教育
あれから10回くらい起きて食べて寝てを繰り返した。うむ、詰まるところ、10日経った。
「クェエ〜。」パタパタ
「クェックェ〜。」パタパタ
さて、私の目の前では赤いヒナ2羽が飛んでいます。飛ぶと言うより、浮かんでいるという方が合っているのかもしれないけど。羽をぱたつかせて、床から1mくらいは浮いてるんじゃないかな。私とヒナ達とママンしか出会ってないから、大きさの概念がよくわからないけど、私から見て1mくらい、かな?
「ぴ、ぴよぴよ。…ぴぴぴよ!!!」(ま、いっか。…いや良くねぇよ!)
いや、本当に10日ぐらいしか経ってないのよ!!生後10日よ!なんなの!なんで浮いてるの!魔法なの!!??なにそれぇ〜〜〜!!!
そりゃあね?私も真似したさ。何度短い翼をパタパタしても、何度小ジャンプしても飛べない…。魔法ってどうやって使うの!?
「ハァ…ハァ…ぴよ…。」(はぁ…はぁ…動きすぎた…。)
「…。」ジロリ
「ぴぃい!」(ぎゃぁあ!)
心無しかママンも呆れた目を向けている気がする…。
2羽の赤いヒナは巣から出ることはない(出ようとしたらママンにクチバシで捕まる)が、巣の中ではフワフワ浮かんでいる。
あっ目が合った。
「「クェックェックェッ」」ナニアイツマダトベテナインデスケドー
あれなんか別の声が聞こえて…。ヒナの目線が痛い!なんで目の前で跳ねるだけなのって、あほなのばかなのって!聞こえてくるよおおお!!!!!!
…。
「ぴーぃい。」(あーぁあ。)
肩ならぬ翼を竦める。
…わかってる。ただの被害妄想なのは…。
私だって努力はしたよ?
よくある魔力の感じ方みたいな、体の中心に集中する、血液の流れを意識するとかあるじゃん?試して見たけど、これといって効果なし。魔法の世界なのに、魔法が使えないってどうしたもんかな、こりゃ。
「クエッ。」かぷ
「ぴよょ!?…ぴ。」(急に浮いたぁ!?…あ。)
ちょいとネガティブに考え込んでいると、ママンにクチバシでくわえられた。他の浮いていたヒナもくわえられて、3羽横並びに整列されられる。なになに、ご飯ですか?
ママンは毛繕いのように羽をあさり、羽の間からなにやら丸められた布をだしてきた。ママンに比べたら小さいよね。風呂敷のようになっていた。固結びで結ばれていた布を、ママンがクチバシで器用に開くと、中から本が5冊出てきた。…おぅ、本?
本の表紙をよく見ようと、ついつい前のめりになっちゃう。あ、右のひなが顔から前につんのめって転んだ。このボディ、頭でっかちでバランス取りにくいよね。
「クェエ。」ひょい
ママンが転んで立ち上がれないひなを助ける。
そして燃えるように紅い翼を広げた。うわ、巨体がさらにでっかく見える!!
「クェックェエエ!」ペカーーー
「ぴよおおお!!!!」(まぶしいいい!!!!)
ママンの体が発光し、すぐに直視できないほどになった。そんなに光るなら言ってよ!!通じないけどさ!!
「ぴよ…。」(うぅ…。)パチクリ
私が次に目を開けると、目の前に謎の女の人がいた。
「ぴぇぇええいああああああ!!」(うっそぉおおおおおおおお!!!)
「「クエッ!」」ビクッ
ママンが人になっちゃった!!ウソ!!魔法ってそんな事もできるの!?叫びすぎて横の2羽もビクってしちゃった!!さ、さすが…人智を超えた能力(?)
ママンは美人だった。すらっとしたボディ。綺麗な艶のある紅色の腰まであるロング。眉毛も目も紅い。肌は真っ白、異次元の存在だということを改めて認識させられる。そして人型のママンと、ヒナの我々がほぼ同じ大きさだった。
私たちヒナで人間大なら、ママンどれだけでかいんだ…。質量保存の法則…は、まぁ、世界が違うし当てはまらないのかな??たぶん…。てか、私たちでっかくない?思ってたより大きめサイズだったんですけど。
当のママン(?)は紅い瞳で私を見つめて。
「シーッ。」
ママンはそっと人差し指を口元に当てる。目に良き、眼福かな。美人の美しすぎるしーっ頂きました。てか、それは異世界でも地球でも万国共通なのね。私が静かになったのを見て、ママンはにんこり笑顔になる。それから口を開いた。
「¥$&*[#♡♡#a@mp)]¥]"")/jg」
「ぴ、ぴよぴよびよ?」(え?ちょっと聞き取れませんでした。)
「…。」ジロリ
きゃぁあ美人の睨みってこんなに怖いのね!
ふざけちゃってごめんなさいいぃ!!
ぴいぴい謝っていたら許してくれたみたい、よかった、
言葉は分からないけど、なんとなくわかるよ。本を使うってことは、話せない私たちに文字を覚えろ、ということじゃないかなぁ。
つまり、私は!!転生先で勉強しなければならない!!!
せっかく成人して勉強から開放されたのになあ。とほほ。




