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転生は突然に…

《高杉悠希視点》


2072年第三次世界大戦末期。ほぼ戦争の結末は変わらないだろ。まあ日本は戦時中に無くなっちゃったけど。今の日本の領土は大和地区という名に変わり属国に成り代わっている。俺も日本人としてではなく、属国になった国の為に銃を握らせられて戦場を駆け巡っていた。悪運があるのか俺はどの戦場でも生き延びてしまっていた。家族も友人もみんな死んでだってーの

に…。


「(伍長。今日も頼んだぞ。)」


外国語でそう言われて何冊かの漫画とラノベを渡される。戦時中にもかかわず、俺は戦場以外ではこうして日本にあった漫画やラノベを日本語から属国語に訳すのが仕事になっている。まあ、俺としても唯一の楽しみなんだが。


もくもくと訳しながらも内容を楽しく読んでいく。しばらくして甲高く太いサイレン音が鳴り響いた。


「………っ!!?」


俺は仕事の資料をカバンに詰めるだけ詰めて背中に背負い、ヘルメットをして銃を持って外へと駆け出す。


さっきのサイレンは空襲のサイレンだ。すぐに周りから爆発音が鳴り響き始める。


おかしい。レーダーで見つけたとしたら空襲が始まるのが早すぎる。外に出て足を止めずに走り続ける。空を見やると見たことがない飛行機が空を覆い尽くしている。そこから無数のミサイルが絶え間なく降り注いでいるのがみえる。一つ落ちるたびに爆発と熱風を撒き散らして人がどんどん燃やされていく。爆発に巻き込まれなくても地面を走る熱風に人が燃やされている。…見たことがない。爆発とともに炎をまとった風が周囲を覆い尽くす様に広がるなんて。それにこんな爆弾があるなら四方から仕掛けてるはずだ。…なら逃げ場がない。その絶望的な光景に足を止めて空を見上げてしまった。


気づいた時には強烈な爆発音と痛みと暑さに覆われて意識が無くなった。



「きづいたみたいだよ!!!」


目を覚ますと目の前に白色の髪の美少女が俺を覗き込んでいた。後ろの髪を束ねて髪留めで止めていてポニーテールにしていている。それが彼女の可愛さをさらに引き立てている。そして黄色い綺麗な目に引き込まれそうになる。その顔でニコッと笑顔を向けられる。


…可愛い。…ってそれどこじゃねぇーだろ!!どういう状況?…あれ?声が出ない。


彼女は笑うと誰かを呼びに出て行ってしまった。


いや、ちょっと待って!!状況教えて!!?


身体を動かそうとすると痛みで動かされない。


…行ってしまった。しばらく一人で放置されてただ天井を見上げていた。テントじゃないな。木造の家のようだ。ツリーハウスっていうんだろう。ただ見たことない造りだと思う。



…また生き延びてしまったんだろうか?


深くため息を吐いた。


ん?今更だが片目見えないな。目ん玉は動くからついているようだが。痛くもないな。感覚がないわけではないと思うんだが…。


ガチャ…と扉の音ともに足音が3人。俺に近づいてくる。なんとか目を向けようとしたが、体も起こせない。肘も無理だから全く見えん。


「気づいたようだの。」


今度は金髪のちっちゃい子が俺を覗きこんできた。耳が長い?漫画で見たエルフだ!!?……???


「あ………んえ……えう……うあ?」


やはり上手く喋れない。無理に話そうとしたから喉が焼けるように痛い。


「無理に話さんでいい。…そうだな。瞬きで一回なら肯定。2回なら否定としようか。出来るか?」


俺はつかさず一回瞬きした。


「そうか。ならこちらの質問に答えてくれ。怪我人に対して申し訳ないが、お前の身元がわからんと困るのでな。」


再度一回瞬いた。


「ではそうじゃな。ここにきた理由は避難しにきたのか?」


俺は2回瞬いた。


「ん?そうか。だいたいこの村に来る理由はそれぐらいなんだが…。では何か別の目的で来たわけか。」


おれはまた2回瞬いた。


「ん?目的がないということか?」


一回瞬く。


「ふむ。……ならここがどこかわからんということか?」


一回瞬いた。……話が進まない。


「偶然。この村の近くで死にかけていたと…。誰かに襲われた、もしくは追われていたのか?」


………なんて答えよう。見るからにここはさっきまてまいたイギリスではないだろう。めっちゃ日本語喋ってるし。ただ2人とも日本人とは思えないし。訳がわからない。…仕方なく3回瞬いた。


「それはわからないということか?…ふむ。しかたないのう。一先ずは治るのを待つしかない。皆も了解してくれ。明日には声も出るようになるだろう。小僧、おまえさんの処遇は一度保留だ。監視がつくが我慢してくれ。また明日来るとしよう。ではな。」


一回瞬いた。



…………………………………


《真鍋千枝視点》


2021年夏


「おはよー。紗奈」


「…おはよう。」


私たちの最寄駅で待ち合わせしていつもの様に学校に向かう。毎日こんな感じ。普段と変わらない日常。


「眠そうだけどまた夜更かし?」


「ん?電話してたらなんか日跨いでたんだよねー。気にせず話してたんだけど。」


眠そうに目を擦りながらはにかむ彼女がちょっと羨ましい。


「はいはい。ほんっと仲良いよね。毎日電話してよく話題が尽きないの?」


「まだ付き合ったばっかだし普通でしょ?ってか千枝は彼氏つくんないの?もう高3だよ。せっかく可愛いのにマジ勿体ないから。あんた狙ってる男子沢山いるはずだよね?」


「そんなにいたかな?んー告白は何人かされたけど、なんか違う気がしたし。」


「ハァー相変わらずそこだけカッたいよね、千枝は。ノリみたいなのも大事だよ。本気になる時だってあるからね。」


「そうかもだけど、紗奈。高校入って何人目?」


肩を落として憐れみの視線を向けてくる親友にジト目で睨む返した。


「ん?5人目…かな?」


「説得力ないし。」


「でも仕方ないじゃん!浮気したやつとかいたし。私が浮気相手だったこともあっあたんだからねー!

!…ありえないから。」


「高校生でそんな経験してんのが信じられないし。」


気まずそうな紗奈は目線を逸らしながら笑ってるし。


「でも今回は大丈夫。あいつだいぶ私好きだし。ちょい引くぐらいだけど。前から気はあってたから今1番楽しんだよねー。」


「それわかるかも。中学ん時から仲良かったもんね。今までなんで付き合わないのか疑問だったし。」


「近すぎたんだよね。にぃの友達にしかみてなかったからな〜。2人目のにぃ的な。」


「でもいいなー。大学生の彼氏なんて。響きがいいし。」


「それわかる!!!なんかいいよね!……まあ、その、それが…理由じゃないんだけど。」


テンション上がってから恥ずかしがる親友は可愛すぎて思わず抱きしめた。


「ちょっ!?」


「紗奈が可愛いー!!なんか嬉しいし!!」


「私の事はいいから少しはあんたも前向きになんなさいよ?」


顔を赤くしながら言われたけどわかんないし。


そのまま学校につくとクラスが違う紗奈とは別れて授業を聴いてたり喋ったりして過ごすした。


恋愛かー。…わかんないし。仲がいい男子は何人かいるけど。ただやっぱ友達だし。それ以上に興味わかないし。


悶々としたまま学校を終えていつものメンバーとは別れて、紗奈とだけで学校を出た。


「紗奈のせいで気まずかったんだけど!!」


「はぁー!?意味わかんないから。」


「朝の話。いつも通り話してたらなんか気になっちゃってなんかぎこちなくなったんだけど!!振った相手と話してんのがなんか悪く感じたし。」


「そっ。仕方ないじゃん。振ったんだから。そもそも何もなかったみたいに話してた千枝が変だから。」


「…そうかもだけど。」


「はい。話はお終い。さっさと行くよ。にぃ達が待ってる。」


「…うん。」


紗奈と一緒に駅を通り越して反対側にあるロータリーまで行くと、見るからに新車のボックスカーに向かっていった。


「よっ!!にぃ!マジで買ったんだー!!?」 


「久しぶり!!」


運転席に座ってる紗奈の兄の健一が手を上げながら挨拶をされ2人で応えた。


「おう!!久しぶりだな。千枝。見てくれよ!!今日納車したばかりの新車だー!!カッケーだろ。」


「すっご!!」


「…あれ雄にぃは?」


「雄二なら今、コンビニいってるよ。おいおい兄の悲願の新車より雄二かよ!!?まあいいや。紗奈達もなんか買ってこいよ。」


「うん。わかった。」


紗奈は手を兄に向かって伸ばす。


「おい。なんだよ。その手は?…仕方ないな。」


健にぃがしぶりながらも財布から千円だして紗奈に渡した。ニコニコ顔の紗奈が受け取ると、私に何がいいか聞いてから嬉しそうにコンビニへ向かっていった。


「ほれ。突っ立てないで乗った。乗った。」


「うん。健にぃ。ありがとうね。私の分まで。」


車の後部座席に乗り込みながらお礼を言った。


「いいよ、いいよ。いつもの事だし。」


「ってかひっろ!!椅子めっちゃ良い感じ!!!あっ!!後部座席にもテレビある!!!」


車ん中うちのと全然違って快適な作りになっててテンション上がるんだけどー!!!


「おう!!スゲーだろ。因みに音響も変えてあるから音楽もヤバいから後で流すな!!」


「うん!!」


「千枝は相変わらずV系好きなん?」


「うん。未だにハマってるよ。」


「なら後で楽しみにしてて。何曲か入ってるから。」


「うん!!ありがとう。」


「千枝とは3年ぶりぐらいだっけ?」


「そっだね。そんくらい会ってなかったね。健にぃ家出ちゃってから会う機会無かったもんね。」


健にぃは私たちの2個上で大学2年生。高校入ってから紗奈ん家に行くのが減ったのと、会うタイミングが無いまま健にぃが家を出て行っちゃったから中学卒業の時にあったきりだった。


「あいつらが付き合うとは思ってなかったけど、また千枝に会えたからいいのかな〜。ってか髪染めたんだな。似合ってんじゃん!!」


「そっ…そう?ありがとう。」


なんかちょっとドキッとしたんだけど…。


「綺麗に染めてんな。自分でやったん?」


「うん。上手いっしょ!!紗奈のだって私がやったんだからね!!」


褒められてちょっと上機嫌になる私に健にぃが嬉しそうに見てくれていた。


「そっか、そっか。ありがとな。」


「別についでだし。」


「それにしても女の子はすげーな。3年くらい見ない間に綺麗になっちゃって。身長もだいぶ伸びたよな?」


じっと見つめられてなんか気恥ずかしくなるんだけど…。


「…でしょ!!!高校から急に伸びたしたんだよ!!」


「あの小さかった千枝がね〜。」


「なんかオヤジくさいし。私だって成長します!!!」


中学卒業まで145センチしかなかったのが高1から伸び始めて165センチまで伸びた。


「そうだよな〜。真璃ちゃんは元気?」


「うん。相変わらずウザイよ。」


千枝は私の2つ下の妹。紗奈ん家とは両親が仲良いから小さい頃から家族ぐるみで遊んでいた。中学に上がってから徐々に家族ぐるみでは減ったけど、遊びには紗奈と健にぃと雄二君の4人では遊んではいたけど、健にぃが高校に上がってから急に2人とも会わなくなって。卒業式の時に会ったのもひさしだった。


「そういうなって。可愛い妹だろ?」


「まあ、たまに可愛いけど。最近私の服勝手に着てくから困ってんだよねー。私が身長伸びて一緒くらいになったせいでサイズが一緒くらいになっちゃったからなー。」


「姉妹だとそんなことがあんだな。確かに勝手には困っちゃうよな。」


「そうでしょ!?今度言ってやってよ!!」


「久しぶりに会ってみようかな。千枝を見たらなんか懐かしくなってきたし。」


「うん。いつでも来ていいよ!!ただ手出すのはダメだからね?」


「え!?出すわけないじゃん。高校生だろ?」


「うん。ってか雄一君は手出しちゃってるし。」


「んー、まあ確かに。でも真璃ちゃんは親戚の子にぐらいしか見えないよ。」


「ならいいけど。……?じゃあ私は?」


健にぃがフリーズして私を見たまま固まった。…?


「…いや、なんつうか…見ない間に「おまったせー!!!………ん?2人ともどうしたの?」


「いや、ちょっと懐かしくて昔の話してただけだよ。真璃とは2年ぶりだからさ。」


健にぃがなんか慌ててる。ってあれ?なんか流された?…まあ別にいいけど。


「ふ〜ん。はい、千枝。これで良かった?」


「…うっうん。ありがとう。」


紗奈が後部座席に乗り込んでから飲み物を渡してくれた。雄二君は助手席に乗り込む。


「よっ!!千枝ちゃん!!千枝ちゃんと遊ぶの久しぶりだよねー。」


「そっだね。」


「このあいだ顔出した時も思ったけど大人ぼっくなって綺麗になったよなー!!千枝ちゃんは。なあ、健一。」


「おっ…おう。」


健にいはこっちを振り替える訳でなく答えただけだった。


「そうでしょ!!背伸びたし!!!」


「確かにそれもそうだけど、全体的に成長したんじゃん!!」


「雄にぃ!!私の千枝をエロい目で見ないでよね!!?」


紗奈がご機嫌斜めになって雄二君を睨みつけながら私に抱きついてきた。


「ごめん。ごめん。変な言い方だったな。エロい意味じゃないから。そういう目はお前にしかしないよ。」


「なっ!!?………バカ。」


紗奈が私で顔を隠して赤くなってる。私は尽かさず紗奈を抱きしめて雄二君を睨みつけた。


「紗奈は渡しません!!!」


「千枝ーー!!!」 


雄二君は爆笑して笑いこけていた。健にぃは頭に手を当てて呆れてるようだ。


「お前らいい加減行くぞ。ってか雄二。2人の時は好きにしていいけど、俺の前でそっちの絡みはやめてくれ。疲れる。」


「おう。わりぃー、わりぃー。」


「まあいいや。じゃあみんな明日休みなんだし海まで行くぞー!!!」


健にぃの一声で4人テンション上げて海へと車が走り始めた。










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