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第1話:偉大なる預言者にして天才魔導師の弟子A

これはフィクションでありファンタジーっぽいストーリーです。

激しいバトルなどをご希望な方には沿わないと思います。

どちらかといえば、コメディーを主体とした構成になるとも想われますのでそのつもりでご容赦下さいませ。

勇者と魔王、ありきたりな話ではありますが皆様が楽しめるよう精一杯書き上げていきたいと思います。


この物語は!

魔王を討伐するためにある国が勇者を選定し、その勇者に世界の命運を託し切磋琢磨し苦難に満ちながらも仲間達と協力し魔王を退治するまでの話である。


ある日

 ウトキテ国にこの人ありとまで呼ばれ、王室からも信用信頼を得ている偉大なる預言者にして天才魔導師が齢156歳で亡くなった。

 そして遺品整理も兼ねて偉大なる預言者にして天才魔導師の弟子Aが師匠である預言者の部屋の掃除をしていた。

 弟子Aは弟子の中でもAを関するほどに優秀でかつ一番弟子であった。

 そんな弟子Aが、その時ふと机を見ると本が一冊放り出されていた。そのタイトルは日記帳であった。

 机を拭く際に、邪魔になるため日記帳をどけようとし誤ってその本を落としてしまう。

 これが全ての始まりだった……。

 その落ちた本が開き、その一文が目に入った。


XXX年○月×日

 125年8月31日が終わる時――


 魔王が復活し闇が全てを覆い尽くしこの世界は滅びるだろう。


 by 偉大なる預言者にして天才魔導師



 あらゆる物語はほんの些細なきっかけから始まるものだ。

 そして、始まりあれば終わりあり。

 弟子Aは、この時一種の予感を感じてたのかもしれない。

 この物語を紡ぎだしたのは自分であったという事に―――



 この日記帳を見つけた偉大なる預言者にして天才魔導師の弟子Aは焦った。

 何せ焦った。超焦った。

 そりゃそうだろう。日記帳とはいえ、こんな一文が載ったものを見つけては、王室へ報告しなければならないからだ。

 弟子Aは急いで謁見を申請し、そしてその機会を得た。

 弟子Aという事もあり王室には師匠と共に何度も出入りしており割とあっさりと行けたのだった。

 ちなみにその時、対応した兵士曰く……。

「あれはヤバイ。人がするような顔じゃなかった。まるで鬼のようだった」

 と、告げている。急いであるあまりか、その迫力に負け通してしまったんじゃないかと思える。





 豪華にして荘厳なる一室、圧倒的な迫力を備え王座に構えるはウトキテ国4代国王である。

 白く長髪の髪に立派な白い髭を蓄えた老人と呼ぶにはまだ早くだが若いとも言えない国王の口が開く。

「……久しい顔だな」

 少しの間をおくと、じっと国王がこちらを値踏みするような目で見ながら、言葉を発する。

 周りの家臣たちもこちらを監視するような、厳しい目つきで見てくる。

「(むぅ、さすがに王の御前。兵士達のこちらの一挙一動を注視する様はさすがだなぁ……)」

 心の中で任務に励む兵士達の士気、忠実さに思わずそう心で呟く。

「ハッ、実に一年ぶりにございます」

 師匠と共に城へ出向いたのは、一年前が最後であった。

「ふむ。そうだったかな……まぁよいわ。して此度は何のようだ?」

 威厳たっぷりに、用件を促す。弟子Aは、持参してあった日記帳という名の預言書を脇に抱えてあったので、それを国王へと差し出すために大臣に一旦預ける。

 本を受け取ると、大臣は国王に近づき、その本を国王へと預けられる。

 形式とはいえ、面倒なやりとりであると思う。

「この本の最後のページをご覧下さい」

 促されるまま国王は、そのページを見て……驚愕していた。

「なんだと……これは!これは一体どういうことだ!!」

 テーブルがあればそのまま、本ごと手を叩きつけてしまうように声を上げる。

 側近達は普段見せない国王の一面を垣間見た。

 激昂し、地団駄を踏んでしまいそうなほどに暴れそうな様子だ。

 周りの兵や大臣もこれには驚いた。一体あの冷静で威厳を保った王をあそこまで豹変させてしまう内容が何なのか、疑問は尽きなかった。

「ハッ、これは我が師が綴った一文であります(日記帳だけど……)」

 寒さからか、王のあまりの威圧感からか身震いをしながらもはっきりとそう告げる。

「つまり、あの偉大なる預言者にして天才魔導師にして我が友でもあったあやつの……」

「その通りでございます」

「そうか」

「……」

 弟子Aや事情を知らない家臣たちは次の言葉を待った。

「いやいやいやいや……」

 なにやら国王の様子がおかしい。

「(進化でもするのだろうか。そうしたら国王はグレード国王とか……?)」

 どうでもいい事を思いつきながら顔を伏せ言葉を再び待つ。

「王……?」

大臣が不安そうに様子を伺う。

「いやいやいやいや……何よこれ。ねぇ、何これ?この年月日、弟子A見た?見たよね?しっかり見たよね?」

「ハッ、左様でございます」

「おいぃぃ!?おまっ、これおまっ、後二週間ぐらいしかねぇーじゃねーかー!」

 この日、王は激怒しすぎて倒れ寝込んだという。

 以降は大臣が指揮を引き継ぎ、弟子Aに魔王を倒せる勇者をすぐさま探すよう指示を出す。

 その折に、弟子Aはウトキテ国から軍資金と装備一式を得る事となる。



国からの軍資金は140G(ゴールド)

木の杖、布の服のみだった。

武器:なし→木の杖

防具:なし→布の服

資金:2100G→2240G

貨幣価値は、宿屋1泊10Gで薬草も10Gほどのものだ。



 だが……

 師匠の日記帳になぜあの内容だった事よりも!


 弟子Aは魔王を討伐するまでの期間が2週間という事よりも!


 勇者を探せと命じられた事よりも!


 軍資金、装備が貧相だったという事よりも!


 資金が既に有り余っているという事よりも!


 今まで弟子Aは装備欄をみて愕然とした……。

 裸だったという事に最もショックを受けたのだった。


 あまりの衝撃の事実に弟子Aは更にテンションが下がっていった。

「……何で裸やねん」

 弟子Aは生まれて初めて西の国の共通語と言われる言葉でぼそりと呟き、誰も居ない町の外まで無言で歩いた後。



 涙をぽろりと流すのだった。



此度125年8月16日

午後2時を過ぎた頃であった。


世界が闇に覆われるまでのタイムリミット:二週間ぐらい

第1話に相当するお話です。

勇者に魔王、そしてほのぼの愉快な仲間達。

商人の物語を書こうとしたら、どうしてこうなった!?

というわけで、いずれ出るだろうキャラクター達に個性を持たせ楽しい内容と完結できるよう頑張りたいと思います。

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