コンビニで…… (上)
携帯を覗くと時間は十五時三十三分を回った。
脱出するとは言ったものの、昼飯を食べてないし走り回って疲れている。
「エス、メグ、脱出をするのはいいけれど、俺は今疲れてて体力が持ちそうにない。どこかで休めるようなところはないのか?」
走っていた足を止める二人。そうだな、と腕を組んで考え込むエス。
「たしか近くにホテルか何かあったはずだ。そこに行って食料と寝床でも確保しておくか」
メグはただ頷く。俺も異論はなく、近くを探すことになった。
「ところで志悠、君はそれの扱い方はわかるか?」
エスが指差したのはニューナンブM60、リボルバー拳銃。本物の拳銃は玩具よりも重く、殺傷性もある。
「リボルバーだから、引き金を引くだけでいいんだろう?」
「その前にハンマーを引き起こす必要がある。それと実弾故に反動が強い。必ず仁王立ちでしっかり両手で構えて、撃つんだ」
反動ってそんなにあるものなのか?
「それとこれは予備の弾丸だ。二十発分しかないが、君には十分だろう」
ジャラッ、とエスがくれた透明の袋の中には弾丸が入っていた。装弾されている弾と合わせて二十五発、確かに十分な量だと思う。
俺は拳銃については詳しくないから、とりあえず屍を殺せればなんでもいい。
今は武器があるため、俺とエスとメグは手分けして探すことになった。
「(武器はあるけど、やっぱ怖いな……)」
親友のアレから三時間しか経っていないのに、一週間くらい経った気分だ。
街中もすっかり変わり果て、普段とは違う。
曲がり角や狭い通路に気をつけながら探し回る。と、ここで一件のコンビニを発見する。
「(あそこなら食料を確保できるだろう、何もないよりはマシだ)」
車の通らない道路を一直線に走り、コンビニへと足を運ぶ。このコンビニの周囲にはビルが少なく、店内は日の光が入り明るい。今のところは電気がとどいてあるから意味はないが。
店内に入ると、いつものように店員が……立っていた。
「いらっしゃいませ」
「(……ええ!? この状況で働いてるのかよ!)」
これには異常に驚いた。それに彼(男の店員)は噛まれておらず、爽やか笑顔でレジに立っている。
自然と拳銃をスボンの腰に引っ掛けて服で隠した。
「(この人……絶対に気づいてない。でもいずれここにも屍は来るだろう)」
これは大変困った……。
彼は屍のことどころか、この街がどうなっているとか知らない。それはつまり普通に仕事をしているということだ。結論を言うと、商品にわざわざ金を出さなければならない。だが、そんなことをやっている暇などない。言い方は悪いが盗むという方法もある。しかしそれをやってしまえば、爽やか店員さんが叫んで屍を呼ぶ可能性も考えられる。
「(説明しても納得や理解はしてくれなさそうだし……)」
殺す……?
「(いやいや、俺は何を考えている! 別の方法を考えろ……何か打開策はないのか!)」
どうすればいいんだ! 店員にバレずに商品を手っ取り早く取る方法はないのか!?
俺はとにかく、考えた。
打開策が見つからない…
というかふざけすぎてますね(笑…えない)
10/17 修正
12/02 修正




