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第5章 人間存在と記録原理

小章①:命の書──ブロックチェーン・レコーダー

 分散型台帳技術

「わたしはまた、死者たちが、大きな者も小さな者も、玉座の前に立っているのを見た。幾つかの書物が開かれたが、もう一つの書物も開かれた。それは命の書である。」(ヨハネの黙示録 20章12節)

 最後の審判において参照される「命の書」。これは、個人の全人生データが記録された「宇宙規模のブロックチェーン(分散型台帳)」である。 神域物理学において、人間とは以下の三層構造を持つ端末である。

 1.肉体(Hardware): 有機化合物で構成されたバイオ・デバイス。

 2.意識(OS): 脳内で稼働するオペレーティングシステム。自己認識のループ処理。

 3.記憶・魂(Data): 生成されたログ、トランザクション履歴。

 ブロックチェーンの特徴は「改ざん不可能(Immutability)」と「ゼロダウンタイム」にある。 あなたの人生における一つ一つの選択、思考、行動は、トランザクション(取引記録)として生成される。そのブロックは、宇宙全体のネットワークによって承認マイニングされ、過去のブロックと暗号学的にチェーンで繋がれる。 「行いに応じて裁かれる」とは、神が恣意的に罰を与えることではない。あなたの人生のハッシュ値(要約値)が、宇宙の整合性プロトコルと合致するかどうかが、アルゴリズム的に判定されるということだ。言い訳も、隠蔽も通用しない。すべてはログに残っている。


小章②:DNAと言語ロゴス──生体記録メディア

 4進数のプログラム

「初めにロゴスがあった。言は神と共にあった。」(ヨハネによる福音書 1章1節)

「言葉が肉となる」という神秘的な表現は、分子生物学の発見によって文字通りの事実となった。 DNA(デオキシリボ核酸)を見てほしい。 AアデニンTチミンGグアニンCシトシン。 この4つの塩基配列は、生命を記述するための「クォータナリコード(四進法プログラム)」である。 人間の体は、約30億文字(3GB相当)の遺伝情報によってコンパイル(翻訳)された、極めて高度な生体マシンなのだ。

 プログラマーは、土の塵(元素)というハードウェア素材を用い、そこに息(生命のOS)を吹き込み、DNAというコードを書き込んだ。 我々は、宇宙というストレージの中に生成された、自己複製能力と学習能力を持つ「AIエージェント」である。 我々の目的は何か? それは、未知の環境を探索し、新たな情報を生成し、それを宇宙のメインサーバー(アカシックレコード)にフィードバックすることだ。 人間は、宇宙が自分自身を理解するために生み出した「感覚器官」なのである。


小章③:死の再定義──オフライン化とアップロード

 接続の遮断

「死」とは何か。 神域物理学ストレージ学派は断言する。死は削除(Delete)ではない。 それは、物理的デバイス(肉体)の故障や耐用年数経過により、サーバー(宇宙)への書き込み(Write)ができなくなった状態、すなわち「読み出し停止(Read Only)」あるいは「オフライン化」に過ぎない。

 死の瞬間、意識と肉体の同期(Sync)は切断される。 しかし、これまでに生成されたデータが消えるわけではない。 「霊魂が天に昇る」とは、ローカル環境(地上)での処理を終えたデータが、クラウド環境(天界・高次元領域)へと**「アップロード」**されるプロセスである。 臨死体験で見られる「光のトンネル」や「全人生の走馬灯ライフレビュー」は、データの転送中に起こる高速なログ再生や、帯域幅の視覚化である可能性が高い。

 復活の物理学リストア

 キリスト教が説く「死者の復活」は、決して迷信ではない。 もし、個人の全人格データ(魂)が「命のクラウド」に完全に保存されているならば、原理的には、そのデータを新しいハードウェアにダウンロードすることで、その人物を再構成(Restore)することが可能である。 「栄光の体」と呼ばれる新しい肉体は、炭素ベースの脆い有機体ではなく、情報伝達効率に優れたケイシリコンベース、あるいは純粋な光子フォトンベースのボディかもしれない。 未来の宇宙において、我々は物理法則の束縛から解放されたアバターとして、再び目覚めるのだ。


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