日常の馬鹿達
遅れてすみません。
寝る前に書いた内容、保存してなかったです。
職業、賢者になった加藤君はレベルが1に戻った。
それなのにステータスはそのままだ。
元々30後半のレベルだった事を考えたら、単純にそのレベル数分ステータスがブーストされている事になる。
ずるい!
俺も職業が進化して欲しいが通常のレベルも職業レベルも全然上がらない。
たぶん、俺は42階のボス程度ではもう、経験値を稼げない体なのだろう。
加藤君の方は経験値は入ってるようだがレベルの上がり方が遅くなった。
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年が開け、大輔が合流した。
無事に元のパーティーを抜けれたようだ。
それに、どこにそんな時間があったのか謎だが、いつの間にか1人で五反田ダンジョンも制覇していた。
本人曰く俺達に差を付けられたくなかったので、徹夜覚悟で挑んだらしい。
お陰で愛用の盾が壊れて、年末の稼ぎが全部吹き飛んだと言っている。
鑑定の眼鏡は米国に・・・というか米軍が3000億ほどで購入し、俺の口座には手数料を抜いた2400億が振り込まれた。
多少の費用がかかっているが、ここまできたら、もうどうでもいいレベルだ。
あと4日で学校が始まるというところで、大輔のレベルアップについて話し合った。
加藤君の提案では3人で行動すると、経験値が分散されて大輔のレベルアップがそれだけ遅れる。
そのため、加藤君と同レベルになるまでは俺と大輔でダンジョンに潜った方がいいという事だ。
女性さえ絡まなければ加藤君の能力は一流だ。
今回の提案も言う通りにした方がいいだろう。
ただ、ここで一つの問題が発生した。
そう、冬休みの宿題だ。
今回は誰一人として、やっていない。
それは学年トップクラスの成績の加藤君も同じだ。
レベル上げに集中しすぎた故の弊害だった。
「ごめん、明日、宮沢さんとデートなんだ。」
そして、発覚する脳筋戦士による裏切り。
俺が襟首に掴みかかるが、大輔は俺の手首を掴み防御。
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いつもの光景だが、今日は違う。
俺には頼もしい仲間の加藤君がついている。
脂肪の塊が大輔に飛びつき、体重で抑え込みにかかった。
「悪いな2人とも・・・いくらレベルが違うといっても、力比べで後衛職に負けるかよ!」
脳筋戦士がゆっくり力を込めると、崩れた体勢が元に戻りだした。
不味いぞ!
「甘いな三沢君・・・僕が君にのし掛かった時点で勝負はついてるよ。」
賢者、加藤が勝利宣言と共に覚えたての重力魔法を展開。
目標は自分自身だ!
これにより大輔は数倍になった加藤君の体重を受け止める。
流石の脳筋戦士もこれには太刀打ちが出来ずに膝を屈した。
「菅原君、いまだ!」
「大輔、覚悟しろ!」
「や、やめろぉおぉおおぉおおお!!!!」
加藤君に抑え込まれ、身動き出来ない大輔の額に油性のマジックでデカデカと肉の一文字を入れる。
ついでに泥棒髭も入れてやろう・・・いい様だな・・・。
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制裁の終わった大輔を解放し、加藤君は食い物の調達に外に買い出しに行ってる。
「くそぉおお!!!直道、やりやがったな!!!」
洗面所で鏡を見ながら脳筋戦士が吠える。
「脳筋戦士、落ち着いてよく聞けよ。これはお前の為でもあるんだぞ。」
「なんだと!!」
「明日は宮沢さんとデート・・・そうだな・・・?」
「そうだ!久々のデートなのに・・・この野郎!!!」
「知ったからには加藤君はついて行くぞ。・・・全裸で。」
「!まさか・・・そ、そこまでは・・・。」
「しないと言い切れるか?俺は見ているんだぞ、加藤君が全裸徘徊を練習しているところを。」
加藤君が賢者になった2日後に、俺達は地上に戻っていた。
祝杯をあげたかったが加藤君が疲れたと言い出したので、騒ぐのは明日にしようとその日は別れたのだ。
そして俺も、シャワーを浴びて、夕飯も食べずに寝てしまった。
当然、俺はおかしな時間に目が覚めて、腹も減っているから買い出しに向かったのだ。
トンネルの中を歩いていると妙な違和感があった。
誰かの視線を感じるのだ。
ダンジョンから戻ったばかりで気が立っているのだろう。
俺はそう結論づけて、外への出入口急いだ。
顔見知りの自衛隊員さんと立ち話をしている時に、それを見てしまったのだ。
人型の空間の歪みが、俺の開けた出入口から出ていくところを!
もう思いつく限り、加藤君しかいない。
彼はこの寒空の中に全裸で飛び出したのだ。
慌てて自衛隊員さんにお辞儀をして後を追う。
見えにくいがスキップしながら歩いているようだ。
見えにくいが不自然に空間が歪んでいるため、気を付ければ見失う事は無い。
俺は離れた位置から出来るだけ姿を隠しながら奴を追った。
20分ほど辺りを徘徊すると、彼は自衛隊員の守る入り口付近に戻った。
たぶん、中に入りたいのだろう。
それを見届けると俺は道を迂回し、たった今、戻ってきたように見せかけ、扉を開けてもらった。
もちろん、立ち話を少しして自衛隊の人の注意も引きつけた。
「これが俺の知る全てだ。お前が大丈夫だと思うなら、もう何も言わん。ただ、加藤君が見付かった時はちゃんと面倒を見てくれよ。」
俺がそこまで言い終ると、買い出しに行っていた加藤君が帰って来た。
その手に男3人で食うには明らかに余りそうな荷物を抱えて・・・。
感想と誤字報告、有難う御座います。
誤字報告は凄く助かっていますし、感想も有難く読ませて頂いています。
本日1本目の投稿をさせて頂きます。
有難う御座いました。




