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度々すみません。
予約した日が29日になってました。
夏休みに突入した。
始めの2~3日はブラブラしてからダンジョンに潜ろうと思っていると、大輔からメールが来た。
内容は加藤君についてだ。
今日、早朝から大輔の家に来て告白について相談を受けているらしい。
昨日、別れてから1日経っていないのに既に好きな子が出来たとは、どういう精神構造をしているのだろう。
後の学者の研究資料になりそうなので、彼には是非日記を付けてもらいたい。
仕方が無いので脳筋戦士に電話してやる。
ワンコールで大輔が出た。
どんだけ困ってるんだ・・・。
「大輔、状況はどうだ?」
「今すぐにでも告白に行きたいから付いてきてくれと言われてる。どうすりゃいいんだよ!」
「落ち着け。まずは相手の事を聞きだせ。なにも知らないと流石に告白は上手くいかない。それから身だしなみを整えてから告白しようと言うんだ。」
「既に白のスーツなんだが・・・。」
俺は白いガスタンクを想像し、首を振った。
あり得ない・・・。
「どこのチンドン屋だ。お前の行きつけの店でいいから一式そろえろ!そしてその時、ワンサイズ小さい服を買うんだ!」
「サイズの小さい服か?」
「そうだ!そして、その服が着れたら告白に行こうと言え!着れるようになったら、更にワンサイズ下げろ!」
「わ、わかった。それで大丈夫だと思うか?」
「その服で、宮沢さんに告白したら成功したと言え!それで、必ず加藤君は頷く!いいか、自信満々の感じで言うんだぞ。」
「わ、わかった。やってみる。」
「あっ!それと加藤君に日記を書かせろ!心理状態や思った事を詳しく書かせるんだ!」
「分らんが、日記を書かせりゃいいんだな。言ってみる。」
「それと、ストーカーはさせるなよ!」
「わ、わかった。そこは釘を刺しておく!」
「じゃあ、上手く躱せよ。」
「やってみる。」
これで良し。
俺はスマホを机の上に置き、二度寝するため布団の中に潜り込んだ。
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3時間ほどして起きたが、スマホを見ても大輔からの連絡はない。
たぶん上手くいってるのだろう。
その後3日は平穏な日々が過ぎた。
俺は買い出しをしたり、溜まっていた洗濯をしたりと平和に過ごしていた。
そして4日目、春休みにやろうとして出来なかったゾンビ観戦ツアーを再度実行する事にした。
初日で24階のボス部屋までたどり着き、今日は大事をとってここで野営した。
俺も経験を積み、今や寝袋を装備している。
ダンジョン内での野営も快適だ。
次の日、目を覚ますとカイムがボス部屋の扉を5㎝ほど開けて、そこにピッタリハマっている。
「カイム、何してんだ?」
『・・・見ていた。』
俺が声をかけると、びくりと震えて後ずさり、こちらを見てそんな事を言いだした。
なんだ?見張りでもしてたのか?
必要は無いんだが本人がしたいなら好きにさせておこう。
朝食後、荷物をまとめダンジョンアタックを再開する。
27階、ここには俺にとってちょと関係の深い魔物がいた。
俺の防具の素材となった、オーガ(黒)である。
現在、発見されているオーガ種の中で、上から二番目の強さを持つ魔物だ。
身長は3mを超え、筋肉隆々の黒光りする体、そこに加えこのクラスの魔物をなると金属製の武器を携帯している。
こいつの場合は馬鹿でかいハンマーだ。
人など一撃で染みになってしまうような凶悪なフォルムをしてる。
例の如く扉の隙間から覗くと、部屋の中央にいたこいつが死んで消える。
魔石を拾い、熊手のような釣り竿で宝箱を開けると突然爆発した。
俺は爆風で吹き飛ばされ地面を転がるが、ちょと擦り傷が出来ただけで無事だ。
当然、中にあった何かも吹き飛んでいる。
俺は肩を落とし、先に進む。
1時間後、俺は31階層への階段前にいた。
この日のために購入したデジカメを取り出し、欠伸をしているカイムを肩に階段を降りて行った。
降りて最初の感想はとんでもなく臭いだ。
腐敗臭が半端なく凄く、頭が痛くなってきた。
俺は一時的に30階層に逃げる。
体中に臭いが染みついた感がある。
ここに来て初めて臭いという敵が俺の前に立ちはだかった。
タオルの一枚を顔に巻き、一昔前の泥棒のような姿で31階層に突入する。
臭いはキツイがさっきほどじゃない。
俺はゾンビを求めデジカメ片手に先を進んだ。
・・・おかしい・・・いないぞ・・・。
通常の敵であるはずのゾンビが1匹もいない・・・。
ここで俺はこの作戦の最大の過ちに気が付いた。
俺のスキルでゾンビ共が消滅しているのだ。
今までも最近はボス以外の敵は見た事がない。
俺に近づく前に天に帰っているのだから、会えるはずがない。
よく見ると地面に魔石が落ちている・・・。
俺のゾンビ観戦ツアーはこうして幕を閉じた・・・。
今までの苦労が全て無駄になった。
30階層に戻り、今後の方針を考える。
カイムの中には3ヵ月分の食料と水とお菓子とジュースが入っている。
今日はダンジョンアタック2日目だ。
そして地上に戻ると加藤君の脅威が俺を襲う可能性がある。
よし、片道1週間ほど潜ってどこまでいけるか確かめてみよう。
カイムにそう伝えると、この鳥はパソコンに触れなくなるのが嫌らしく激しく抵抗した。
抵抗はしたが所詮は鳥だ。
カイム用のスマホを買ってやるという事で、あっけなく陥落した。
そうと決まればこの臭い階層はさっさと抜けるに限る。
俺はGの階層を抜けた時の様に全力ダッシュが出来る様に荷物をまとめる。
あの時は背中に背負っていたが、今はカイムのアイテムボックスに入れられるんで身軽さが違う。
俺は100m走のように後先考えずにダッシュした。
今思えば、俺はこの時、引き返すべきだったのかもしれない。
後先考えずに突貫した結果、どうなるのか、この時の俺はまだ知らなかった。
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