ドッキリかよ!
遅れてすみません。
パソコン壊れました。
これは弟のパソコン借りて投稿しています。
これが投稿されている頃には買いに行ってるので、なんとか夕方の方は投稿出来ると思います。
そんなわけで申し訳ありませんが、今日は朝の投稿はお休みとさせて頂きます。
「それで、直道君には協会付きの冒険者になってもらいたいんだよね!」
ウワッ!思った通りの展開だ。
そんなの、嫌に決まってんだろ!
小さいおっさんのテンプレ通りの提案に頬が引き攣る思いだ。
「協会付きの冒険者になっても、やる事は今と変わらないよ!
直道君は高校生だし、戦神の刃のように引張りだされる事もない!」
それって卒業したら引張りだされるって事だろ!
スゲー嫌だって言い辛い。
「考えさせて下さい。」
「いいけど、あまり時間は無いからね!」
圧迫面接のような今の状況で答えるのは嫌だ!
なんか負けた気がするからな。
こうなったら、先送りするぜ!
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「じゃあ、最後に清算だけど、今回の調査での拾得物は全て協会側で引き取るよ!
戦神の刃の面々と直道君には各々、1日3000万円の報酬が支払われるからね!」
マジかよ!
1日3000万!
2日潜ってるから、2日×3000万で6000万だぞ!
ボロい商売だ!
俺の関係する話は終わったという事で、ここで俺は解放された。
はしゃぎながら家に戻ると、カイムが虚ろな目でパソコンの画面を眺めている。
最近覚えた対戦ゲームでボコボコにされたようだ。
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翌日、俺は大輔を捕まえて恒例の宿題の丸写しを行っていた。
大輔はいつものように数学担当だ。
「なぁ、最近加藤君が静かなんだが、どう思う?」
俺が光の速さで手を動かしてるいると、大輔がそんな事をいいだした。
こいつの集中力はどなってるんだ!
「いくら加藤君が変人でも、30分で思いを込めた手紙を書くのは不可能だ!
加藤君も所詮、人間だったという事だろ!それより手を動かせ!」
「俺の方はもう終わる。なんだか最近不気味でな。毎日こられた時は邪魔で仕方なかったけど。」
「そんな事より、俺、協会付きの冒険者に誘われてんだけど、どうしたらいいと思う?」
「お前がか?協会付きの冒険者って全員Sランクの人だろ?冗談はよせよ。」
「マジだ。それとスタンピード、また起きるってよ。」
「・・・お前、揶揄われてるだけだろ。本気になるなよ。」
そう言われたら、そんな気がしてきた。
そもそも高校生の俺に協会の秘密を話すわけが無い。
俺をかついだのか?
小さいおっさんが仕掛けた壮大なドッキリだと言われたら、全ての説明がつくぞ。
「そうだな。たぶん壮大なドッキリ企画だな。あぶねぇとこだったぜ。本気で信じかけてた。」
「お前、悪知恵働くわりには騙されやすいよな。」
「馬鹿が、俺は知恵者だが純粋なんだ!お前と一緒にするな!」
俺の宿題を写し終ると、大輔は宮沢さんと約束があると言っているので、そこで別れた。
家に帰ると、パソコンの画面を食い入るように見つめるカイムがいた。
この鳥はもう駄目かもしれない・・・。
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そして新学期が始まった。
大輔が気にする加藤君は肌の艶とお腹の脂肪がごっそり失われ、しぼんだ風船のようになっていた。
触るな危険を地でいくような加藤君は、皆にいないものとして扱われる事により平和な日常が訪れていた。
月日が流れる中、加藤君だけは萎んでいく。
これは、手紙の件が効きすぎたのかもしれない。
俺達が少し悪い事をしたかもと思い始めた、そんな時に大輔から朗報がもたらされた。
加藤君の意中の相手、黒田さんが彼氏を作ったのだ。
これで加藤君を縛る手紙の呪縛から解き放つ事が出来る。
「なぁ、加藤君にこのこと話したら別な相手見付けるだけじゃないのか?」
なにせ、彼は微妙な恋の凄腕ハンターだ。
獲物を仕留める事は出来ないが、見付けることだけは世界一と言ってもいい。
俺達は彼がこの事実に気付くまで情報を秘匿する事にした。
だが、俺達のこの苦労は報われなかった。
加藤君が彼氏と歩く黒田さんを見てしまったのだ。
その場で崩れ落ちた加藤君は病院に運ばれ入院する事になった。
流石に少し悪い気がしたのでお見舞いに行ったのだが、加藤君は思ったより重症だった。
白衣の看護師さんに惚れたりしていないか戦々恐々だったのだが、神の悪戯か加藤君の担当は高齢のおばちゃん看護師だったのだ。
白衣を着れば魅力5割増しの都市伝説もこれには流石に適応されず、加藤君は隔離されるような形での入院生活を続けていた。
だが、彼はこの後、奇跡の復活を果たした。
病院には入院患者以外の人も来る。
彼は入院期間中、暇さえあれば出入口をうろつき通院患者を見ていた。
当然、中には若い女性もいる。
彼は次の獲物を見付けてしまったのだ。
後日、俺と大輔は高坂に呼び出しを受けた。
「加藤を止めろ!」
一言で全てを理解した。
彼を止める事は難題だろう
だけど、世界のために戦えと言われるよりは、高校生らしい問題だ。
俺と大輔は加藤君対策に乗り出した。




