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人生は思い通りにならない

今日は日曜日。

そして、俺の自主休暇最終日だ。

俺はダラダラモードの両親に、友達と遊びに行くので夕飯は要らないと告げて家をでた。


知力を上げたい。

その思いのみで俺は五反田ダンジョンの入り口をくぐった。

もはやあまり意味の無い4階層までは走り抜けた。

後衛職なのに何故か強化されている体が、休まず走り抜けるという荒行を可能にしてくれる。

5階のボス部屋の前に到着し、息を整えると扉をそっと引き開く。

開いた扉の隙間から見ると、昨日と同じ様にオーガ(青)が陣取っているのが見える。


そのまましばらく待っていると消えるオーガ(青)。

彼は何故自分が死ぬのか分からないまま死んでいるのだろう。


魔石を拾い、更に下を目指す。

6階層は例の猿共だが、昨日かなり殺しているせいか全然会わない。


奥の方まで進んだが、途中で遭遇したのはたった5匹だ。

その5匹も近づくと死んで消えたので魔石だけ有難く頂戴してきた。

ほぼ無人の6階層をうろつきほどなくして下層への下り階段を見付け迷わず降りていく。


7階層は前半部分はビックバイトという巨大な噛み付き亀だ。

動きは鈍いがその甲羅は硬く、その噛み付きは人の腕足などを簡単に噛み切る。

見たら相手をせずに逃げるのが一番有効な手段とされている魔物だ。


この魔物はドロップアイテムの甲羅から色々な薬を作りだせ高価なため、この魔物を専門で狙う冒険者もいるが、たいていの冒険者は相手にしない。

甲羅が硬すぎて倒すまでに時間がかかりすぎるためだ。

火と氷と雷の魔法はよく効くため一部の魔法職の人にはいい小遣い稼ぎになるという。


呼び寄せるにしても、こいつは動きが鈍いため時間がかかり、俺の狩りには適さない。

俺も進路上にいる者以外は無視してスルーしていく。


そして来たのが目的地である7階層の奥。

ここにはオルトロスという頭が2つある犬がいる。

犬と言っても熊並の巨体で素早く、力も強い。

その上、口から近距離にしか届かないとはいえ炎のブレスを吐くのだ。

もっぱら噛み付いた後の追加ダメージでしか使わないようだが、それでも炎は炎だ。

いつものようにそろそろと石畳の道を進む。


しばらく進むと獣の臭いが漂いだし、ここがオルトロスのテリトリーだというのが分かる。

ドキドキしながら目を凝らし隠れられそうな小部屋が無いか探すが見渡す限り壁に扉は付いていない。

そのまま30分ほど直進し、ようやく目当ての部屋を見つけ出した。

壁にキッチンタイマーを張りつけ、俺は小部屋に隠れた。


タイマーが鳴りだすとすぐに足音が聞こえ、それに伴い遠吠えのようなものも聞こえる。

気配を隠そうともせずに扉の前に大量の気配が殺到し、タイマーにむかって吠えたてている。

吠え声ににまぎれて時折魔石の落ちる音も聞こえるがワンワン、ワンワン、やかましい。

俺は耳栓を持ってこなかった事を後悔しながら、その拷問のような騒音を耐えた。

猿共の声は超音波のような高い声だったが、犬の方は低い重低音の吠え声で脳より鼓膜にダメージがくる。

近距離で聞いていたため、耳鳴りのようなものが聞こえるが、いつもと同じ様に魔石とタイマーを回収し、ダメージを回復させている間に魔石の数を数えた。

オルトロスの魔石は54個だった。

猿と比べたら随分少ないが、元々数が少ないのかもしれない。

ついでにステータスを確認する。


名前:菅原直道 Lv22→24

年齢:16

職業:呪殺師 Lv6

称号:

HP:140→155

MP:158→175

攻撃力:12→14

防御力:8→9

精神力:22→24

素早さ:14→15

知力 :4

器用 :13

運  :22→24

職業スキル

呪殺Lv3

スキル


あいかわらず知力は上がらないが、精神力と運だけは順調に伸びている。

MPも伸びているが何時になったら役に立つのだろうか。

職業スキルがパッシブスキルの呪殺しかないし、これはMPを使わないようなので、MPが増えても喜べる部分がまるでない。


もうお昼がすぎていたので、意気消沈しながら、そのままそこで昼食の饅頭を食べた。

今日は、このままだと後1回、罠を仕掛けて終わりだろう。

出来れば8階層の中央部分まで行って、罠を仕掛けたい。

俺はそれから3時間、降り階段を求めてうろついたが、下層への階段は見つけられなかった。

タイムリミットがせまり、俺は諦め地上にむかう。

トボトボと7階を歩いていると、前方の岩が揺れた。

再度見直すとそれは岩では無く、ビッグバイトだ。

こちらに尻を向け、のそのそ歩いており通路一杯の体のため、こっちを攻撃する事は出来ない。

こんな機会は滅多に無いだろう。

俺は悪戯心で甲羅を触ろうと近づく。

そして、触ろうと腕を伸ばした瞬間、ビッグバイトが消えた。

俺のスキルは俺の意思と関係無しに敵を廃除するんだった。

落ちた魔石を拾い、そのままトボトボと出口を目指した。


魔石の買取額も2万円に届かず、散々だと思いながら家に帰ると、母に獣臭いと言われて直ぐに風呂に突っ込まれた。

その日、俺はベットで久々に枕を濡らした。

応援有難う御座います。

もしやと思い確認すると、ローファンタジー部門で日間ランキング100位以内に入ってました。

皆様に感謝を込めて本日2本目を投稿します。

初めての事で少し浮かれてますが、これからも宜しくお願いします。

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― 新着の感想 ―
[気になる点] そんだけ無双してて知能についてグダグダ言いすぎじゃないですかね
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