スーパーマーケット (上)
警察署を出て一時間経過した頃。私は、唐木さんに愚痴を吐いていた。
「あの~唐木さん。確かに遠いとは聞いたけれど、あまりに遠すぎませんか? 十四時頃出発して、今もう十五時になりますよ?」
「仕方ないだろう。警察署の近くにあるスーパーマーケットは、全部食い尽くされてる。俺の予想では、化物が多い場所は比較的狙われないはずだ」
「予想!? そんな根拠のないことで私は1時間も歩き続けてるわけ!?」
愚痴や怒りを通り越して、私は呆れ始めた。なぜかというと、警察官と言っていたわりには、頭が悪そうだから。
ギュルル~、と腹の虫が鳴り始めてきた。
「もう嫌だー……恥ずかしいとかどうでもいいから、早く何か食べたい」
「凄く子供っぽい発言もするんだな」
馬鹿にしながらあはは、と面白そうに笑っている。
「っ~!! わ、私を馬鹿にするな!!」
「お、おい。あまり大きい声は出――――」
が、時既に遅く十匹の化物が私たちに迫っていた。
「こんな時に出るんじゃないわよ! も~……早速、腕試しってことね」
「その前向きさは酷いな。でも、俺たちが殺されたら、元も子もないか」
四方八方から化物が近づいてくる。その化物たちに私と唐木さんは、拳銃を構えた。そして、
「いくぞ!」
「OK!」
ハンマーを引き起こし、二発の銃声が重なって聞こえると、二匹の化物が頭から血を流して倒れた。
私は再びハンマーを引き起こし両手で構えながら化物に近づき、一匹を足払いして頭に銃を突きつけ、引き金を引く。
頭から血を流したことを確認すると、その場で近くの二匹を早撃ちで仕留める。
唐木さんも同じ位置から慎重に、頭を狙って仕留めている。
化物の残りは三匹。一丁目の装填中残弾は一発。
「唐木さん、残りの二匹は頼みますね!」
「おう、任せとけ」
残りの二匹を唐木さんに任せ、私は一匹に向かって走り出す。その化物の腹に左足で力の限り蹴りを入れた。ところが、その化物は倒れず、蹴った私の左足を掴む。
「――――! こいつ、私の足を掴むな!!」
左足を掴まれたまま、右足で力いっぱい化物の顔を蹴った。しかし、完全に首が折れたわけではなかったらしく、まだ襲ってくる。
残弾一発の拳銃のハンマーを起こし、あらぬ方向に曲がっている顔に狙いを定めてから、躊躇いなく引き金を引いた。
「……」
足蹴り一撃で仕留められなかった。それは、私の力不足を感じさせた瞬間である。
横目で唐木さんへ視線を移したが、心配は必要なかったらしい。見事に二匹を仕留めていた。
「大丈夫か、斎川さん」
「なんとかね……」
一丁目の拳銃をショルダーホルスターの2丁目と交換する。そしてしゃがみ、掴まれた左足をさすった。
「本当に大丈夫なのか?」
「ええ、左足を強く掴まれて痛いだけ」
すぐに立ち上がり「行きましょ」、と左足を引きずりながら、歩き出す。
****
それから更に十五分。ようやく、目的のスーパーマーケットへと辿り着いた。十五分のうち、五分は私の左足が原因でかかっている。
「やっと着いた……」
「ああ、しかし、ここも食い尽くされている可能性もあるがな」
その一言は、私の安心感を一瞬で奪い去った。もしも、ここがダメであったら、諦めるかもしれない。私の左足は未だに痛みが引かず、思うように身体は動かせない。
「神様……お願いだから、私たちを見捨てないで……」
私と唐木さんは、入口ドアにまで歩き出す。私はただ祈っていた。
「―――斎川さん、その神様は、まだ俺たちを見捨ててはいなかったようだぞ」
入口ドアから見える光景。それは、何かを求め歩く化物の姿と、まだ食い尽くされず残った食料が見えた。ところが、ここのスーパーマーケットは化物の数が多く、食料を手にしたいという気分が削がれるほどである。
「確かに、見捨ててはいないようだけど……この数の中、食料を取るつもり?」
数えたわけではないが、化物の数は、十や二十という数字を遥かに超えている。下手すれば、食料を確保する前に死ぬ可能性もある。しかし、内心はやはり、スリルというものを感じていた。
「どうもこうも、近くの化物を、この拳銃で倒していくしかないだろう。だが、銃声で寄ってくるだろうが、な?」
店内で拳銃を発砲すれば、響き渡る銃声の音を聞き取って、化物は寄ってくる。しかし、大量の化物相手に、拳銃なしでは死の危険すらある為、選択肢としてはこれが一番安全だ。
「そうみたいね……でも、やるしかない」
「覚悟を決めたか――――――よし、行くぞ!」
アイディアが思い浮かばないっ
駄目作者ですみませんっ;
10/17 修正
12/02 修正




