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最終話 うちらBFF(Best Friends Forever)だし

「えー、では後宮に関する問題ですがー」


 定期会議にて、ゴホン、とある宦官が咳払いした。「やはり、後宮の口調の乱れが目立つと思います」

 だろうな。

 私は机に肘をついて、組んだ手に顎を乗せる。

「このままだと、伝統的で正しい金語が使われなくなります」と議員。

 口調については何度か議論された議題だが、一向に改善される気配がない。なぜなら――。



「んー、でもさ、そゆのって、時代の流れ説ない?」



 しれっと、ギャルが会議に紛れているからだ。



「……なんでいるんだ、貴姉は」

「なんでって、ギャルのための会議っしょ?」



 ギャルがケラケラと笑う。



「ギャルのギャルによるギャルのための会議なんだから、ギャルとしていなきゃじゃん」

「いや別にギャルのために開いているんじゃないぞ?」



 むしろいかに後宮からギャル要素を排除するか話し合っているので、出ていって欲しいんだが。

 だがギャルは空気を読まない。



「それはそれとしてさ、あたしも議題持ってきたんよね」

「なんだ、議題とは」


 ギャルの存在を無視すればいいのだが、このギャル、割と緊急性の高い議題を持ってくるので、侮れないのだ。

 そして、今回もギャルはかなり重要な議題を持ってきた。


「スパイちゃんがエンペラくんにどうアピればいいのかわからないって言ってんの。逆だったらアドバイスできたと思うんだけど、こっちは男性陣の意見が知りたくてさー」


 スパイちゃんとは銀国の元間諜の寵妃のことで、エンペラくんは皇帝のことだ。

 不敬な呼び方だが、今はそれどころではない。それは確かに、緊急を要する議題だ。その場にいた議員の目の色が変わる。

 なぜなら彼女は珍しくギャル語に染まっていない妃。そしていまだに、皇帝はギャル恐怖症。

 そこから出される答えは、寵妃=後宮の命綱。議員たちも、これには必死になる。



「では、寵妃がいかにギャルに染まらず、陛下のご意向に添えるか、話し合おうではないか」


「何それ、ウケるー」とギャルが笑っているが、無視する。

 私は、溜めて言った。



「とりま、意見をゆるぼしよう」



 …………やっべ。

 ギャル語移った。


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― 新着の感想 ―
オチまで素晴らしい……! 結局全員ギャルになっていくんですね! ギャルは世界を救う! ギャル万歳! ギャル万歳! ……すみません、取り乱しました。 めちゃくちゃ面白いですねこの作品! 2話の感想でも書…
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