表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/10

綺羅星の目覚め 4


 放課後。商業区のカフェテリア。


 結局あのあと学園に戻る気にもなれず、終点の商業区にまでやってきてしまったルビー。

 一体どうするべきか答えを出すことが出来ず、授業終わりの友人に通話をかけていた。


『で、結局なんなのよ。なにがあったのさ。はよ吐け』


 通話を繋げてから二十分、適当な話を続けるルビーにしびれを切らせたのか、入学以来の友人――ミナが苛立った声を上げる。

 明らかにイライラしている友人の声に、ルビーは口をまごつかせて弁明した。


「ごめんなさい。私もなにから話せはいいものかと思っていて……」

『うるさい。とりあえず全部話せ』


 ミナのいつも通りの態度に、ルビーは少し安堵を覚える。


「信じてもらえないかもしれないけど……」

『信じるか信じないかは聞いた後で決めるわよ』


 ミナが先を促してくる。ルビーは今朝の出来事をかいつまんで説明した。


「――というわけなの。どう? 行ってみるべきかしら?」

『いやいや。どう考えても詐欺だよ詐欺。ルビー騙されやすいって言われない? これだからお姫様は』


 十数分に渡って話した内容を一刀両断され、ルビーはゴンっと机に頭を落とした。


『そもそもその人、宝珠を持ってなかったんでしょ? それじゃあどうやって星術打ち消すのさ。ありえないありえない。それで星術使えるんだったら、とっくの昔に私達だって星術使えてるって話だよ』

「それは、そうだけど……」

『それよりもアンタは来月の実技試験を気にしなさいよ』


 薄々感じていた疑念を突き付けられ、ルビーは口ごもる。


 宝珠とは、『星宝玉』を劣化複製させたデバイスのこと。

 それがなければ、人間は星術を発動できないとされている。

 それらと同調出来なかったルビーたち白服が紺服に差別されているのも、「学園に入学したにも関わらず、『星宝玉』に見放された落伍者」と見られているためだ。


『まあ、ルビーが言ってることが正しいんだったら、私も嬉しいけどさ……私も、まだ学校やめたくないし』


 けちょんけちょんにルビーの言葉を否定していたミナの言葉に、憂いが混じる。


『適正がない人間は、一年間の猶予期間に星術を使える見込みがなければ、進級することなく落第とする。そういった校則があることは知っていたけど、まさか私がそっち側になるとはね……』


 ルビーたちが身にまとう白服とは、つまるところ執行猶予つきの退学ということなのだ。

 二年生に進級する際、学園の生徒達は全員が宝珠との適性試験を受ける。

 その際に、生徒達は適正のある紺服と、適性の無い白服に分けられるのだ。


 白服を着ているということは、来年学校から去らなければならないということの証明でもあった。

 ミナが言う実技試験とは、白服が紺服と同じになれる二年次にある試験のことだ。

 その内容は『星術を使って、ダミー人形を破壊する』という内容。


 しかし、宝珠と同調できず星術を使えない白服は、どうあがいてもその試験を突破することが出来ない。


『私も、『星術使い』になって、いい仕事につけると思ったんだけどなぁ……』

「ミナ……」


 どこかやるせない態度を言葉に乗せるミナに、ルビーが言葉を探していた、ちょうどその時。


「ふむ。いい店じゃないか。僕もご一緒してよろしいかな?」


 ルビーに話しかけてくる、少年が一人。


 ばっとルビーが声の方向へと顔を向けると、一人の少年が、ルビーの座るテーブルの脇に立っていた。


 黒瑪瑙のようにつややかな髪に、細められた瞳。

 身に纏う制服は、光沢のある純黒に染まっている。

 だが、対照的に白く輝く肌にはくすみ一つない。

 ルビーはその優男顔を見て、憎々しげに表情を歪めた。


「ミシェル……」

「おや、お邪魔だったかな?」


 少年――ミシェルは、にこやかな笑みと共に、首を傾げた。

優男、登場――

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ