表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
191/222

白と赤 0

     



         ☦



「見たな? 

 (わたし)を……見たな?」


「お……おお……!」

 

 喘ぎが白い息になる。

 凍れる夜の片隅。


「おまえは……人ではないな?

 なんということだ! 私は初めて見たぞ、こんな……」

「もう遅い」

「おお! その瞳……」

 

 戦慄は寒さのせいか? それとも、

 今、眼前に立つ、その存在(もの)のせい?


「さあ、おいで。

 もはや、逆らえぬ。吾が本性を見た者は、皆、思いのままじゃ」


「おまえ? そんな眼(・・・・)でこちらが見えるのか?」

「見えるとも。さあ――」


 差し出された手。

 その手もまた、初めて見る形骸(かたち)


「おいで。妾とともに」

「――」

 

 剥き出しのその手を男は震えながら掴んだ。

 そして、誘われるまま歩き出した。

 妖怪(あやかし)とともに真っ白い世界の中へ消えて行った。








評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ