表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

7/21

 次の日の朝。嫌な夢を見て飛び起きたら、ぼくの掌の模様が、更に大きくなっているような錯覚を覚えた。


 急いで布団をどかすと早速、左手の模様を見た。


「あれ? 変だな? ほんとに大きくなってる??」


 模様は、昨日は掌を脅かすことはなかったけれど、今は掌一杯に広がっていて、手の甲にまで伸びている。このままだと、指のところまで模様が広がってきそうだ。

 

 この模様??


 大きくなったからか、よく見ると、何の模様かわかるんだ。


 なんだか、どこかの国の国旗のような模様だ……。


 その時、タイミング良く。パタンと青い扉が開いて、コーリアが朝食を持ってきてくれた。


「おはようございます。勇者さま。お目覚めのようでなによりです。今、朝食をお持ちしました」


 コーリアはぼくのベッドの脇のテーブルに、朝食を静かに置いて、ぼくの掌をキラキラとした目で覗いた。


「まあ! 大きくなりましたね! ……でも、この模様?? 何か変ですね……??」

「え?? 変……??」

「あ、すいません勇者さま! この国には古い言い伝えがあるんですよ。掌に映りしトルメルの国旗。そのものトルメルの勇者なりって……」

「へえ……」


 トルメルの勇者か……。


 それなら、魔族と戦うのも普通かな??


「あ、でも。その国旗。トルメル城の国旗とは違うんです」

「……へ??」


 ぼくは間抜けな声を発し、掌を穴の開くほど見つめた。


「さて、勇者さま。今日は1000年に一度のトルメル建国記念祭ですよ。さっそく、ご準備してくださいな」

「あ、ああ。はい」


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ