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Dead end world.  作者: NPTNs
斎川恭香編
11/34

救いの手

 十二時を過ぎてから腹の虫が鳴り始めた。

 住宅密集地を抜け出せたはいいが、それまでに体力を消耗しすぎてお腹がもたない。それに弁当は置いてきたし、携帯食料も持っているはずはなく、腹を鳴らすしか方法がないのだ。


「(流石に恥ずかしい……それに、音を鳴らしていたら化物を呼び寄せる)」


 ここまで来る途中に様々なお店はあったけれど、どこもかしこも化物だらけで近づけない。そうなると巨大ショッピングモールなどは店内に化物だらけだろう。しかしショッピングモールで休憩できる場所の可能性はなきにしもあらず。

 腹を鳴らし、化物を避けながら歩いていく。その化物のほとんどが警察の制服を着ていた。


「(拳銃は所持していないようだけど……近くに警察署でもあるのかな? 運が良ければ武器が手に入るし、探してみよう)」


 危険をスリルとして感じた私は、わくわくしながら周辺を探し始めた。


****


 あれから数分。ようやく警察署を見つけ出した。警察署の前には多量の血痕が残されており、化物を殺した形跡もある。

 拳銃がいくつか落ちてあった。しかし装弾されてる弾は空だったり一~二発程度で、拳銃自体は変形していて使えものにはならない。


「(一応、装弾されてる弾だけ持っていこう。集めても四発程度しかないけどね)」


 集めた四発をズボンのポケットの奥へ入れ、警察署の中へと歩き出す。

 自動ドアが開き、中の様子が鮮明に見えるが人影は見当たらない。


「(今思ったけど、警察署なんて入ったことないから、拳銃の在処は知らないわよ……)」


 若干落ち込んだ。それでも武器は今後重要になるし、持っていて損はない。


「(まぁ、化物がいないってことだけは運が良いわ。拳銃の在処を知ってる警察官がいれば、もっと運がいいんだけどね……)」


 化物がいない、というのは言葉通りだ。なぜならここ周辺には化物はおらず、恐らく襲った後に別の場所へ移動したと思われる。それはいいとして、とにかく今は武器を入手しなければならない。

 私はゆっくりと奥へと進んだ。


****


 奥へ入っていくと、刑事ドラマで見たような事情聴取で使用する部屋が見つかった。実際に見るのは初めてなものだから、テンションが上がる。


「(凄い……なんか、よくわからない感動が……)」


 ドアには小さい四角形の透明ガラスがつけられている。そこに覗き込んだ先に警官の制服を着た人間が拳銃を持って立っていた。ここからだと化物なのか生存者なのかわからない。

 私はドアノブに手をかけ、ゆっくりとドアを開けた。


「(怖いのに……すごくワクワクする……!)」


 無意識に一歩一歩近づいていく。

 声をかければいいだけなのに、無意識に身体が動き、近づいている。そして、私は化物か生存者かわからない人間の肩に手を置き、


「あ――――」


 言葉を出した瞬間、人間は急に振り向き拳銃を構えた。驚いて数歩後ろに下がる。すると、何かとぶつかってしまう。後ろからは小さく「あぁ……」と声を漏らしたような音が聞こえる。そう、今、私の後ろにいるのが化物だ。


「――――!」


 この場から離れようとしたが、金縛りにあったかのように身体は動けない。


「伏せろ!」


 男の声を聞き腰を抜かした。その後に一発の銃声が聞こえ、真っ赤な血が私のズボンに染み付いた。


「――――!?」


 秒単位のことで、私は何が起こったのか理解出来ない。

 頭は真っ白で、背中の感触や血の臭い、目の前の光景やらが頭の中でごっちゃになっている。しかし、先程感じた恐怖が1番のスリルだったことに変わりない。


「大丈夫か? 怖かっただろう」


 差し伸べられたその手は、私に向けられた救いの手だった。

 内心スリルでワクワクしながら、私は手を取る前に男へ質問をする。


「なんで、助けてくれたの……?」


 当たり前すぎるその質問に「理由はいらない」と言うような奴は裏切り者だ。なぜなら、それは言葉だけだからである。仲間を見殺しにした私が言えるものではないが「理由はいらない」と言う奴ほど、簡単に見殺しにするのだ。


「なんだ、理由がいるのか?」


「(この人も――――)」


 そう思って手を引っ込めようとした時、男は話し始める。


「この制服を着ている通り、俺は警察官をやっている。まぁ、今や街はこの有様で、警察なんて飾りにすぎないけど……俺は今も警察としての誇りを忘れてはいない。人間であると同時に警察官だ。それが、俺自身が他人を助ける理由だな」


 厳格そうな顔をしている割には、臭いセリフを吐いた。それに少し満足そうにしている。思わず私は笑ってしまった。それでも、この男は人を見殺すような人間じゃないとわかった。

 私は差し伸べられた手を掴み、立ち上がった。


「ふふ、ごめんなさい。つい笑っちゃった。あ、私は、斎川(さいがわ)恭香(きょうか)よ。よろしく」


「笑われたのが納得いかないが、まぁいい。俺は、唐木(かつらぎ)啓悟(けいご)だ。こちらこそ、よろしく」


 二人は自然と握手を交わした。


「ところで、拳銃の在処を知らない? 私は武器を持ってないから、今後の為にも必要なの」


「確かにそうだな。ここで待っていても仕様がない。こっちだ、ついて来てくれ」


 私たち二人は部屋を後にし、武器を手に入れるべく歩き出した。

PC壊れてすみません;

もしも本文の言葉(単語)など、変わっていましたら申し訳ないです。


10/17 修正

12/02 修正

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