さよなら、くま
更新頻度が安定しなくて申し訳ないです。
書きたい時にしか書けない残念な脳みそでして…。毎日更新できる方尊敬いたします。
「ルー…サー…様…。」
瞬く間に周りにいた人を、クマは太い腕でなぎ倒した。河原の小石が赤く染まる。エリシアはぎゅっと目をつぶって、見ないようにしてた。顔が青白く、ふるふる震えている。
「う、ひぃ、ひぃぃぃ!!!」 ドン!
「ぃや!!」
エリシアを人質にしていたローブ男が悲鳴をあげ、エリシアをくまの方向へ突き飛ばして逃げ出した。
「ぴよぉ!?」
待って!興奮してる動物に背を向けたら…!!
「ガゥウウウ!!!」
クマはエリシアに見向きもせず、逃げ出した男を追いかけ体当たりを食らわす。
「ぎゃぁぁあ!!!」
地面に倒れた男が叫んで、前に進もうとじたばたと手足を動かす。クマは前足で男の頭をぐしゃりと潰した。アーォ!スプラッタ!
「いてて…。」
エリシアは突き飛ばされた衝撃でまだ地面に転がっていた。良かった、あのスプラッタを見なくて!
山登りロケのテレビ番組で見たな。野生の動物は逃げるものを追う習性があるって。もし出くわしちゃったら、目を見てゆっくり後ずさりするのが良いらしい。…らしいだよ!
残るは私と、エリシアと、偉そうな神父サマの3人だ。神父サマは周りの人が殺された時点で尻もちついて、泡吹いて白目むいてる。恐怖で気絶したの…?
クマはじりじりと私たちの方へ近づいてくる。
「ぴよぴよ!ぴよーー!」(だめだめ!こっちこないでーー!)
私は咄嗟にエリシアを庇うように前に出た。
短い羽を広げて精一杯威嚇する。一生懸命、くまの赤い瞳を見る。目を逸らしたら負けだからね、こういうの。瞬きもしないよ!!
じーーーっと、じーーーっと見つめる。
「グルルル…、グルルル…。」
低い声で唸るクマ。
「ぴよよよよ…、ぴよよよよ…。」
威嚇(?)をする私。
「ぶくぶくぶく…。ぶくぶくぶく…。」
泡を吹く神父サマ()
関係ないね!
あれ?クマがいつまでも襲いかかってこない。
それどころか、段々正気を取り戻してきている気がする。焦点はしっかり合い、血走っていたはずの目も元通りになった。
「がう。」
ついに、一言残して森の中へ消えていってしまった。あ、あれ?おかしいな?
「た、たすかった…の?」
背後からエリシアが言う。
「ぴよ?」(たぶん?)
私は首を傾げる。ママンは人間全員殺すまで、元に戻らないって言ってたけどなぁ?
ま、まぁいいや??とにかく、他の魔物が来ないうちに、ここからトンズラしよう!泡吹いてる奴はここに捨て置く。ふん!魔物のエサになっちゃえ!
痛む体に鞭打って、エリシアを乗せるためしゃがむ。私に気を使っていたけど、唸って諦めて背中に乗ってくれた。エリシアも一瞬だけ神父サマを見たけど、特に何も言わなかった。まぁ、そうだよね。ここでこの人も助けたい!なんて言わないよね。
それから、他の魔物に見つからないようコソコソと森を移動する。
森の現在地がよくわからなくなってしまったけれども、追手はいまのところ来ていないしいいのかな。
途中、木の実がなっている気を見つけたり、キレイな川で水分補給したりして、宛もなくフラフラする。日が沈んできたと思われる頃、いつもより大きな穴を見つける。
私と、エリシアはその中に入り込み、ぐっすりと眠った。警戒なんてしていられる程、体力限界だった。
明日から、どうしようかな…。と考えながら。




