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Dead end world.  作者: NPTNs
第二章
26/34

変わっていく運命

 変わるはずのない運命が変わった。それは斎川恭香だけでなく、区宮志悠の運命も変化していく。

 繰り返される運命は、あのレストラン《プロローグ》から始まる。しかしこの世界ゲームに終わり《エンディング》があるのかわからない。


****


 二〇十五年二月十日。

 この日久々に会社から休暇をもらった青年、区宮志悠は、学生時代の同級生で同じ会社の同僚である親友と、軽く食事をすることになっていた。

 もうすぐ春が到来する、という時期であるが季節は冬だ。

 暖かい日もあるがこの日は特に寒い。そのこともあって、区宮と親友は十二時に待ち合わせ。であったが、区宮は待ち合わせよりも一時間以上も早く着いてしまい、時刻は十一時である。


「ありゃ、出る時間早かったかな?」


 頭をポリポリかきながら、店内へ入ろうとドアに手をかけた時。後ろから声が聞こえてきた。


「よう志悠」


 ドアから手を離し、声のする方へ振り向く。


「おう……って、その二人は?」 


 区宮の後ろにいたのは、同僚である親友とシェフらしき二人であった。二人のうち一人は、どうしてかひどく怯え、震えていた。


「来る途中に見つけてな……事情はよくわからないが、なんだか様子が変だったから」


「そうか。まあ、立ち話もなんだし、この店で休憩でも――――」


「――――入らないほうがいいと思います」


 先程までずっと黙っていた二人のシェフのうち、一人がそう言った。

 二人は、いまにでも吐きそうな顔をこらえているようにも見える。


「ここに何かあるのか?」


「……頭を潰された死体が」


 それを聞いた途端、怯え震えていたシェフは吐いた。もう一人のシェフは背中をさする。

 区宮と親友は驚きの表情を隠せず、口を閉じれなかった。


「死体……嘘だろ」


「殺人、なのか?」


「そういうことになります。『斎川恭香』、それが犯人で――――」


 『斎川恭香』の名前を聞いた瞬間、区宮の脳内で体験したことのないリアルな映像が流れた。『斎川恭香と他の仲間たち』、と喋っている映像。そうして区宮は、思い出す。


「皆、助けないと……」


「え? どうした志悠……っておい!!」


 親友の言葉も聞かずに区宮は走って行った。

 斎川恭香と区宮志悠。その二人の運命が変わったことにより、徐々に世界ゲームのバランスが崩れていく。


****


 区宮志悠が走り去って一時間が経過し、十二時を回った頃。斎川恭香は住宅密集地に迷いこんでいた。


「(ここに行かないといけない気がしたけど……ゾンビが多いわね)」


 斎川恭香はここに来る途中、何度も屍と出会い、脳内で聞こえた『屍』という言葉をそのまま化物に名づけていた。

 脳内で聞こえた言葉は、『私を、思い出せ』という言葉が最後であった。それからは記憶より、感覚で行動している状態である。


「(う~ん……ここどこ? とりあえず歩こう。なるべく音を立てずに)」


 この斎川恭香以前の斎川恭香たちは、ここで叫び声を聞き遠ざかっていた。しかし運命が変わった今、選択肢も変わり続ける。


「紗依――――丈夫――――こう」


「そ――――ね――――あっち――――」


 ふと声が聞こえる。女子と男子の声が聞こえ、他にも男女六人ほどの声がする。


「(生存者? とりあえず行きますか)」


 住宅密集地では声が少し響くが、そこまで大きくもない。会話する程度の声量だとすると、すぐ近くにいるはずだ。

 斎川恭香は、小走り気味になる足を抑えながら向かっていく。


「――――でしょう?」


「うん……誰だ!?」


 歩き出して三分も経たずに、八人の男女グループに出会えた。


「安心して、私は人間よ。その棒をおろして――――へ?」


 彼女を見たとき、言葉が止まった。いつか見た仲間の顔が脳内で再生され、その記憶の中の人物と、今ここにいる少女の顔が似ていることに驚く。そして会ったことのない女性の名前を呼んだ。


「武藤、桜華……」


「何で……その名前を――――?」


 名前を聞き、少女も驚きの表情を見せた。その時、必死に走ってくる一人の男性と、その男性の後ろについてくる三人の男性がこちらに来る。

 息を荒げ、呼吸を整えたと思えば急に、


「斎川、悪かった!」


 斎川恭香に謝った。しかし斎川恭香は、その男性の顔すらよく見ておらず、全く誰かわからない。

 男性の後ろにいるシェフの二人は、その名前と斎川恭香を見て顔を青ざめた。


「斎川恭香――――!」


 具合が悪そうに二人とも口をおさえる。頭を下げる男性とその三人以外、状況を把握していないようで、皆が皆顔を見合わせた。


「と、とりあえず頭を上げてくれる? 謝れる理由がわからないのだけど」


「――――? なら、この顔を見ても見覚えがないと言えるか?」


 男性がゆっくりと頭を上げる。徐々に目、鼻、口と顔の全体が見え、そして全体が見えた瞬間に斎川恭香の脳内で、あらゆる記憶が蘇る。

 何度も何度も繰り返した運命で、ずっと近くにいて助けてくれた仲間。そして最後に必ず、斎川恭香をゲームオーバーに追いやった男。しかしその顔にはすべて、涙が浮かんでいた。


「区宮志悠――――」


「――――ああ」


 プレイヤーも誰も操作していないこの世界ゲームのバランスが、一気に崩壊した。それは、出会うはずのない二人、思い出す(ロードする)はずのない記憶。そして、起こるはずのないこと(バグ)によって見えたフラグによって、終わり《エンディング》が見えてきたことである。


To be continued....

わかりますか? この無理矢理さ……

以前まで「ご都合主義(ry」とか言っていた、作者の都合悪すぎな物語の変化です。

あ、それと、できたら挿絵のほうを描いてみたいとか思ったので、私の気分など良ければ挿絵が追加されると思います。しかしあまり期待はしないでください。気分に関しても絵に関しても。


さて次回予告。


なぜか斎川が記憶を思いだし、区宮も記憶を取り戻していた。過去最高の十三人の生存者たちは世界から逃れられるか?

これからの物語はどうなるか?

では~

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