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冒険者になる。

俺の名前は菅原直道すがわら なおみち都内の高校に通う高校1年生だ。


そして、今日10月4日は何を隠そう俺の誕生日だ。


これで冒険者になる事が出来る。


日本の法律で16歳にならないと冒険者資格を取る事が出来ない。

そして冒険者資格を取らない限りダンジョンに潜る事は出来ないのだ。


「直道、今日誕生日だろ?冒険者資格とるの?」


話しかけてきたのは三沢大輔、同じ中学からの腐れ縁だ。


「まあな、職業によるけど、駄目でも小遣い稼ぎは出来るしな。」


「時々なら小遣い稼ぎに付き合ってやるから、駄目でもがっかりするなよ。」


くそ、余裕だな。

大輔の奴は誕生日が夏休み前だったこともあり、俺より先に冒険者資格を取っていた。

しかも、得られた職業が戦士で戦闘職な事もあり、進路は冒険者一択だ。

もうこの時点で人生勝ち組である。


うちのクラスには大輔の他にも冒険者志望の奴が何人かいる。

まぁ、得られた職業が戦闘職だったためだが、そのため夏休み前にカップル率が跳ね上がった。


俺か?

俺はもちろん孤高の存在だぜ!


もう今日は授業も上の空だ。

授業が終わると速攻で冒険者協会へむかった。

なんだかんだ言って大輔が付いてきてくれた。


「駄目だった時の残念会は俺が全部出すからパーっと行こうぜ!」


くっ・・・言い返せないのが辛い・・・。

戦闘職になれる確率は5人に1人と言われている。

つまり20%、試験だったら合格率20%なんて受かる気がしないぞ。


「・・・じゃあ、ちょっと行ってくるから。」


俺は大輔と別れて冒険者資格の申し込みにむかった。

申し込みは簡単だ。

住所、氏名と連絡先を書いて生徒手帳と一緒に提出し仮登録をする。

その後30分の講習を受け、職業を得るために現役の冒険者の人と一緒に狩場に向かう。

狩場と言っても1階層のスライムしか出ない一角まで護衛されて行き、ついたら貸し出しの武器でスライムを1匹倒すだけだ。

その後、戻ると本登録でこの時自分の職業を報告する必要がある。

これが全て無料でしてもらえる。

国としてはダンジョンから色々な物を持って来てくれる冒険者の数を増やしたい。

そのための措置で、いまや世界中のどの国でも同じようなやり方が取られている。


「そんな緊張すんなよ。スライムなんか雑魚だぜ。」


いきなり護衛してくれている冒険者の人に話しかけられたと思ったら大輔だった。


「お前、護衛受けれるほどレベル高かったっけ?」


確かこの護衛ってレベル20からだよな、


「あぁ、俺は勝手に見に行くだけだから・・・。」


わざわざ来てくれたのか・・・・口は悪いが、やっぱりいい奴だ・・・・。


「あのよ・・・あと言い難いんだけど、俺、宮沢さんと付き合う事になったから・・・。」


「死ねぇええ!!貴様ぁああ!!この裏切り者がぁあああ!!!!」


うちの高校で3本の指に入る巨乳と付き合うだとおおお!!!

掴みかかる俺を簡単にいなしながら、困ったような得意そうな顔をしている大輔。

ちょっとでも、いいやつだと思った俺が馬鹿だった。


「そこ!!何を騒いでいる!!!」


「た、隊長!!!こいつは裏切り者です!!!」


「俺は隊長じゃない。ふざけてるなら適性無しにして連れ戻すぞ!!!」


護衛の冒険者が激オコ状態だ。

くそ、こうなりゃ、今日は吐くまで食ってやる。


「大輔・・・これ終わったら回らない寿司屋行こうぜ。お前の驕りでな!!」


「わかったから、ちょっと真面目にしとけ。」


俺は視線で人が殺せたならと思いながら狩場に向かった。

狩場は100m四方の広場で、あちこちにスライムがいる。

俺達、仮免の冒険者は中で貸し出された武器を使いスライムを退治するのだ。


一般的にスライムのHPは5~7と言われている。

そして貸し出されている武器は攻撃力2の槍だ。

攻撃力2の槍に自身の攻撃力がプラスされ、それが総攻撃力となる。

つまり、俺達、仮免冒険者の攻撃力は最低3という事になる。

そのため、3回攻撃すればスライムは絶対に死ぬ。

むしろ1~2回の攻撃で死ぬのが普通だ。


俺も2回攻撃したらスライムは死んで消えた。

消えた後に魔石と呼ばれるビー玉サイズの石が落ちるが、これは記念にもらう事が出来る。

魔石は株と同じで値段が変動するが、スライムの魔石は30~50円だ。

運が良ければドロップアイテムも落ちるが、流石にそれはなかった。


だがこれで、俺は職業を得た事になる。

確認するには鑑定持ちに鑑定してもらうか、ステータスと唱えるだけだ。

ちなみに鑑定持ちに鑑定してもらうと1回30万円が相場だ。

そのかわり鑑定してもらった方が情報が詳しく分かる。


「直道、どうだった?」


大輔が聞いてきた。

今倒したばっかりでまだ確認してないわ!

横で見てたから分かってるだろうが!


「今見る。ステータス。」


名前:菅原直道 Lv1

年齢:16

職業:呪殺師 Lv1

称号:

HP:8

MP:16

攻撃力:2

防御力:1

精神力:2

素早さ:2

知力 :2

器用 :2

運  :3

職業スキル

呪殺Lv1

スキル


やったぞ!

聞いたことの無い職業だが、殺の字が入ってるって事は戦闘職に違いない!

MPもHPよりも多いし、戦闘職の中でも希少な魔法職だろ!


「や、やったぞ!大輔!戦闘職だ!!」


「マジかよ!!やったな、直道!!」


大輔と手を取り合って喜ぶも、周りからの静かな視線で我に返る。

あっ・・・ちょっとまずかったかな・・・。


「おめでとさん、友達もいるみたいだし、先帰っていいぞ。って言うかこの空気どうすんだよ!お前等、先に戻れ。」


護衛の冒険者さんに謝り、大輔と先に帰る事にした。

元々、大輔1人でも俺を守るくらいは出来る。

そして、俺も戦闘職なら、もう負ける要素はない。


「直道、職業なんだったんだ?」


「呪殺師だってよ。聞いたこと無いけど殺の字がついてるから、きっと戦闘職だ!MP多いしきっと魔法職だぜ!」


途中で何かと出会ってくれないかとワザと声を上げながら歩いたが全然会わなかった。

何か出てくれたら俺の呪殺が火をふいたんだが・・・。

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