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場所




「ぴぃ、ぴーい。」(ふぁ、うーん。)


あー、よく寝たよく寝た。さて、今は朝かな?昼なのかな?どっちでもいっか。


上を見れば日が照っている。屋根なんてない、でも皮膚が焼ける様な感覚もない。羽で覆われてて、肌が出てないからね。黒くなる心配もないし、美白を目指す必要もない。元々、化粧とか美容とか、そんな興味無かったからこういう所はありがたいかも。


…上を見てて思ったけど、あれは太陽なのかな、なんなんだろ。眩しくて目を細めて太陽らしきものを観察する。

うーーん、わかんない。そもそも太陽なんてマトモに見たの、いつぶり?職場までずっと足元しか見てなかったな。職場と家の往復だったから、なんか変なの。


電線もない、見上げるほど高いマンションも何も無い空は、真っ青で私には眩しすぎた。


「ぴいい、ぴよぴよぴよ。」(はぁぁぁ、本当にここはどこなのさ。)


「クェー。」モゾモゾ


目が覚めてもママンはまだいた、毛繕いに勤しんでおられる。足元にはまだ寝てるヒナが居た。あれ?2匹いらっしゃる??

あ、残っていたもうひとつの卵も割れてる!また赤いヒナが生まれていた!くっ、見逃した!先に生まれていた子とクリソツ〜!ふわふわ、きゃわいい。みんな、赤いなぁ。寝てるぅー!!


なんで私だけ黄色いんだろう。前世?の記憶もあるし、突然変異って奴なのかも。

目が覚めてから、もぞもぞ動いていたら、ママンも私が起きたのに気づいたみたい。


「グ、ヴ、グェエエエ!!!」 コロン


「ぴぃぃ…。」(はぁぁ…。)


また口から玉を出した。お腹減ったし、食べるか…。変な液体とか付いてないし?ま、綺麗な見た目だから食べられる。もう慣れっこ…。そう自分に言い聞かせる。


「ぴよ、ぴぃ。」(はぁ、はぁ)


「クェ、食ぇ!」ツンツン


うう、食べるから!ママンがつついてせっついてくる!なんだか漢字に聞こえてくるよぅ!


ゴクン

「ピィ…。」(ふぅ…。)


おっとため息が。ひと仕事終えたあとの疲労感だぜ。

飲み込んだのを見て、ママンは安心したみたい。目を閉じて休み始めた。


さて、ここは何処か。ちょっと巣の端っこまで行って見てみようか。


そーっとママンから離れて動きだす。そろり、そろり。円状になっている巣の端から、下をのぞいてみる。体を乗り出せば下ものぞくことが出来る程の高さの巣の壁。さて、どうなって、ほ、ほぉおお!!


「ぴ、ぴいい!!ぴよーー!」(お、おおお!!たけーー!)


葉っぱがたくさん生い茂って見えにくいけど、はるかはるか下に地面がありまする!


ひょおおお!!!ここは木の上か!!しかもしかも、超高い!!

自分の今の大きさがイマイチ把握できないけど、ここが物凄く高いところなのはわかった。ブルっちまうぜ。


高所恐怖症ではないけど、落ちたらやべぇってのはわかる。絶対グロテスクになる自信しかない。


もしここから足を滑らせたら…。



ーーー


「ぴよっ。」(あっ。)ツルッ


壁を乗り越えてひょいと巣から離脱。哀れひよこは真っ逆さま、短い羽をばたつかせ落ちていく。


「ぴよぉおおおお!!!!」(たすけてぇええええ!!!!)


あんなに遠く見えた地面は、どんどん近づいてくる。

がんと途中の枝に足がぶつかった。細い足はそっぽ向く。


「ぴぎ、ぴい、ぴよ…。」(うぐ、いた、たすけ…。)


それでも止まることなく落ち続ける。打ち付けた体の痛みも感じるまもなく、地面と激突。五臓六腑ぶちまけて骨が砕けてグッシャグシャ。転生して早2日程。私はもう一度死ぬのです。ちゃんちゃん。


ーーー


「…。」ブルブル


考えただけで怖い。死ぬってやっぱり怖い。ちゃんちゃんじゃねぇわ。

今の私ってヒヨコ、子供の体だから、成長して飛べるようになるまで待つしかないのか…。も、戻ろう。そして二度と近づくことはあるまい。空なんて飛べるかな、怖いな。


そろり、そろりとママンの元へ戻る。はぁ、着いたぁ!!私は帰還したのだ!はーっはっは。はぁ、怖かった。


そしてまた眠るのだ。よく食べよく寝る子は育つ!動物の成長って早いし、すぐ飛べるようになるさ!!きっとね?うん、そうに違いない!


いや、食べ物は他のものがいいなぁ…。あれは美味しいけど、なんか別の方法は取れないの…。うと、うとまた眠りにつく。次起きたら何しようかな…。





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