表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
23/97

妙案は、たいていただの思い付き。

1月1日、今日から新年だが、俺は朝方ダンジョンから戻ったため、荷物を担いで家に戻った後は夕方まで寝て過ごした。

目を覚ますとドンドン不安が広がる。

借金の件もそうだが、冬休みの宿題を一つも手を付けていない。

たいした量は無いがやらずに休み明けを迎えたら高坂の野郎がチクる可能性がある。


どうせ大輔もやって無いだろうと思い、対策を練るためメールをする。

2人でやって、後は写せば半分の時間で終わる、

俺達2人は中学時代もこの方法で切り抜けてきたのだ。

今度もイケるはずだ!


しばらくしたのち、返信が返ってきたが、その内容は驚愕するものだった。

『もう、終わってる。』

俺はこのたった9文字の言葉が理解出来なかった。

今まで大輔が宿題をやっていた事は皆無だ。

ただの1度も無い。

それどころか、俺が少し進めていて大輔がまるでやってない事の方が多かったのだ。



暗号か!俺は瞬時に大輔の意図を読み取り、暗号の解読にかかった。

『もう、終わってる。』

何度、読み返してみても分からない。

そもそも、たかが宿題の事なのに暗号を使う意味はなんだ?



くそ!分からない。

ここは素直に大輔に聞くしかない。

俺は、さっきの暗号の意味を教えろとメールを送った。

数秒後、俺のスマホに大輔から電話がかかってきた。


『直道、メール見たけど、どういう意味だ?』


「お前が暗号なんて使うからだろ!あれはどういう意味だ!」


『あれ?』


「もう、終わった、だよ!お前が宿題終わらしてた事なんて無いだろ!どういう意味だ!」


『いや、冬休みの宿題なら本当に終わってるぞ。』


大輔のこの一言にショックを受けた俺は言葉をつなげず固まってしまった。

そして、この脳筋戦士がスタンした俺にさらに追撃をかます。


『ほら、宮沢さんと一緒に宿題やったんだけどさ・・・彼女、頭いいからスイスイ進むんだよ。』


「がぁあぁああぁああああ!!!!!」


思わず叫びながら電話を切った。

俺のスキルよ!今こそ仕事をしろぉおぉおお!!!

じゃなきゃ、俺にも巨乳の可愛い彼女を寄こせぇえぇええ!!!!!!

興奮状態が収まった俺がスマホを見ると、大輔から『元気だせ!宿題写したいならいつでも言ってこい。』とメールが入っていた。


明けて1月2日、俺は両親に大輔の家で泊まりで宿題をやると言って家をでた。

もう、借金返済までの時間も今日を入れて3日しかない、なりふり構わずダンジョンに潜るぞ。



自衛隊の人に挨拶しながら門をくぐり、広間に行くと小さいおっさんは相変わらず暇そうにしていた。

そういえば、俺以外の冒険者を見た事がないが、どうなっているんだ?


「ここはいつもこんなもんだけど、今は年始だからね!年末年始は休みを取る冒険者の人が多いんだよ!たいていは南の島にバカンスに行ってるはずさ!」


ブルジョワな世界がここにあった。

いや、俺も防具を買わなければ家族そろって南の島に行けたはずだ。

来年こそは俺も彼女と一緒に南の島に行こう。

新年2日目にしてようやく今年の目標が決まったぜ!


さっそく、勝手知ったる3階層のボス部屋の前に来た。

扉を開けるとカマキリモドキが拝んでいるのが見える。

そして、数秒後に消える。

安らかに眠ってくれ・・・。

宝箱の前で柏手を打ってお願いする。

赤い薬でお願いします・・・。

宝箱の後ろに回って蓋を開けると。

毒針が飛び出してく。

まいど思うが鉛筆サイズの針だと、毒じゃ無くても普通にダメージの罠だろ。

中を見るとおなじみの紫色の液体の入った瓶が入っていた。


午前中のノルマを終わらせて昼飯の菓子パンをパクつきながら考える。

ボス戦の合間にスズメバチの魔石を拾っていたが、別に上の階に戻らず下の階に行った方がいいのではないだろうか。

下の階の方が基本魔石は高くなる。

昼食後、復活したカマキリモドキを殺した後、俺は入り口の扉では無く、下層の階段がある方の扉を開けた。


4階はリオックという魔物がいるはずだ。

大石メモにこの階の事は走って階段を目指せとしか書かれていなかった。

地図も3階への階段から5階への階段までのルートしか書かれておらず、完全な地図では無い。

だが、俺のスキルであれば、敵がなんであれ関係は無い。

そもそもリオックというのが何か分からないが、とりあえず俺は階段近くをうろついた。

所々に落ちている魔石を拾いながら進み、地図の空いている部分を埋めた。

とはいっても、ボス戦の合間にやっているので1回40分程度の時間しかかけられない。

俺の地図は4階の階段近くを少し埋めただけにとどまった。


何度か4階層の探索を終えた後は、またキッチンタイマーを目覚ましとして使って、寝て起きてを繰り返し朝を迎えた。

その後は昼過ぎまで粘って地上に戻ったが、かなりの数の魔石と赤い薬を3つ手に入れた俺は上機嫌だった。

感想有難う御座います。

同じ様に考えている方が多そうなので、そのうち説明回か設定資料的なものを追加します。

話しの流れもあるのでいつになると確約できませんが、それまでお待ちください。

相変わらず、評価やブックマークをしてくれる方が多く有難いです。

本日2本目の投稿をさせて頂きます。

有難う御座います。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ