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僕の異常な学園生活  作者: マロ
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朝のゴタゴタ

窓から差し込む朝日を顔に浴びて目を覚ます。

涙や鼻水で顔が大変なことになっていて顔を洗うために部屋を出るが、扉の前でセリアが待ち構えていた。


「ライオ私に言うことがあるでしょ?」


セリアは怒っていた、昨日僕が食事をとらなかったからだとは思うけど、わざわざ部屋の前で待ち構えるなんて余程ご立腹なのだろう。


「いや昨日はね入学式とかで疲れててさ、少しでも早く寝たかったんだ。」


苦しい言い訳だとは思うけど泣いてたなんて恥ずかしくて言えないからどうにかして誤魔化したい。


「私が怒ってる理由がわからないみたいね。」


苦笑いをしているとセリアはため息を吐いて手に持っていた濡れタオルを僕の顔に投げつけてくる。


「私はねライオ、怒ってるけれどそれ以上に悲しかったのよ。サーシャから食事はいらないって言って部屋に戻ったって聞いてね、文句の一つでも言ってやろうと思って私ライオの部屋に食事を持って行ったの、そしたら部屋からむせび泣く声が聞こえてきて私…」


震える声に顔を拭いていた手をとめてセリアをみると目にいっぱいの涙を溜めていた。


「ごめんなさいね、こんな事を言うつもりではなかったの。」


涙を拭い笑顔になるセリアをみてると自分が情けなくて嫌になってくる。


「でもこの事は関係ないのよ。」


セリアの一言に困惑していると物凄い力で肩を掴まれ身動きが取れなくなる。


「泣くほど苦しいなら私に相談してほしかったけど、ライオも男の子だもんね格好をつけたいわよね、だからこの事はもういいのよ。私が怒っているのは昨日のお昼の話なの、メイトから聞いたわよ眼帯をした背の高い男の人とご飯を食べてたって、私昔から言ってるわよね?知らない人にはついて行ってはダメって。」


肩を掴む力がどんどん強くなり僕の表情が痛みで歪む


「セリア肩が痛いから離して。」


ハッとした顔をして僕の肩を離す、まだ肩には掴まれた感覚と痛みが残っている。

僕はセリアの目を見つめながら、優しいトーンで話しかける。


「セリア心配してくれるのは凄くうれしい、けど僕はもう16だ、僕と同い年で既に働いている人もいる訳だしそんなに心配しなくてもいいよ。僕も出来るだけセリアに心配させないように頑張るからさ。」


優しく微笑みながらセリアを見つめる、セリアは感情の起伏が激しい時があるから出来るだけ刺激しないように声をかける。


「わかったわ、ライオがそこまで言うならこれ以上は何も言わない。」


セリアは渋々といった感じで納得してくれたようだ。


「でも!誰かと出掛けるときは前もってメンバーと行く場所を教えなきゃ駄目よ!わかった!」


セリアの迫力に圧倒され不意にも頷いてしまい、それに満足したセリアは意気揚々と戻っていく。

あくまでも予想だけど僕の知らない人じゃなくて、セリアの知らない人と出掛けてはダメなのかもしれない、セリアの後ろ姿を見ながらそう直感した。


「ライオ様、朝食はどうされますか?」


「いただきます。」


部屋に戻り制服に着替え準備をしていると、ドアの向こうからサーシャさんの声が聞こえる。僕が返事をしながら部屋を出るとサーシャさんがドアの前で待ち構えていた。


「ライオ様、セリアお嬢様が持ってこられたタオルを回収させていただきます。」


「あぁ、ありがとうございます…、すいません通して下さい。」


サーシャさんに使い終わった濡れタオルを渡しても僕の前で立ったまま動こうとしないため食堂に向かえないでいた。


「ライオ様、朝食を取られますと遅刻してしまいますがどうされますか。」


慌てて部屋の時計を見るが朝食を食べても余裕がある。


「サーシャさんからかわないで下さい、時間は大丈夫…?」


僕が喋り終わる前にサーシャさんが懐中時計を取り出し僕に見せる、そこで気付いた僕の部屋の時計は壊れて針が動いていなかった。


「朝食を取らずに学園へ向かえば遅刻は免れると思いますがどうされますか?」


「それを早く言ってください!朝食はいりませんので。」


笑顔でドアの前から避けながら質問をしてくるサーシャさん、慌てふためく僕は大急ぎで走り出す。

入学から二日目で遅刻なんてする訳にはいかない、その一心で学園へ向かった。

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