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冬休みの予定はダンジョン攻略

加藤君からもらった希望を元に決意を新たに決めた俺だが、最大の難関が待ち構えていた。

高坂の奴が両親にチクったのだ。


勝手に味方だと思っていた俺も悪いが、不意をついて親に電話をするあの男も悪い。

冒険者になったことがバレ、ずる休みしたことがバレ、しかも、明日から中間試験だ。

両親からは成績が下がったら、冬休みまでの間は冒険者活動を禁止するように言われた。


そして地獄の中間テストが始まる。

無駄に上がった体力での一夜漬けだ。

それを1日3時間の睡眠時間で俺はやりぬいた。

知力が倍になってる効果もあったのだろう。

俺はなんとか中間テストをクリアした。

もちろん土日は思いっきり寝た。

そして、その後3日で戻ってきたテストは全て赤点を回避した。

それどころか、英語と数学以外は前回より点数が高い。

母に不正を疑われたが、疑いが晴れると一転し信じていたと言い出した。


それで、とにかく俺の任期は空けた。

これからは自由だ!


当面の目標は知力を7にすることだが、平日は4時から潜るとして精々が9時までだ。

つまり時間的には5時間しかない。

そして7階に行くまでに片道1時間半くらいはかかり、狩りで使える時間は2時間しかない。

2時間だと1度狩りをして戻る準備を整えるくらいの時間しかない。

そして7階層のオルトロスは数がいないし、亀は動きが遅く俺の狩りとは相性が悪い。


考えた結果、とりあえず6階層で猿を狩りまくる事にした。

6階層の中央までなら1時間くらいで行ける。

その場でタイマー作戦を使い狩りをすれば3時間は時間が取れる。

このやり方でも狩りは1回しか出来ないが、猿共は数がいるので収入が減らない。


そして、俺がこの階での狩りを選んだわけはもう一つあって、それは猿共のドロップアイテムに期待しているのだ。

猿のドロップアイテムはライオンイーターの手甲といい、毛皮のグローブだが防御力が3もある低層階でのドロップアイテムとしては破格の手甲なのだ。

その分、ドロップ率が悪いという話で、俺もこの間300匹以上倒してるのに手甲は落ちていなかった。


それから毎日、学校が終わると猿の階層に籠った。

土日は7階層までおりて、8階への階段を探した。


そんなこんなで期末テストを迎え、俺は中間テストがまぐれじゃない事を証明するために再び1日3時間睡眠の勉強法を行った。

そして、12月26日、俺にとっては楽しい冬休みを迎える。

この日のために準備は万全だ。

8階層への階段を見付け、6~7階層の地図もうろつきまくったお陰で完璧になった。

猿の手甲も入手し防御力も上げた。

レベルはあれから2つしか上がらなかったが、知力が1つ上がった。

確認した時は涙が出たのはいい思い出だ。


名前:菅原直道 Lv24→26

年齢:16

職業:呪殺師 Lv6→8

称号:

HP:155→171

MP:175→190

攻撃力:14→15

防御力:9

精神力:24→26

素早さ:15→16

知力 :4→5

器用 :13→14

運  :24→26

職業スキル

呪殺Lv3→4

スキル


相変わらず使う予定の無いMPが順調に伸び、精神力と運は必ず上がっている。

俺は出掛ける準備をし母に声をかける。


「じゃあ、今日は大輔のところに泊まるから。」


「むこうの親御さんに宜しく言ってね。何か持ってった方がいいんじゃないの?」


「平気だよ。じゃあ行ってくるから。」


俺は無理矢理話を終わらせて家を出た。

今のが最後の準備、大輔によるアリバイ作りだ。

今日は大輔の家に泊まるつもりは無い。


五反田ダンジョンを行ける所まで行くのだ。

具体的に言うと目標はダンジョンボスと呼ばれるラスボスのいる10階層。

8階層と9階層を攻略し、10階層のラスボスを倒すのだ。


俺は今、今日のために用意した登山用の馬鹿デカいリュックを背負い、8階層への下り階段の前にいる。

ここまでで約2時間。

出来れば今日中に9階層へたどり着きたい。

まずは8階層の中央付近にある小部屋を探す。

1時間ほどで中央より少し奥よりの部屋を見付けた

まずは、ここでタイマー作戦を行い、敵の数を減らした。


この階は前半部分はオルトロスだが、後半部分はラミアという下半身が蛇の人間の化物がいる。

半獣半人で人間分部が綺麗な女性ならちょっと嬉しいのだが、ここにいるのは全て男性の戦士タイプだ。

ムキムキのマッチョの下半身が蛇なだけで誰得だよと言いたくなるような奴等がいるのだ。


幸いオルトロスには見つからずにここまで来れた。

ダンジョンを守っているはずなのに数が少なく、侵入者を見逃すとは本末転倒のような気がするが、俺が損をしているわけでは無いので問題は無い。

いつものようにキッチンタイマーを張りつけ、小部屋に駆け込む。

扉を閉めてから扉にドアストッパーをかまし、その前に座る。

オルトロスとその他聞いたことの無い音が扉の外でしている。

恐らくそれはラミアのはずだ。

オルトロスの吠え声が五月蝿くあまりよく聞こえないが、オルトロスよりも数は多そうだ。

完全に音が聞こえなくなってから、更に30分待って扉を開ける。

散らばっている魔石を拾い集めている時に俺はそれを見付けた。


カットラスと言われる曲刀だ。

これはラミア(戦士)のドロップアイテムだったはずだ。

ダンジョンの中では槍より使い勝手が良く、攻撃力も高い。

ホクホク顔で魔石と一緒に拾い集め小部屋に戻る。


今日はここで数えたりするつもりは無いので、そのまま荷物を纏め奥を目指す。

右手に抜き身のカットラスをさげ、左手の手槍を杖のように使い石畳の通路を歩く。

カツン、カツンと音がするがかなり広範囲で敵を引き寄せたようで、寄って来るラミアは全然いない。

そのまま最奥までたどり着いたが見える範囲に階段は無い。

有る事の方が珍しいので、そのまま壁沿いに探して歩く事にする。


今はほぼ中央の奥に居るはずなので、右方向か左方向かのどちらかに階段があるはずだ。

左手の手槍を石畳に立てて手を放すと穂先が左を向いて倒れた。

2分の1の確率でしかないなら運を天に任せてもいいだろう。

倒れた左側にむかって歩を進める。


3時間後、それが間違いだったと分り、来た道を引き返すことを俺はまだ知らない。

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