表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
48/97

冒険者協会の真実

翌日、俺は『戦神せんじんの刃』の皆さんと調査員の田辺さん、そして小さいおっさんの大石さんと一緒に協会の会議室にいた。

会議室と言っても、椅子はソファーだしテーブルもイメージするような安っぽい奴じゃない。

どちらかと言えば大人数用の応接用の部屋みたいな感じだ。


「さて、それじゃあ調査の結果だけど、田辺さんに報告してもらおう!」


「はい、それではまず、ダンジョン32階の小部屋ですが、扉を閉めると転移が発動するで間違いないです。

場所も、菅原君に確認して間違いないと証言を受けています。転移先は42階層のボス部屋の前です。」


「う~ん・・・直道君の行った階層には行けなかったか・・・。でも、理由が分からないなら、やっぱり封鎖した方がいいね!

42階へのショートカットに使えるかもしれないけど、あまりにも危険だ!」


小さいおっさんがそう言うと、天野さんが手をあげた。


「なにかな?」


「いや、危険って言っても10階層短縮出来るのは相当デカいぜ。危険を承知で使う分にはいいんじゃないか?」


「・・・事故が起こってからだと遅いからね!やっぱ無しの方向で!」


「そっか・・・まぁ、大石さんがそう言うなら仕方がねえか・・・。」


天野さん、あっさり引き下がったな。

もしかして、大石さんって結構偉いのか?

全然そう見えないけど・・・。


「じゃあ、次は直道君の件だけど、どうかな?」


「対魔物関係では無敵ですね。いくつか問題もありますけど。」


「どんな問題?」


「1つが彼のスキルが敵と定める物の特定が出来ません。

魔物を敵と定めているのは間違いないのですが、その他がどうなのか分かりません。

例えば、彼が混乱し冒険者を敵と認めた際に、彼のスキルがどう働くか分からない以上、長時間の同行はそれだけ危険です。それと・・・」


「続けて!」


「彼と同行して分かったのですが、私はこの調査を始める前のレベルは8でした。

その後3回ほど『戦神せんじんの刃』の皆さんと調査に赴き、レベルは16まであがりました。

全く戦闘に参加していないのにです。」


「うん!良かったね!」


「はい、ですが菅原君と一緒に行った際は1つもレベルが上がらなかったんです。」


「ん?」


「彼が魔物を全て倒して、彼が全ての経験値を持って行ってるという事ですよ!

つまり彼と一緒にいるとレベルはあがりません。その分楽ですけど。」


「それだけ?」


「いえ、最後の1つは罠ですね。特に爆発系や転移系の罠は彼にとって致命的です。

解除手段が無いため、発動を防ぐ事が出来ません。」


「なるほどね!確かに階層が深くなるにつれて罠は凶悪になるからね!」


なんだろ?

大石さんと田辺さんの会話を聞いていると、大石さんは聞き流してる感じにみえるな。



「じゃあ、調査報告はここまでにしよう!これからは直道君の今後についての話だ!」


調査報告はいるだけで終わってしまった。

俺の今後ってなんの事だよ・・・。



「直道君はダンジョンと冒険者協会について、どのくらい知ってる?」


えっ!ダンジョンは30年くらい前にいきなり出来て、

放っておいたら魔物が地上に出てきて酷い事になったんだよな。

その後、政府がなんとか地上に出てきた魔物を倒して、

いくつかダンジョン制覇して、色々便利なものが取れるから資源として使う事にした。

それで、管理するためにダンジョン協会を世界規模で立ち上げてるんじゃなかったっけ?


「概ね、それで合ってるよ!だけど、決定的に違うところが1つあるんだ!」


なんだろ?

別に歴史とかあんまり興味無いから間違ってたのかな・・・。


「当時、魔物が溢れた事を僕たちはスタンピードと呼んでいるんだけど、

地上に出てきた魔物を政府が倒して終わらせたわけじゃ無いんだ!

奴等は勝手にダンジョンから出てきて、勝手に帰っていったのさ!

1つの置手紙を残してね!」


「手紙ですか?何が書かれてたんですか?」


「正確には手紙じゃ無いんだ!こう触ると分かるクリスタルなんだけど・・・。」


「研究では意識が封じ込められているクリスタルと言われてるわ。

言葉が違っても伝えたい事を伝えられる。そんな道具だと思った方がいいわね。」


言い淀む大石さんの代わりに田辺さんが説明してくれた。

まぁ、言いたい事は何となく分かるよ。


「そのクリスタルに込められた言葉は。『また、来る。』だよ!

ご丁寧にこの世界の時計でカウントダウン機能までつけて!

迷惑なお客さんだよね!そして世界中のダンジョンの位置とランクもあったんだ!」


「ランク・・・?」


「そうだよ!ダンジョンのランクは協会が決めたんじゃないんだ!クリスタルの情報を協会が使ってるんだよ!」


「その・・・カウントダウンの時間になると・・・。」


「まぁ、メッセージから考えたらスタンピードが起こるんじゃないかな!」


「・・・・。」


「直道君・・・冒険者協会の仕事はダンジョンの管理じゃないんだ!ダンジョンの制覇が僕達の仕事なんだよ!」


それって高校生の俺なんかに聞かせる話じゃ無いだろ!

どうすんだよ!これ!

話しが大きすぎて、どうリアクション取ればいいんだよ!

俺は現実逃避しながら、話の続きを聞くことになった。



沢山の感想や誤字報告、有難う御座います。

おかげさまでブックマークや評価も順調に増えていっています。

すぐに端折って話を進めるため、分かり辛いようなのですが、今のところ合間に話を追加する気は無いので、そこは皆さんの想像力だけが頼りです。

自分だけのストーリーを作って頂けると有難いです。

強引に誤魔化しましたが、本日3本目の投稿をさせて頂きます。

色々とお世話をかけます。

有難う御座いました。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[気になる点] いつまで手に入れた力の大きさから目を背けるのか。 [一言] 大いなる力には、大いなる責任が伴う。っていうじゃまいか
[良い点] 自分だけのストーリーを作って [一言] 双方メリットがある良い手法ですよね
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ