7人の戦士達
空に最も近いとされている国、スラグ王国では7人の戦士が集められていた
魔王軍に対抗すべく人間軍が集めた最強の戦士達は王の登場を待っていた
縦長の机が設置されてある謁見の間に集められた彼らは向かい合う形で腰を降ろしていた
彼らは一言も口を聞かずただ互いが互いを睨み付け合っていた
ただただ緊迫した空気が流れていた
その空気を破るかのように謁見の間の扉が音をたてて開き王が現れた
王は彼らを見渡しこう言った
「7人の戦士達よ、歓迎しよう、そしてこうして集まってくれたことを感謝する」
「君達の存在は貴重だ、失いたくはない。だが世界がこうなってしまった以上力を奮ってもらうしかないのだ。」
「君達には早速だが南の村への調査に行ってもらいたい、ある噂によるとそこが魔物の住み処ではないかという話を聞く。君達の力を試すという意味でもその場所に調査に行ってもらおう」
「パスだ」
7人の中でも体格が異常に大きな男が呟いた
「巨人、ボルグよ。なにゆえ我の言葉を拒む」
「そんな小さな仕事には興味がねぇ。俺は魔王を殺せるというからここまで来たんだ。魔物退治なんかやるつもりはねぇ。」
「そんなおつかいみたいなことをするなら俺は降りる」
巨人ボルグは席を立ち王の横を通りすぎ出口に向かおうとする
すぐさま衛兵達がボルグの正面に立ち進路を塞いだ
ボルグは舌打ちをし、右手を開いて軽く風を扇ぐ
すると衛兵達に強い風が吹き上に吹き飛ばされた
「俺を止めたきゃ止めるがいいさ、できるもんならな」
そう言って扉を押す
「まぁまぁ落ち着きなよボルグ。」
金色の髪をし、腕を組み余裕そうな表情を浮かべる男が言った
「もし君が僕達と一緒に調査に行ってくれるなら、調査が終わったら僕と勝負しようよ。君は弱い魔物の退治とかが嫌なんだろう?僕なら君の相手を務められると思うんだけどなぁ」
「ほう?お前ごとき人間が巨人の俺と対当に張り合えると思ってるのか」
「なんなら今やったっていいよ」
金髪の男は重い腰を上げボルグの前に立つ
「僕は剣聖、つまり武器は剣だ。でも僕の剣はただの剣じゃない。」
そう言って鞘から抜いた剣は赤く光っていた
「僕の剣は魔力を纏う魔剣。これなら多分満足してくれると思うけどなぁ」
剣の刃を前にかざしながら呟く
「いいじゃないか、やってやる」
ボルグは体から殺気を放ちながら金髪の男へと近付く
その空気を破るかの如く1人の衛兵がものすごい表情で謁見の間に飛び込んでいた
「た、大変です!南の村の方角から魔物がこちらに攻めこんできています!そ、早急に防衛戦を張らなければ民に被害が及びます!」
「ということだ、やはり南の村は魔物の住み処だったらしいな。そこに行くまでの手間が省けた。君達7人には防衛戦を張るまでの間、魔物を討伐してもらいたい。異論はないな」
7人は王を睨み付け、謁見の間から飛び出した