3.ギリギリ1桁くん
お久しぶりです!6月に出すつもりでしたが少し予定が早まったので投稿再開です。ペースは不定期ですが書き溜めが無いので遅めです。
鑑定・・・指定した対象の詳細が分かる。
これであの石ころモンスターを探して圭に砕かせる。完璧な昼飯奢り回避計画だ。
早速俺は 鑑定 と書いてあるところをタップする。
【鑑定LV.1を獲得しました】
橋本遥輝
Lv : 3
HP : 27/27
MP : 9/9
攻撃力 : 7
防御力 : 5
魔法力 : 4
素早さ : 5
【スキル】 [鑑定Lv.1]New (残りSP 0)
【固有スキル】 [叡智]
【称号】 [クラッシャー]
ということで鑑定を使ってみた。目に見える石に片っ端から鑑定していく。石の上に透けた黒い文字で石と表示される中、突如奴が現れた。
微魔石
多分これだ。モンスターとは?って思ったが、そもそもモンスターはシステムとやらが定めたものなので人間の価値観は当てはまらないのだろう。
「おい遥輝どうした急に黙って」
名称が分かったし[叡智]に聞いてみようとしたところ圭に話しかけられた。
「あーごめんごめん。ちょっと考え事してた」
一応、わざと無視してたわけじゃないと付け加えとく。
俺は「見つけたから着いてきて」と言い、微魔石の元へ行き、拾って圭に渡した。
「これがモンスターなのか?どう見てもただの石だろ」
微魔石は普通の石となんら変わらず、灰色で少し丸みを帯びていた。
「まぁ見た目は同じだけど他の石よりも脆いはずだから何回か思いっきり踏んでみて」
「本当だろうな?これで砕けなかったらチキンステーキランチな」
俺が「分かった」と答えると圭は微魔石を地面に置き、踏み始めた。5回踏んだところで砕けた。
「うおっ、なんか聞こえたぞ」
「上手くいったみたいだな。じゃあ声に出さなくても良いから頭の中でステータスオープンって言ってみて」
「遥輝くんよ。俺は夢でも見てるのだろうか。目の前にゲームとかのステータス画面が見えるんだが」
「な?言っただろ?本当だって。とりあえずどんなのが見えるか書き出してくれないか?」
お互いにステータスが見える状態だったら相手にも見せられるのでは?と思ったがダメだった。
圭にルーズリーフを渡し、ステータスを写して貰う。こんな感じらしい。
太田圭介
Lv : 1
HP : 13/13
MP : 5/5
攻撃力 : 3
防御力 : 2
魔法力 : 2
素早さ : 3
【スキル】(1つ選択可能)
【称号】[クラッシャー]
ステータスは俺がLv.1の時とさほど変わらず、【固有スキル】の欄がそもそも無くなっている。
が、スキルが1つ選べるようだ。ん?なんで?
圭に一言断っといてから。
叡智さーん
『No.9特典です。ステータスを獲得する順番に応じて上位9人に特典が贈られます。No.1特典が私です』
ふむふむ。詳しく。
『No.2~No.4までは固有スキル1つ。No.5特典が最上位スキル1つ(選択可)。No.6特典は上位スキル1つ(選択可)No.7~No.9まではそれぞれ3、2、1つのスキル(選択可)が与えられます』
「おまたせ」
「なあ遥輝、これってどうなんだ?良いのか悪いのか」
「良いか悪いかは分かんないけど少なくとも俺の時とあんまり変わんないんね。スキルが1つ選べるみたいだからさそこ押してみてよ」
「分かった」
さてさて、どんなスキルが出てくるのやら。
「えーとな、逃げ足、弱点把握、遠見、HP上昇(
小)、肉体強化、だってよ」
「ちょっと待ってて。名前通りだと思うけど一応叡智で調べてみる」
逃げ足・・・逃げる時に速度が30%上昇。効果範囲は対象の周囲Lv×100m。
弱点把握・・・敵の弱点が分かる
遠見・・・MPを消費することで遠くが見えるようになる。
HP上昇(小)・・・HPがLv×5上昇
肉体強化・・・攻撃力、防御力、素早さがLv×2上昇
肉体強化は俺もSPでスキルを選ぶ時に選択肢に出てきてた。あ、ついでに微魔石くんも聞いておこう。
微魔石・・・ほんの僅かに魔力を吸収し、変化した石。魔石の働きはしないが、倒すと極少量の経験値が貰える。そにため準モンスターと呼ばれることの方が多い。
え、誰が呼んでるんっすか?
『…』
まあいいや。いや、良くはない。だが叡智が教えてくれない以上知りようもない。
取り敢えずスキルの詳細を圭に教えた。
「なるほどねー。え、てかあの石相手に逃げ足とかいるか?」
「あーそれは俺も思った。今のところは要らないと思うけど、そもそもステータスがあること自体がおかしいから今後どうなるかは分からないよね」
「もしかしたら異世界に飛ばされたりしてな」
いや流石にそんな事……無いとも言い切れないんだよなー。
「それより他にその石?は無いのか?」
「微魔石って言うらしいね。もっかい探してみるよ」
「どうやって探すんだ?見た目は同じに見えるけど」
「あ、そうだった。さっき俺が微魔石を砕いた時にレベルが3になったんだけど、その時にSP機能って言うのが解放されたんだよね。そこでSPを使って鑑定ってスキルを取った」
「そんなに奢りたくなかったんか」
さて、ここぞとばかりに無視を決め込んで、微魔石を探す。一通り見た感じあと2体いた。
圭に渡して砕かせる。クラッシャーの効果で、ちょっと砕きやすくなってるだろう。
「レベル上がった?」
「いや」
「そっか。もう無いから帰ろ」
「あ、俺のスキルどうする?」
「そうだった」
話逸れて完全に忘れてた。
「まだなんも起こって無いから保留しててもいいと思うし、肉体強化とか逃げ足とか今でも使えそうなのあるからそれ取ってもいいんじゃないかな」
「じゃあいざという時のために 逃げ足 取っておくわ」
「良いと思う」
「帰るかー」
帰り道で試しに俺が追いかけてみたところ、速い、速すぎる。ステータスでは倍近くあるのに。ステータスの数値は単純に比率によるものでは無いのだろう。30%速くなるってことは時速40km近く出てるってことか。世界記録並だな。
それから俺達は他愛もない会話をしながら歩いていた。そんな時だった。
【ステータス保有者が10名に達しました。システムを第二段階へ移行します】