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夏休み前

日常はどんどん飛ばします。

数日後、冒険部は発足した。

戦闘職の生徒は全員強制的に部員となった。

部員数は3年生8人、2年生18人、1年生0人だ。

1年生の冒険者が増えるのはこれからだが、2年生の冒険者数の数が突出している。

普通は3年生の人数くらいに収まるのだが約2倍だ。

多分、極端に人数の少ない高校とかもあるのだろう。


冒険部の部長は加藤君が就任したが、いつのまにか大輔が副部長になっていた。

恐らくあの圧迫面接のような対談で断れなかったのだろう。

脳筋戦士の弱点を突いたいい攻撃だ。


そして何故か俺が特別部員とかいう、特殊な部員にされていた。

理由を聞くと、俺の借金の作り話が高坂経由で部員に話され、俺のような幽霊部員を区別するため作られた称号だった。

どおりで最近、よく大輔が俺に飯を奢ると言ってくると思った。

あいつ、俺が借金まみれだと思ってるんだな。

親友の温かい心づかいを無にする事はないから黙っていよう。

それに、あいつは口は硬いが彼女さんは軽い。

宮沢さんにバレたら一気に拡散してしまう。


俺は今日も独りで新宿ダンジョンに潜る。

6階にまで行って帰ってきたら最低50万円の儲けがでるのだ。

笑いが止まらないぜ!


そして、それは帰り道の2階での出来事だった。


『主、スキルのレベルが上がったぞ。』


不意にカイムから声をかけられたのだ。

急いで確認する。


「ステータス。」


名前:菅原直道 Lv64

年齢:16

職業:呪殺師 Lv26

称号:

HP:452

MP:516

攻撃力:41

防御力:22

精神力:64

素早さ:30

知力 :8

器用 :34

運  :64

職業スキル

呪殺Lv7→8

スキル


本当だ!

呪殺のレベルが上がってる!

カイムのやつ何で分かったんだ?


「なぁ、もしかしてお前・・・鑑定スキル持ってる?」


『持っていない。儂が持っているのは上級鑑定だ。』


上級鑑定?聞いたことが無いスキルだ。


「それって何なん?」


『上級鑑定は鑑定系スキルで上から2番目のスキルだ。鑑定で見れないものも儂には見れる。』


翼を広げ褒めろのポーズをするので、素直に頭を撫でてやる。


「なぁ、スキルの効果レベル6,7,8の効果教えてくれないか?」


『うむ、レベル6距離2倍、レベル7魔力への呪い発動、レベル8霊体アストラルボディーへの呪い発動だ。』


後で一度確かめる必要はあるが、これは凄い事かもしれん。

アイテムボックスと鑑定・・・どちらも、このスキルの使い手は国家に雇われることになる。

それだけ便利で凄いスキルだという事だ。

それを従魔とはいえカイムが持つという事は、俺の大きなメリットになるだろう。

この日は中々寝付けなかったが、一度寝付くと朝までグッスリ泥の様に眠った



もう、早いものでもうすぐ夏休みだ。

最近、小さいおっさんが俺の顔を見るたびにニヤニヤしているのが気になる。

あれは何かを企んでいる顔だ。


そして部の方は、俺は一度も部活に出なかったが、いつの間にか開かれた大会で2位の成績を収めていた。

どうも1チーム4人で所定の迷宮に潜り、魔石と宝箱のアイテムの換金額で競うやりかたで競ったらしく、

審判として高レベル冒険者が1人ついてきて、ズルをしたり助けられたら即失格になるルールだったそうだ。


今日はどうしても部活に顔を出せと言われたので、初めて冒険部の部室に来ている。

帰ろうとしたのだが、同じクラスにいる部長と副部長に捕まり逃亡は許されなかった。

今も左右の腕を加藤君と大輔にシッカリ掴まれている。

まるで捕まった宇宙人状態だ。


「なぁ、もう帰ろうとしないから腕放せよ。」


「駄目だ。」


「先生が来たら放すよ。」


さっきから何度も繰り返される解放要求が、ことごとく拒否られている。

可愛い女性なら大歓迎なのだが、筋肉質のゴリラと脂肪の塊はもう嫌だ。

ゴツゴツとブヨブヨで精神的なダメージを受けている。


周りの奴等は初めて見る俺を胡散臭そうに見ている。

新種のいじめのような扱いにふてくされて、足の力を抜いてやった。


「ちょ!この馬鹿!足に力入れろ!!!」


「菅原君、ちゃんと立ってくれ。」


馬鹿め!嫌がらせのやり合いで俺に勝てるものか!!!

嫌なら腕を放しやがれ!!


「全員きてるか!!おっ!菅原もちゃんといるな!」


くそ!顧問の高坂が来やがった!


「全員そのままでいいから聞いてくれ!前大会での我が部の活躍が認められ、新しくアドバイザーの方が学校に来て下さる事になった!

その方は元冒険者で現役の協会の人だ!来て頂ける日は月に2日ほどだが、失礼のないようにしてくれ!それでは紹介するからそのまま待っていてくれ!」


そして、高坂が連れてきたのはあろうことか、顔見知りの小さなおっさんだった。

男女問わず、初めて見る小人に皆が興味深々だ。

・・・俺以外は・・・。


そうこうしている内に大石さんは机の上にあげられ、挨拶をするようだ。


「初めまして、A級協会員の大石です!僕は見ての通り小人ですが、元はSランク冒険者として活躍していました!その知識を使い皆さんのお役に立ちたいと思います!

何か分からない事、疑問に思う事があれば気軽に声をかけて下さい!協会からの出向ということで月に2日ほどしかいませんが、よろしくお願いいたします!」


挨拶を終えると部員に群がれて、写メまで撮られている。

おっさんも比較対象の野球のボールに手を置き、ポーズまで取って写真をとられている。

凄まじいまでの笑顔だ。


「菅原はいいのか?A級協会員の方には滅多に会えないそうだぞ。」


高坂が人の輪に加わらない俺に声をかけてきた。

A級協会員ってなんだよ。

もしかして、あのおっさん結構偉いのか。



「驚いたかい!」


「何してんの大石さん・・・。」


俺は解放された後に新宿ダンジョンに来ていた。

どうやったか知らないが、小さいおっさんも既にいる。


「菅原君を吃驚させようと思ってね!黙ってたんだ!」


どうやら国は本腰をいれて冒険者の育成に手を出すらしい。

その一環として実験的に学校への協会員の派遣などをしているそうだ。


「移動とかよく大丈夫だったね。大石さん外に出るの嫌なのかと思ってたよ。」


この小さいおっさんは常にここにいる。

小人のままの移動は難しいし、人目に晒されるから嫌なんだと思っていた。


『儂が連れて行ってやったのだ。』


カイムが口を出してきた。

お前等、仲悪くなかったか?


『報酬しだいで儂は動く。』


勝手にアルバイトすんなよ・・・。


「空の旅は中々刺激的だったよ!」


いつか空から小人が降ってくる。

そんな都市伝説が出来無い事を祈ろう。


初レビュー有難う御座いました。

本気で嬉しかったです。

感想の方も色々なご意見有難う御座います。

一部の人には心配されてしまいまして、申し訳ないです。

教務室の件はそうですね。

東京は教員室なのを忘れていました。

ちょっと遅れましたが、本日1本目の投稿をさせて頂きます。

色々、有難う御座います。

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