表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/12

第2話:弟子Aの旅の始まり

第2話になります。

なんと登場人物が増えるのでお楽しみ下さい!

この物語は!

魔王を討伐するためにある国が勇者を選定し、その勇者に世界の命運を託し切磋琢磨し苦難に満ちながらも仲間達と協力し魔王を退治するまでの話である。


 街に出た弟子Aは、あまりのやりきれなさに絶望していた。

 なんせ全裸だったのだ。そういえば城に入ってからも、弟子Aを見てはひそひそ。

 謁見の時はなぜかこちらを監視し続けてたのは、弟子Aが全裸のためだったという事だった。


「いっそもう滅べよ、全裸で本だけ持って街中を急いで走ったボクの記憶を持った奴何か皆滅べよもう。てか……全裸で街の中移動してたとか、どんだけだよ。何で誰も突っ込まないんだよ。何で気付かなかったんだ。ボクは」

 四つん這いの形になり、拳を握り地面を思いっきり殴りつける。

 やり場のない怒りに暴れたかった。だが、そんな時、視線の先に影が見えた。


 既に午後二時から随分といぢけてたために、何時の間にやら0時を過ぎていた。

 こんな時間に街の外に出る奴は少ない。

 この世界では、モンスターという物が出る。魔王もいるしだいたいそんな感じだ。

 比較的街周辺のモンスターという物は、弱く脆弱ではあるものの一般人にとっては脅威であった。

 だが弟子Aは偉大なる預言者にして天才魔導師の弟子だ。弟子オブ弟子の名を関するぐらいの弟子だ。故にそれなりの実力がある(自己申告)

 そしてそんな弟子Aが心の中で断じる。

 目の前のモンスターが脆弱であるはずの周辺モンスターで放つような殺気ではなかった。

 尋常じゃない圧迫感と危機感が自身に告げる。

 目の前の影は人ではない。敵(仮)であると。

 モンスター(仮)であると判断し、それを認識できた。

 弟子Aは、それなりの実力に加え頭の回転も中々に良い。伊達に酔狂で一番弟子で全裸じゃなかったのだ。

「関係ないよ!? 全裸は!」

 それが、魔術の発動キーになった。

「なっちゃうの!?」

 目の前のモンスターだろうに大きな火の弾がぶつかると、熱気と火の粉が弟子Aにまで届いた。

 既に四つんばいの姿勢から、熱に焼かれないよう急いでその場から離れる。


「やった……?」

 風格ある魔導師の顔つきで(全裸ではない)決して言ってはいけない言葉を紡ぎながらモンスター(仮)を見る。

 闇夜の中、月と未だ燃え続ける炎が照らす。

「クックックッ」

「なにゅ……!」

 噛んだ事はスルーして事態の把握に、風格ある顔つきを崩さぬよう努めた。

 弟子Aが唱えたのは、下級魔術とはいえそれなりの威力を秘めた火の弾だ。

 少なくともこの周辺で、それに耐えうるモンスターなど存在するはずがない。

 何せまだ、城壁が見える程度の距離しか離れていない。

「今宵は冷えると思ったが、なかなかに親切じゃないか人間よ」

「……」

 火が消えその中から人のような影が出てくる。

 だが、先ほどの言葉からも察するに、彼か彼女かは分からない人物はおそらく人間ではないのだろうと確信する。

 先手を取る時のためにも再度魔術を放てるようにする。

 だが、それは無駄に終わってしまった。その姿を見た時点で声を荒げ構成を編み上げていた魔術が霧散する。

「なっ、お前は……!?」

「フハハハッ、知っているのか? このオレを? ならばその言葉を紡ぐといい」

その先には死が待っているがなと続けて……。

「ゼ……」

「ククッ、余りの驚きで言葉も紡げぬか?ククッ、いきなりに炎を浴びせるほどの人間だからどれほどのものかと思えばツマラン。所詮貴様もタダの人間なのか」

 目の前のソレは人間ではなかった。

 


 溢れんばかりの殺気と不敵な笑みを浮かべている。


 隆々としている筋肉は既に鎧と形容しても差し支えないだろう。


 全身が紫色をしており額には第三の目、巨大な角が生えた。まさにバケモノだった。



「ゼ……ゼ……」


 あらゆる衝撃が貫いた。物理的にではなくそう感じた。

 

 なぜこのようなのが目の前に居るのか。


 なぜこのようなバケモノが居るのか。


 理解できない、理解できないとそう頭の中でエラーを吐く。



「紡げぬようだな……まぁよいわ。貴様は今宵の宴の始まりだ。ならば我が名を聞かせてやろう。我はゼ「全裸の変質者だぁぁぁ!!!」えっ!?」

 何か言おうとしてたがそんな事は関係ない。

 そう全裸だった。

「やばい。これはやばい。こんな誰も居ない所で、こんな筋肉がピクピク動かせそうなバケモノに捕まれば確実に、ピーでピーになってピーされるに決まってる!」

 あまりに、焦りすぎて弟子Aは自分自身で、最高の魔術を展開しそして発動される。

 偉大なる預言者にして天才魔導師から教わった禁忌にして最高の魔術を目の前の敵に狙いをつけるため杖を持ちながら片手を突き出す。

その間相手はなぜか、

「えっ!?おい!待……!」

 と、かなり焦っている風であり、言葉の続きが発せられる前に命と同じぐらい大事なものを守るため躊躇なく放つ。


 何もない空間から生み出された巨大な閃光がバケモノを飲み込む。

 それは聖なる光【ホーリー】と呼ばれるソレだった。


 ありったけの魔力を注いで使ったソレは、例え相手が伝説級のドラゴンであろうと何であろうと、粉砕玉砕思わず大喝采してしまうほど威力がある。と師匠は言っていた。

 難点を言えば、コレを使うと魔力が空(MP0状態)になってしまうという事だ。

 故に一撃必殺。これをはずせばもう後がない。

 体力もかなり使っていたみたく汗もだらだらになりその場にへたり込んでしまう。

 煙が黙々と上がり続け、回りどころか空も見えない。

「もー、炎の弾一発も撃てないや……」

 彼は熱しやすく冷めやすいタイプであった。

 先ほどまで激昂していたのにも関わらず、すぐに冷静になれるのは自分自身利点とも考えていた。

 なぜ熱しやすくならなくする方法を考えないかはまた明日考えよう。


 少しだけ一休みしてる間に、煙は晴れ月夜が目に入る。

 立ち上がり、バケモノの被爆地に目を向ける。既に息絶えてるのかまるでヤ○チャのような格好で倒れこんでいた。

「姿形も残さないって師匠言ってたのに……だがあの様子なら大丈夫かな」

 一瞥だけくれると、明日、城の衛兵にでも処理させようと考えながら来た道を引き返し始めた。

「しかし、初日でこんな状態じゃ勇者探し何て無理だよ……宿に戻ろう」

 がっくりと、うな垂れながら歩こうとして気付いた。

 足が動かないのだ。

「あれ……あれぇ?」

 いやな予感しかしない。

「うーん……こりゃしょ!鈍ったのかなぁ」

 とぼけてみるが、視線が足に向けれない。怖すぎて。

 あ、何か足痛いな。こうぎゅって掴まれてる感じがしている。

 仕方なしに、視線を足に向けると手があり、少し後ろに視線を向ける。


 ニヤリ。

 

 目が合う。汗が余計に吹き出る。

「……まだ、慌てるような時間じゃない」

 落ち着け、落ち着くんだ自分。素数を数えるんだ。

「やってくれたな人間」

 全身ぼろぼろになりながらあのヤ○チャの姿勢でこちらまで身体を引きずりながらやってきたのだ。

 しかし、その声は威圧的でありその姿とは裏腹に、未だバケモノとしての貫禄を抱かせるようであった。

「やってくれたな、実にやってくれたな。我が身体に傷どころか重症を与えるとは……」

 地獄からの呼び声。まさにそれであった。

 あらゆる恐怖が呼び起こされ、走馬灯が流れ込んでくるようだ。

「だがな、我を仕留め切れなかったのが運の尽きだ。一つ忠告をしておこう」

 息を呑む。のどを鳴らす音が聞こえるようだ。

「いや訂正か。貴様はタダの人間ではなかった。だから貴様はココで我が眷属となるがいい」

「何っ……」


 全ての言葉を紡ぐ前に意識が遠のく。



 ああ、何て無常なんだろう……。



 出発してすぐにまさか訳の分からないバケモノに出会いそして眷属とか……。



 そして弟子Aの意識はブラックアウトした。



此度125年8月17日

午前0時を過ぎた頃であった。


世界が闇に覆われるまでのタイムリミット:二週間ほど

というわけで、初日にしてとんでもない事態に巻き込まれた弟子A!

敵の正体は一体何なのか!そして書き直す前にネタバレしてしまって申し訳ない。

予想は付くようで付かないかもしれませんが続きをお楽しみくださいませ!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ