表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
70/97

油断大敵(後編)

周りに人がいなくなった後、ベットの上で横になる。

医者の話の後に落ち着きを取り戻した俺は、手足の拘束も解かれていた。


大輔と加藤君がお見舞いに来た。

知らない野郎を1人引き連れて・・・。

制服がうちの学校の物だ。

見覚えの無い顔だから後輩か?


3人が来たお陰で事故の真相が分かった。

見覚えの無い彼はうちの学校の野球部の1人だ。

聞いてしまえば簡単な話だ。

彼の打った特大ホームランが俺の頭に直撃したのだ。


あの日、俺と加藤君は大輔を煽りながら、校庭を横切っていた。

そこに彼のホームランボールが飛んできて、俺の後頭部を直撃。

大輔の話では、俺は受け身もとらず顔面で地面を舐めたそうだ。


「流石にヒヤッとしたぜ!お前は顔面から落ちて血まみれだし、頭の後ろは少し凹んでたしよぉ!」


おもしろ、おかしく話すが、それってかなりヤバい状況じゃないのか。


「先輩!すみませんでした!!!」


いきなり土下座を慣行する野球部員A。


「いいって!きにすんな!事故だ!事故。冒険者なんだから、多少の傷は勲章みたいなもんよ!なぁ、直道?」


それに対し、自分の事の様に気にするなと答える大輔。

事故なら仕方が無いし、青くなって震えてる後輩にこれ以上、何か言うつもりはないのだが、ちょっとイラっとする。


俺が事故なら仕方が無い気にするな、と言うと大輔がこれで謝罪は終わりだと言って、野球部員Aを帰してしまった。

俺、彼の名前も聞いてないんだが・・・。


「直道、有難く思えよ。お前の凹んだ頭にポーションかけてやったの俺なんだからな。」


話しを聞くと野球のボールに狙撃された直後、俺の凹んだ後頭部に大輔がポーションをかけたのだそうだ。


「よく、ポーションなんか持ってたな。」


「加藤君の収納の指輪に入れてるじゃねえか。」


それって、とっさに加藤君が気付いて取り出したからだろ。

まぁ、頭が凹むほどの怪我だったなら、確かに命の恩人だが・・・。


「だけど、悪かったなぁ。」


「何がだ?」


「ほら、直道が運ばれた時にポーションで治療した事、医者に話すの忘れてさぁ・・・。」


「だから、何だ?」


「顔面から地面にダイブしたから血みどろだったろ?」


「だから、何だと言ってるんだ!」


「いや、医者の先生、傷口探すために直道の頭全部剃っちゃったんだよ。悪いな許せ。」


「お前かぁあぁああ!!!」


その後、キレた俺は大輔に飛び掛かったが、加藤君が召喚した白衣のおばちゃん軍団に再度ベットに拘束された。


「放せぇえぇえええ!!!!」


「すみません、あいつキレ易いんですが悪い奴じゃないんで・・・手に余るようなら薬で眠らせて下さい。」


ジタバタ暴れる俺を横目に大輔が勝手な事をおばちゃん軍団にふきこんでいる


「す、菅原君、病人なんだから暴れちゃ駄目だよ。」


加藤君、お前もか!



1週間後、頭に痛々しく包帯を巻いた俺が事故後初めて学校に顔を出した。


「おっ!ようやく来やがった。直道、お前、病院で何したんだ?次の日、検査して3日目に退院するって聞いてたのに。行っても面会謝絶だったし、何をやった?」


俺は頭の怪我だったため、検査入院をしていたのだが、この馬鹿が余計な事をおばちゃん軍団にふきこんだため、精神鑑定まで受けさせられたのだ。

もう少しで、格子付きの病院に隔離されるところだったぜ。


「お前が余計な事を言ったから検査が増えたんだ。口を閉じてろ!」


「菅原君、なんで包帯してるの?」


「そうだ、お前別に怪我してないだろ?」


1週間じゃ髪が伸びねえんだよ!

ツルツル頭だと寒いんだ!決して恥ずかしい訳じゃ無いぞ!


「黙れ!俺は頭に怪我をしている!そうだな・・・。」


凄みを効かせて低い声で話すと、2人で顔を見合わせてから不承不承頷く。

分かればいいんだ、分ればな!


朝のHRが始まり高坂がやってきた。


「おぉ、菅原!今日はちゃんといるな!お前、頭に怪我は無いって聞いているが、何で包帯してるんだ?」


高坂ぁあぁああ!!!

お前は常に裏切り者だ!



怪我無いは毛が無い騒動から1週間後、俺達3人は敦兄ちゃんと会っていた。

敦兄ちゃんが立ち上げる会社について俺の他に2人も出資する事にしたからだ。


出資額は俺が10億で2人が5億づつだ。

この20億を資本金として会社を設立する。


「何度も言うけど、会社を立ち上げるのは直道で、僕はその下につくんだからね。」


魔導工学部の友達にも根回しが済んで、いい返事をもらえたと言っている。

その友達も周りに声をかけてくれるというので、人はそれなりに集まりそうだ。


「一応、法学部の友達にも声をかけてる。そいつが弁護士試験に受かったら会社の顧問弁護士になってもらうつもりだけど、いいかな?」


いいかなも何も、全てお任せだ。

何をどうするのか分からないので、潰れないように好きなようにやってくれたらそれでいい。


今日の話はそれ以外に会社の名前についてだ。

会社を設立するには会社印を作って登録する必要がある。

そのため、会社名を今のうちに決めてくれと言われているのだ。

それに、俺達にも実印を作る様に言われた。


「年明けまでには動き出したいし、出来るだけ早く決めてくれると助かるんだけど。」


いきなり会社名とか言われても、すぐには出てこない。


「菅原消耗品店とかでいいんじゃねえのか?」


馬鹿か!俺の名前を出すんじゃねえ!

隠れ蓑にならないだろ。



次の日、会社名は先送りにし、3人で実印を買いにハンコ屋さんにきた。

初めて来たハンコ屋さんはそれだけで珍しい。

3人ともキョロキョロと視線を彷徨わせ、それなりに楽しんだ。

結果。俺はチタン、大輔はマンモス、加藤君は琥珀で実印を作ってもらう事にした。

1週間後には全部出来ていると言われ、取りに来る事になっている。


少しづつだが形になって来ているのは何だか嬉しい。

まぁ、ほとんど何もして無いので実感が湧かないが、なんとかなるだろう。

俺達としては後は、冬休みにむけて遠征の計画を立てるだけだ。


後編になっていないかもしれませんが後編です。

やる気の出る感想と誤字報告、有難う御座います。

話しは変わりますが、薬局やコンビニ、スーパー等からマスクが消えました。

一部、子供用と予防にならないマスクだけが残っている感じですが、それだけ売れてるのにマスクを付けている人をほとんど見ません。

家にいるなら、いらないんじゃないかなと思うのは素人の浅知恵でしょうか。

すみません、午前中、車で走り回ったための愚痴です。

本日2本目の投稿をさせて頂きます。

有難う御座いました。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] マジで転売屋のせい
[一言] テンバイヤーのせいもある
[一言] さらっと書いてるけど マンモスの象牙で印鑑!?
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ