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俺には【厨二病の】悪魔が憑いている。

12月31日、ついに今年最後の日がやって来た。

朝起きて顔を洗い、朝食の総菜パンを食べながら俺は借金の計算をしていた。


3000万円のレザーアーマーの代金のうち支払っているのが1900万。

そして、口座の方に530万ほどあるので最低600万稼がなければならない。

赤い薬の出る確率は今のところ、だいたい4~5回に1回なので20~25%。

そうなると15回カマキリモドキを倒せば稼げることになる。

あれ!これって全然いけるんじゃね?


1日24時間潜って睡眠時間の8時間を引けば16時間。

丸1日潜ればなんとかなりそうな気がしてきた。

明日になれば家に帰らなければならない。

これは今日1日、修羅となってカマキリモドキを狩り続ける必要があるな。

現在の時刻は朝の7時、俺はダッシュで外のコンビニにまで買い出しに走った。


8時には小さなおっさんと挨拶をかまし、今日1日潜る事をつげる。

・・・いくら興味がないからって、人前で欠伸すんなや!

未だ眠そうな目のおっさんを後に、俺はダンジョンに突入した。


1階の女王アリはボーナスキャラとして大切に育てる事にしたので、3階のボス部屋まで魔石を拾い拾い一直線に降りた。

ボス部屋の扉を開け覗くと、相変わらず部屋の中央でカマキリモドキが拝むような姿勢で固まっている。

心を鬼にして・・・しなくても俺のスキルは勝手にカマキリモドキを殺した。

そして、始まる赤い薬探しの旅。

物欲センサーがいい仕事をしているようで8回目の戦いでようやく1つ出た。

復活までの時間つぶしは色々だ。

初めは2階にスズメバチの魔石を拾いに行っていたが。

昼を食べ終った後は、キッチンタイマーを目覚まし代わりにボス部屋の前でウツラウツラしていた。


そして通算10回目のチャレンジで、そいつはあらわれた。

カマキリモドキはカマキリモドキだが真白いカマキリモドキなのだ。

今までのカマキリモドキは茶色っぽい枯草のような色をいていたのに、こいつは脱色されたかのように真白だ。

開いた扉から覗いていると死んだのか消えてしまった。

しまった!写メを撮っておけば自慢できたのに・・・。

俺がトボトボと部屋に踏み込み、そいつのいた位置に近づくと、いつもの木の宝箱では無く、鉄っぽい色をした宝箱があったのだ。

魔石は・・・同じ様だが、宝箱は違う。

木より豪華そうな宝箱なのでいやが上にもテンションがあがる。

真後ろから蓋を開けると宝箱の前面からバスケットボール大の火の玉がすっ飛んでいった。

部屋の壁に当たり爆風と爆音が俺を襲う。

壁から50mくらい離れてるのに体が浮きあがるほどの風が体に当り、後ろに飛ばされた。


「あうっ!」


転んだ拍子にしっかり掴んでいた宝箱も一緒に横倒しになり、中にあった物が石畳の上に転がり出た。

そして、俺が手を離すと箱がスゥっと空気に溶けるように消えた。

ああ!売れるかもしれないから、持って帰ろうと思ってたのに!

今までも木の宝箱は放置していたが、手を離したくらいじゃ消えたりしなかったのに・・・。

でも、ボスが復活すると綺麗に消えていたから、使い回しでもされてんのか。


消えた宝箱は残念だったが、宝箱の中身は無事だ。

転がり出た物に目を向けると、それは短い日本刀だった。

脇差って奴かな、鞘も握る部分も真白でつばだけが真黒で妙なコントラストの刀だった。

厨二病患者には受けるかもしれない。

かくいう俺も結構格好いいと思ってしまう。

刀を抜いてみると刀身は60センチ無いくらいで、何となくの感覚だがやはり短い気がする。

そして、光りが当たってキラキラと輝く刃はちょっと綺麗だ。


寝て起きてを繰り返しながら狩りを続けていたら21回、カマキリモドキを狩ったところで予定の時間になってしまった。

結局、赤い薬は2個しか取れず、後は全て紫色の溶解液だった。

出現率の大幅な低下に頭が痛む。


機嫌よく地上に戻ると、小さいおっさんが俺の帰りを待っていてくれた。


「それ、どうしたの?」


目敏く俺の刀を見付けたおっさんが聞いてきたので、白いカマキリモドキの事を話した。

俺の話を聞いたおっさんは顎に手をあて、何やら考えだした。

仕事しろや!!!


俺は今回のダンジョンアタックの戦利品を取り出し始めた。

待ち時間が山ほどあったお陰で、魔石の数も3度数え直してるぜ。


「ごめん、ごめん、じゃあ清算を始めようか。」


おっさんが魔石の数を数え始めたので、俺はシャワーを浴びてくる旨つげて、部屋の方に一度戻った。

もちろん、あの刀は売るつもりが無いから、そのまま部屋に持って行ったぜ。


熱いシャワーで汗と埃を流し、新品のシャツとパンツを身に着ける。

今思えばこの部屋、洗濯機置けないのが難点だな。

使った下着と汚れた上着を家で洗濯するのでコンビニのビニール袋に入れてギュウギュウに圧縮し、ある程度帰り支度をしてから大石さんの所にむかう。

俺が戻ると集計は済んでおり、上機嫌の小さいおっさんがいた。



「じゃあ、今回の清算だけど、まず、キラーマンティスの魔石が21個とスズメバチの魔石が385個で142,450円だよ!

それと溶解液が18個と中級ポーションが2個で436万円、合計で450万と2,450円だね!」


よし!この調子で1日1個、赤い薬が出るまで粘れば3日で貯金使わなくても完済できる!


「ところで直道君はあの刀は売らないの?」


独り静かにガッツポーズを取る俺に、小さいおっさんが聞いてきた。

欲しいのか?でも売らんぞ!

男にとって刀は憧れなんだ!


「もし売ってくれるなら、1憶・・いや、1億5千で買い取ろう!」


な、なんですとぉおお!!!い、1憶5千・・・。

それだけあれば、借金を楽々返せるし、貯金額も凄い事になるぞ!

俺の中の金の亡者もうじゃと厨二病の悪魔が戦っている。

圧倒的に金の亡者もうじゃが優勢だ!



い、いや・・・駄目だ・・・。


「つ、次に手に入れた時でいいですか?」


起死回生の一言で金の亡者もうじゃを封じ込めなんとか勝利を収める。

借金総額3000万円、返済総額2300万円、借金残額700万円。

こうして俺は700万の借金を背負い新年を迎えた。

温かいお言葉有難う御座います。

ペース配分等が分からず突っ走ってますが、頑張ります。

1日のPVとか凄い事になってます。

読んで頂き滝有難う御座います。

誤字脱字の多い小説で申し訳ありませんが、これからも宜しくお願いします。

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