表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Dead end world.  作者: NPTNs
斎川恭香編
10/34

スリル

プロローグ1の女主人公。

斎川さいがわ恭香きょうか編。

「はぁ……はぁ……」


 レストランから逃げて、およそ二時間が経った頃だろうか。ひたすら逃げることだけを考えていた私は、現在位置を確認していない。見た限りでは住宅密集地だろう。

 住宅密集地のため、日の光があまり当たらず、人が一人入れそうな隙間は真っ暗でよく見えない。あの化物に注意して別の場所に移動しなければ……。


「誰か! 助けてくれ!」


 住宅密集地に叫び声が響いた。化物に襲われている人に違いない。しかし私は足を止めず、歩き出す。


「誰か! 誰か助けてくれ!!」


 男性の叫び声は、近くの化物たちを呼び寄せている。あの化物たちは目が退化しており、代わりに聴力と嗅覚が非常に優れているらしい。音を出せば寄ってくるし、肉や血の臭いを嗅ぎつければ虎の如く襲いかかってくる。それは足音も同じこと。音は小さいが近くにいる化物には気付く。


「ん……」


 私は、極力足音と呼吸を抑えながら道を探る。住宅が密集していて、今の居場所が全くわからないのだ。と、私の目の前に化物がゆっくりと此方に近づいてくる。


「(音さえ出さなければ、切り抜けるはず……)」


 辺りを見渡しても化物は一匹しかいない。これならやり過ごせる。

 一歩一歩近づく化物を、ただ右へ過ぎるのを待つ。

 化物への恐怖というものは既に無く、今はスリルを楽しんでいた。


「(あと少しで……通り過ぎる……!)」


 微かに鼻で呼吸をしながらじっと待ち、ようやく化物は過ぎ去っていく。


「ふぅ……」


 ところが安心して口で息を吐いた途端、化物は私の方へ振り向き「あぁぁ……」と声を漏らした。

 私が振り向くと、光の当たらない青白い顔が口を開けて襲いかかる。


「なんでよ、もう!」


 逃げようと思った。けれど本心では恐怖というスリルを味わっていた。しかし徐々に迫る化物を見て、足は震える。


「(嘘……やばいやばいやばい! このままじゃ、食われる!)」


 そう思った時には既に遅く、化物は襲いかかる。瞬間に私は化物の頭を掴み抑えて阻止する。

 カチカチ、と歯を鳴らす化物に鳥肌が立った。


「(力が強すぎる!)」


 この化物含め化物と化した奴らは全員、脳のリミッターが外れ、本来人間が出しきれていない力を100%出せるらしい。


「この化物がぁぁぁぁ! いい加減にしなさい!!」


 私は化物の頭を力いっぱいに右へ曲げた。すると、嫌な音を立てながら、化物は倒れ込む。


「うわっ……」


 地面に倒れ込んだ化物は動く気配がない。しかし、音を立てすぎたことで、近くにいた化物たちが寄ってきた。

 私の場所はちょうどT字路になっており、三方向から化物が寄ってくる。


「(大きな音を出したとはいえ、三匹……どうすれば)」


 私の結論は、立ち向かうことにした。近くに倒れている化物を見ている限りでは、倒せなくはない。ということ。

 私はまず左から来ている化物を相手にする。

 襲われる前に腕を掴んで背負い投げをし、しゃがみこみ首をへし折る。残りの二匹が私の方へと列を作って襲う。そこに蹴りを入れてドミノのように倒す。起き上がろうとする二匹。私は速やかに後ろ一匹へ近づき首をへし折った。その間にもう一匹は立ち上がり襲いかかるが、足払いで転倒させ、再び起き上がる前に首を折った。


「はぁ、はぁ……」


 息が荒くなる。

 地面に倒れている四匹の化物を見て、私は笑ってしまう。軽やかに化物を殺したことが、私の中で娯楽になりつつあった。経験したことのないような楽しさと喜び。二時間前のレストランの出来事から、私は徐々に人間としておかしくなりはじめていた。


最近、パソコンの調子が悪い…。

更新遅くなります。


10/17 修正

12/02 修正

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ