川
圧倒的文章力の無さ…
「ぴよーーー!!!」(やばいよぉーーー!!!)
回れ右して来た方向へと走る!!
走って、逃げるしかない!!
周りは木々に囲まれて狭い。私の体は人よりふくよか(羽毛のため)だから、少し動きにくいんだよー!でも、魔物の私は、人より速いはずだ。なんとかまけるはず!
そんな私の考えを崩すように、後ろから声が聞こえてきた。
「「風の精霊よ、我らの足に疾風の力を与えたまえ。」」
あっ、スピード強化できるんですね!!
まずいまずいまずいまずいまずいまずいまずいまずいまずいまずいまずいまずいまずい!!
後ろをチラ見したけど、10mくらい後ろを走ってきていた。
スピードは、ほぼ互角かそれ以上。
森の中で走りにくいのか、私より速くは走れないみたい。でも、私はここ最近走りっぱなし。ご飯もろくに食べてないし、ここまで体が動かせるのが不思議なくらいだよ!ほぼ気力みたいなもんだと思う。
「ぴーーー!!」(足がいたいーー!!)
私の体が限界を迎えそう。長く走り続けられそうもない。それにエリシアも、私に捕まってる力が段々弱くなってる気がする。エリシアも体力の限界が近い!
ちら、と後ろを後ろを見る。さっきと変わらず、走って追いかけてきてるローブ野郎達が見えた。
くそ!こいつらどんだけ走れるんだよ!!もう!!
こうなったら、やるしかない!
丁度、木々茂る森から出て浅い川へと到達した。場所も拓けていて、森の中よりは動きやすい。
ざぶざぶと川を渡る。うひゃ、藻があって滑る!
渡りきった所で、くるっと奴らに向き直る。川を挟んで、お互い見つめ合う形になった。
「ゆ、ユリセリ…さん…。ご、ごめんなさい…。」
限界が来たのか、エリシアが私の背中からずるりと落っこちた。顔色は蒼白そのもの、よく見ると手がぷるぷるしてる。……こっちこそごめん!
私より後ろの茂みで、隠れて休んでもらう。
「ふぅ、まったく手間取らせる。黄色の魔物よ、大人しくこちらへ来きなさい。我らの言葉がわかるのでしょう?」
「ぴよー!」(誰が行くかー!)
ぶんぶんと顔を横に振る。行くわけないでしょ!
「ふん、呪い子に魅了されるのは人間だけでは無いようですね。忌々しい。…信徒達よ、今度こそ捕らえるのです!」
白ローブの男が顔を歪ませ、吐き捨てるように言う。周りのローブ5人が、私にじりじりと近寄ってくる。ざぶり、ざぶりと川の中央まで進んできた。
今だ!
「ぴぃよ、ぴよおおー!!」(ーくらえ、ひよこ閃光!!ー)
ばっと翼を広げ、体に魔力を行き渡らせる。前より、スムーズに光らせることができた。慣れだね、慣れ!2回目だけど!
でも光ったことに驚く様子もなく、ローブ達は隙を見せた私に向かって走ってくる!
「その手はもう食らわないぜ!」
「ぴよぉ!」(うわぁ!)
咄嗟に、足元に落ちている小石達を蹴り上げた。そして後ろに小ジャンプ。
「ぎゃっ!」がつん!ばしゃ
「うわ!」つる、ぼちゃ
正面から飛びかかってきた奴の顔面に小石が当たった。そのまま川の中に尻もちをつく。
もう1人は顔に当たりそうになって、バランスを崩し滑って顔から転んだ。ひぃ、痛そう!血が出てる!
私が怪我させた、と思ってちょっと動きが止まってしまった。左右から、走ってきた奴ら2人が私の体(翼)を掴む。ぎゃー!触らないで!
「ぴぃぃ!!ぴよー!!」(離して!離してー!)体を左右に揺さぶり、翼を羽ばたかせて、手を離せと必死にもがく。
「大人しくしろ!」「この魔物風情がぁ!」ドスッ
右の翼の付け根に、鋭い痛みが走る。
痛い!刺された!?ううぅぅぅうう!!
「ぴよぴよー!!!」(ーどっか飛んでって!ー)
私から2人が引き離されることをイメージしながら、力を込めると、バァン!と大きな爆発音がした。
「うぐぁ!?」「くそ!いてぇよぉ…。」
無意識に魔力が練られていたみたい。私の体を中心に、小爆発が起きた。私に掴みかかっていたローブ2人は、爆発に巻き込まれて2mくらい吹き飛ばされた。ごろごろと河原を転がっていく。
「はぁ、はぁ、はぁ。ぴよーー!」(はぁ、はぁ、はぁ。どうだーー!)
翼の付け根が、ずきんずきんと痛い。半分涙目になりながら、私たちの様子をじっと見ていた男を見る。
「ほぉ、まぁまぁ戦えるようですね。では、これならどうです?」
ザッと私の後ろから足音がした。
「さぁ、この呪い子を殺されたくなきゃ、言うこと聞くんだな!」
「ユリセリさん…!」
エリシアの首筋に、後ろからナイフを当てたローブの男が茂みから出てきた。卑怯な!
「ぴよぴよ、ぴぃ!」(人質なんて、卑怯だ!)
「申し訳ありませんねぇ、あなたの言葉はぴよぴよ言っててよくわかりません。ふふふ、抵抗したら、この呪い子の命はありませんよ?」
キッ!と川の向こうの男を睨む。
だ、ダメだ。エリシアを人質に取られてしまったら、手が出せないよ!
それにもう、私の体に力が入らなくなってきた。
「わ、私のこと、放って逃げてくだ、ぎゃっ!」バキッ
「勝手にしゃべってんじゃねぇ!」
ナイフの柄でエリシアの側頭部を殴った。アイツを、これ以上刺激したら危険だ。
大人しく、言うことを聞くしかない。
「さぁ、信徒のみなさん。そこの黄色の魔物は、魔の力が強いようです、少々浄化して差し上げましょう。あぁ、足は折らないでくださいね。」
いつの間にか立ち上がっていた残りの4人から、一方的に殴る蹴る、代わる代わる暴力をふるわれた。浄化って、こういうこと…。
私が少しでも動こうものなら、ナイフがエリシアの首に食い込む様子を見せられた。
動けない、悔しい…!
「ふふふふ、くっくっく、間の力は弱まったようです。もう浄化は良いでしょう。さぁこちらへ連れてくるのです。」
川の向こうから男が、大きな声で話す。あいつ、まさか、川に入りたくないのか…?
ざぶ、ざぶ、とローブ達は、エリシアと私を連れて川を渡る。




