プロローグ2
二〇十五年二月十日。
この日、久々に会社から休暇をもらい、学生時代の同級生で同じ会社の同僚である親友と、軽く食事をすることになった。
もうすぐ春が到来するっていうのに、やはり季節は冬。暖かい日もあるけれどこの日は特に寒い。そのこともあって十二時待ち合わせ、であったが、待ち合わせよりも二十分早く着いてしまった。
レストラン入口の床には血溜まりがりあり、店内には誰もおらず静かだ。
「(何かあったのか……?)」
周囲を見渡すと窓には血痕が付着して、床には再び血溜まりがある。
「(そういえば、外も車が停車してて人影もなかったな)」
その時、厨房のドアから一人の男性が飛び出してきた。
「っ! 志悠(しゆう)!」
名前を呼びながら出てきたのは、親友であった。しかし親友は左足を引きずり、ふくらはぎはえぐられたように肉が引きちぎられ、傷口からの出血が激しい。
「――――!? どうしたんだそれ!」
額から汗が噴き出しながら、必死に此方に向かう親友。
「変な奴が……食いちぎりやがった」
急に厨房のドアから、何かを求めるかのように此方に来る五人の人間。
三人はシェフで二人は客と思われるが、何故か五人とも唸り声をあげている。
「何だ、コイツら?」
骨が剥き出した足を引きずりながらも、必死に此方に向かう親友。
「……志悠、助けてくれ」
すると入口から同じような人間が二人、店内に入ってきた。コイツらも唸り声をあげて此方に来る。
「何だよコイツらは!?」
「……わから……ない」
親友は顔が真っ青になっており、出血が一向に止まらない。
「来るな!」
訳もわからず、テーブルにあったナイフやフォークを奴らに投げつける。だが体に刺さったまま、出血もせず此方に向かう。
「なんで動ける!?」
「ぅ……ぉぇっ……」
何かを話そうとした親友は、突然嘔吐した。
「お、おい!」
心配をしている間も人間たちは此方に迫る。
「噛まれ……てから……具合が……」
「くっそ!!」
徐々に迫る人間たちをどうにもできず、その場に立ち止まるしかない。
親友は具合の悪さと足の負傷から座り込む。
「ちくしょ……ぅ」
「化物なんかに、殺されてたまるか!」
そう言ってひたすらナイフを投げまくる。しかしナイフは刺さらず床に落ちたり、向こうまで飛んでいく。その時、入口の方にいた一人の人間が、床のナイフに足を滑らせ倒れ込み、同時にもう一人を巻き込んで二人の人間が倒れた。
道を塞いでいた人間が倒れ、飛び越えれば外に出られるが、負傷した親友に手を貸していては人間たちが立ち上がってしまう。そこで察したのか親友に足を掴まれた。
「おい……志悠?」
親友の真っ青の顔からは、自然と涙が出ている。
どうすることもできず、一歩足を踏み出しその手を払って、
「ごめん」
一言謝り、その場から走って逃げた。
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俺は親友を見殺しにした。
10/17 修正
12/02 修正
12/06 修正




