暗い近況、自分
青年法に拠れば
僕は唄ってはいけないみたいだ
目新しさの尽きる時は
思っていたより早く訪れた
北西の方を向けば
鏡にしわくちゃの顔が映る
けれど
どうしてこうなったのか
理由は一つには絞れない
何を考えているんだい?
僕は、僕のことを覗けない
流されたくはないくせに
一人では居られない ひどい尊大
青年法に拠れば
僕はもうすぐお仕舞いみたいだ
にぶい目線を逸らしては
随分と長く 一人で遊んだ
最後の悪あがきをすれば
15分間だけは有名になれる
けれど
なぜそうしてしまったのか
動機は上手には喋れない
何を考えていたんだい?
僕は、僕のことを語れない
閉ざされたくはないくせに
自分を明かしたくない ひどい存在
プライドもエゴも闘争も
全部青年法が禁じている
諦めと自嘲と後悔を
あえなく認めそうになっている
周りのみんなは手足が長い
たとえ一緒の目的地を目指していても
歩幅が明らかに違うせいで
結局 自分だけが時間切れになる
(本当は、本当は)
(何を望んでいたんだい?)
……何を考えてたいんだい?
僕は、僕のことが分からない
諦めたくない惰性だけに
引っ張られ軋んでるオンボロの尊大で
受け入れられない感性だけに
動かされ保たれてるズタボロの存在で
それでいいはずがないのに
世界はその方向へと着実に進んでいた
いけないのは何だったんだ?
僕だったのか?
君だったのか?
……そんな何事をも気にも留めずに、
青年法の声色は静かに鳴り響いたようだった。
青年法の声色は、静かに鳴り響いたようだった。