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初めての稼ぎ

翌日、俺は学校が終わると早速、迷宮に向かう。

迷宮は世界中にたくさんあり、日本にも公表されているだけで163の迷宮がある。

都内にも12個あり迷宮に潜るのには事欠かない。

俺が潜るのは家からも学校からも近い五反田のダンジョンだ。

初心者用と言われ、それなりの人数が潜っている。

ただ、稼げないので大輔達はこの迷宮では無く渋谷の迷宮に潜っている。


早速荷物をコインロッカーに預け、入り口に向かう。

武器は中古の金属バット。

背中にリュックも背負っているが、こちらにはペットボトルの水と非常食のカコリーメイトだけが入っている。

これに入り口前にあるお店で丈夫な麻袋に手頃な石が10個入ったものを200円で購入すると準備が整った。

石は誰もが使える簡単な飛び道具だ。

この石は迷宮産なので1つで攻撃力が1あり、これに自身の攻撃力がプラスされる。

当りさえすれば、初心者でも簡単にダメージが与えられるので重宝されている。


俺は係員にカードを見せて迷宮の入り口をくぐる。

ちらほらと人がいるが俺は人をさけ、あまり人がいない方を目指す。


何故なら俺は戦闘職のはずだからだ。

群れて無くても一階層くらい楽勝のはずだ。


俺は1人迷宮の通路を人気の無い方に進んで行く。

そうすると、前方にゆっくり動く粘液の塊がいた。

昨日倒した迷宮の雑魚No,1のスライムだ。

とはいえ今日は護衛の冒険者はいない。

慎重にスライムに近づく。

なんせ防御力は1の紙装甲だ。

スライムに攻撃を受けるのは避けたい。

まだ、こちらには気付いていない。

バットを振り上げ、急接近し一撃を加える。

が、加えようと近づくとスライムが消えた。

どこかに隠れたわけでは無い。

その証拠にスライムの魔石が落ちている。

何故か分からないがスライムは死んだのだ。


気を取り直して次の獲物を探す。

スライムでも10匹倒せばレベルは2に上がる。

これはレベル1だから出来る芸当でレベル2に上がると、スライムを50匹倒さないとレベル3には上がらない。

おまけにスライムの魔石は安いので、スライム退治はレベル1の戦闘職か戦闘職以外の人がレベルをあげるためにする事なのだ。


しばらく通路をうろついていると見付けた!

だが、今度は2匹だ。

動きが鈍いから大丈夫だとは思うが、俺はここで買ってきた石による投擲を試す事にした。

俺の攻撃力は2、そして石は1、つまり総攻撃力は3という事になる。

2発当てれば、1匹倒せる可能性が高いし、1発づつでも次のバットの攻撃で始末できるだろう。


俺は石を握りしめ、外さない距離まで慎重に近づいた。

10mほどの距離に近づき、これなら大丈夫だろうと振りかぶった次の瞬間、2匹のスライムが消えた。

夢のような話だが夢じゃない。

その証拠にスライムの魔石が2つ落ちている。


さっきもスライムは突然消えた。

走り寄る時、蹴った石でも当たったのだろうと思っていたが、これは違う。


俺は行くつもりが無かった1階層の奥に向かって歩いた。

迷宮の1階層は前半部分は、ほぼスライムしかいない。

だが後半部分に行くと違う。


そこからはスライムより強い、ゴブリンやコボルト等が出始める。

一番の問題は人型だという事だ。

人型の生物を殺すという事に禁忌感を覚える人もいるし、なによりこいつらは武器を使う。

大きさはそれぞれ成人男性の半分程度で力も弱い。

但し、犬頭のコボルトはその分素早く、強さ的に言えばゴブリンよりも強い。


奥に近づくにつれ人の気配は少なくなる。

そのため途中で俺もスライムを狩ったのだが、やはり何もしなくても近づくだけでスライムは死ぬ。


前半部分を超えたあたりでようやく目当てのゴブリンを見付けた。

しかも3匹いる。

俺は20mほど離れた通路の角から奴等を見ている。

TV等でも紹介され、すっかりおなじみの緑の小人だ。

汚らしい腰ミノと錆びた短剣を握りしめグギャグギャ言ってる。

俺が見ていると不意に3匹が消えた。

慎重に近づくとそこに3つの魔石が落ちている。

もう間違いない、俺のスキルは離れた位置から固定ダメージが与えられるのだ。


今のでレベルがあがった。


名前:菅原直道 Lv1→2

年齢:16

職業:呪殺師 Lv1

称号:

HP:8→12

MP:16→24

攻撃力:2→3

防御力:1

精神力:2→3

素早さ:2

知力 :2

器用 :2→3

運  :3→4

職業スキル

呪殺Lv1

スキル


HPとMPは50%アップで他は1上がったのと上がらなかったのがある。

どうせなら器用より知力があがって欲しかった。

魔法職なら知力があがりやすいって聞いてたから期待してたのに・・・。


だが、俺が近づくだけで相手が死ぬなら、いくらでもレベルが上げられそうだ。

それから俺はゴブリンとコボルトを中心に狩った。

ゴブリン32匹とコボルト11匹、スライム8匹が今日の成果だ。

レベルも上がった。


名前:菅原直道 Lv2→4

年齢:16

職業:呪殺師 Lv1→2

称号:

HP:12→24

MP:24→36

攻撃力:3→4

防御力:1→2

精神力:3→5

素早さ:2→3

知力 :2→3

器用 :3→4

運  :4→5

職業スキル

呪殺Lv1→2

スキル


満遍なくステータスがあがり、念願の知力も1上がった。

知力があがれば物覚えが良くなるらしく、10あれば瞬間記憶レベルになれるのだ。

もうテスト勉強で苦労する事も無くなる。


俺は意気揚々と魔石の買取の列に並んだ。

今日はスライムだけだから、水や非常食のカコリーメイト、それと石の代金だけ回収出来ればと思っていたのだが、思わぬ収入だ。


「次の方どうぞ。」


職員に促されて、今日取って来た魔石を机の上にあげる。


「ゴブリンの魔石が32個、こちらは1つ100円で3200円になります。

コボルトの魔石が11個でこちらは1つ120円です、全部で1320円になります。

最後がスライムの魔石で8個、こちらは1つ40円で320円です。

合計で4840円になります。」


職員が事務的な口調で魔石代金を渡して来た。

もぐってる時間が2時間だから時給2000円以上だ。

戦闘職とはいえ冒険者に成りたての俺がいきなりこんなに稼げるとは・・・。


流石、夢の職業、冒険者様だぜ!

ストック無くなりました。

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