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鑑定

どこに跳ばされたか分からない俺達が、まず最初にした事は大部屋の2つの扉から出て、周りの通路の状況の確認だった。

そして、それを大石メモと照らし合わせ、場所の確認をしたのだ。


「不味いぞ。全然一致する場所が無い・・・。」


50階層までの地図が載ってる大石メモ。

それに一致する場所が無い・・・。

それは50階層以降の深さにいるという事だ。


50階層に上がるまでに、どれだけ時間がかかるか問題だ。

地図がある50階からなら地上まで、3~4日もあれば行けるだろう。

だが、そこまで地図無しだ。

どれくらいかかる・・・。

1日1階層・・・頑張れば2階層くらいいけるかもしれない。

75階層にいると仮定して25階層あがるのに13日~25日、それに4日足せば最大29日・・・。

ギリギリ夏休みが終わる前に地上に戻れるか・・・。


俺が考えを纏めていると偵察に出ていたカイムが戻ってきた。


『辺りに魔物はいない。』


「よし!上の階段を目指すぞ!目標は1日2階層、出来れば3階層上がるんだ!」


『それは、お勧めできない。』


「アァアッ!なんでじゃ?」


俺が今後の行動方針を話すと、即座に鳥から駄目出しがでた。

そのため、俺も顔を歪めて威嚇しながら聞き返す。


『周りに魔物がいない。これは深層階の特徴だ。今は90階層より下にいる。昇るより潜る方が効率がいい。』


マジかよ・・・。

とりあえず、90階層付近のボスのとこまで行ってみるか・・・。

俺のスキルちゃんと効くよな。

効かなかったら、もう終わりなんだけど・・・。


部屋の外に出てカイムと一緒に歩いてみたが、確かに生き物の気配というか臭いというか、そういった物が全然無い。

幾つかの角を曲がり、ようやく階段を見付けると、それは昇り階段だった。

上がってみると迷路になっている、いつものダンジョンだ。


ということは・・・ボス部屋があるのは99、96、93、90階層のはずだから、カイムの言葉を信じるなら、

俺は98、95、92階層あたりに居た事になる。

10階層ほどだが、通路に敵がいないなら、1日3階層は固い。

つまり、1週間あれば余裕で出られるという事だ。


1週間しか使わないなら全然平気だ。

まだ、夏休みは1ヵ月近く残ってるぞ。


その日は下へ続く階段を見付けた後は、ボス部屋の前で野営する事にした。

そして、ボス部屋を覗くと首が3つある、大型ダンプみたいな大きさの犬がいた。

部屋も今までのボス部屋と違い、かなり広い。

天井も20mくらいありそうだ。


俺が呆けているとカイムがケルベロスだと教えてくれた。

見ているとケルベロスが消える。

魔石と宝箱を取りに走ったが距離が遠い。

それでも、90階層当たりのボスだからどちらも相当な値打ち物だろう。

魔石は・・・凄い大きさだ。

実家の炬燵こたつくらいある。

宝箱も今まで見た事ないほど豪華だ。

なんと金ぴかの宝箱だ。

いままで見てきた木の宝箱などゴミ箱に見える。


俺は慎重に熊手の釣り竿を伸ばし宝箱の蓋を開ける。

中を見ると昔の片目用の眼鏡・・・そうだモノクルだ!みたいなものが入っていた。

・・・なんだ、これ?


鑑定持ちのカイムに聞いてみた。


『鑑定の眼鏡だ。』


「おおっ!これがあれば俺も鑑定が使えるのか!」


ラッキーだ!

これが当たりなのかは明日になれば分かるが、外れでも凄い物だぞ!

2つ出たら1つは取っておこう。


その日ははしゃいでモノクルを使って遊んでいたが、何故かカイムのステータスが見れなかった。

本人に聞いたところデフォルトで鑑定妨害がかかっているので、鑑定スキルでは見れないとの事だった。

くそっ・・・鳥の癖になんて多才な奴だ!



翌日、目を覚まし、朝食の総菜パンをコーヒーで流し込む。

歯磨きを終え、荷物をカイムに預けると再度、ケルベロスを殺しにかかった。

今日も仁王立ちのままケルベロスが天に帰る。


特大クラスの魔石と宝箱を開けてアイテムを手に入れる。

今日で出てきたのは桃色のポーションだ。

カイムに鑑定させるとランダムにステータスの1つの項目を永続的に1~3アップさせる薬だと言っている。

モノクルでもこの薬でもどっちも当りアイテムに見える。

もしかしたら知力がアップするかもしれない・・・その誘惑に心が揺れる。

悩む俺だが、後で決めろとカイムにせかされたため、次の階層に突入した。


階段を降りるとまたいつものダンジョンだ。

ということはケルベロスは93階層か96階層のボスだったという事だ。


後4~7階層、そうなると階層のボスは多くて2匹、それと100階層にいると思われるダンジョンボスだけ倒せば終わりだ。

そう思うと体が軽くなる。

帰ったら、まず風呂に入って、それから魔石とアイテムの売却をしよう。

深層階のアイテムだからそうとうな高値がつくはずだ。

ほくそ笑む俺を肩にとまったカイムが不思議そうに見ているが、ニヤニヤが止まらない。

無意味にカイムの頭を撫でながら俺は先に進んだ。

すんません。

誤字報告、投稿すると即来てます。

一応、時間がある時は読み直してるんですが、直りません。

油攻め(なんだか言葉の響きがエロいですが)の感想も有難う御座います。

ちゃんと読んでいます。

本日3本目の投稿をさせて頂きます。

暇つぶしにでも読んで頂けたら幸いです。

有難う御座いました。


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― 新着の感想 ―
[気になる点] 道中に罠ってないんかね
[一言] めちゃくちゃ面白い 小人の絡みやギャグめいた展開も好き
[気になる点] カイムの部屋にあったテレポーター?的ななにかは他の場所には無いのかな・・・壺の部屋には無かったよねー [一言] 面白かったです、次話もきになりますw
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