止していると今度は唇に感触が。


「……っん!?」


「……驚いた?」


「……」


「紫?」


「……幻夜にキスされた、しかも二回も///」


「いいじゃないか好きな相手同士、文句ないだろ」


「……幻夜」


「今まで気づかないふりしてたけど、……やっぱり好きだったんだな紫の事が」


「……私も好きよ」


「なんだかこっちまで恥ずかしくなるな、まあしかしこれはなるべく秘密にしておかないと」


「なんで?」


「いいのか?お前の事は知っている奴が多い。このことがばれたら……」


「……想像しただけで寒気が」


「といってももうばれてるんじゃないか、……そうだよね式神のお二人さん。廊下で聞いてるんだろう?立ち聞きはよくないな」


「藍!?それに橙も!?」


襖越しから気配が感じていたのは分かっていた。

……なんとなくだが。


「えーとなんというか……」


「失礼します!?」


 どうやら逃げ出したようだ、それも全速力で。


「聞かれた……死にたい……」


「まぁいいじゃないか、身内ぐらい」


「はぁ……なんかどっと疲れたわ。もう寝たいぐらい」


「そうだな。じゃあ、今寝るか二人で」


「えっ!?でもそれは」


「もう我はいろんな意味でお腹いっぱいだしな、……嫌か?」


「嫌じゃないけど、えーとその……」


「ちなみにもう布団はあるけど?」


「いつの間に!?」


「ほれほれ、はやいけど寝るぞ。チョコは明日食べてやるから」


「うん、じゃあおやすみ」


「おやすみ」


 幻夜が紫を優しく抱きしめ、二人はそのまま眠った。

ごめんなさい。本当にごめんなさい。

なんだかこんな感じのものを一度書いてみたかったんです。

gdgdですけど。


うん、物は投げないで。

死んじゃうから。

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