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僕の異常な学園生活  作者: マロ
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挑発と危機一発

闘技場から自分の教室へ向かう。


「僕はEクラスだからここか」


教室に入ると黒板に席順が書かれている、席順の通りに席に着くと机の上にはこれから使う教材が置かれていた、教材は分厚くて何冊もあって毎日重い鞄で登校すると思っていたけど想像以上に薄く冊数も少ないため内心ほっとしていた。

続々と教室に入ってくるクラスメイトを横目に軽く教材に目を通しているとカレン先生の声が聞こえてきた。


「早く席に着け!今後について説明をするぞ。」


自分の席を離れていたクラスメイト達が先生の声に反応して席に着く、全員が席に着き静かになったことを確認してカレン先生は口を開いた。


「改めて入学おめでとう晴れて君たちはこの学園の生徒になった訳だ。これからこのクラスで学園生活を送ることになるから仲良くしてくれる事を望む。そして今日から私が君たちの担任になる、君たちの自己紹介は明日やるからそれまでに考えておけ。そして机の上に置いてある教材だがそれは各自持ち帰るようにしてくれ、次に明日以降の授業についてだが最初の一週間はレクリエーションをすることになっているから授業は無しだ。以上で説明を終わる、今日はこれで解散となる気を付けて帰るように。」


カレン先生が早口で説明を終えて教室から出ようとしたときに青い長髪で眼鏡をかけた男子生徒が挙手をしていた。


「先生質問しても宜しいでしょうか。」


「いいだろう言ってみろ。」


一度ほかの教室の様子をみてまだ説明が終わっていないことを確認するとカレン先生は男子生徒に向き直る。


「魔法を使えない極東の人間がこの学園で何を学ぶのですか?」


男子生徒の言い方はとても気に障るもので僕は彼に反感を持つ、それは僕だけではなく先生もとても険しい表情をしている。


「質問に質問で返して悪いが、それはどういう意味だ?」


怒気のこもった声に僕は少し萎縮してしまうが、彼は平然とその問いに答える。


「魔法を学ぶこの学園では留学生もすることが無いと思いまして。」


まだ会ってもいない留学生に対して皮肉を言い馬鹿にする彼に僕は怒りを覚えていた、だけど先生は表情は変わらないが落ち着いた声で話始める。


「お前は私に喧嘩を売っているのか?そういった類の冗談はすきじゃない、それに言っただろ留学生もかなりの腕前だと、それを信じられないと言うのなら留学生との模擬戦をさせてやってもいいがどうする?」


先生の思わぬ提案に彼は笑みを浮かべていた。


「それは有難いです、ぜひともやらせてください。」


彼の返答にカレン先生はため息をついている。


「了解した、では明日のレクリエーションで模擬戦を行うとする。一人だけ早い自己紹介だ名を名乗れ。」


先生に促されその場に立ち上がり自己紹介を始める。


「わかりました、私はパラク・アデオンと申します。王宮魔法師を目指してこの学園に来ました、以後お見知りおきを。」


アデオン家と言えば数多くの魔導師を輩出している名家で、魔力の強い者が指導者として相応しいという魔力主義で有名だ。

そのパラク君の自己紹介を聞いてカレン先生は見るからに落胆していた。


「お前もしかしてミケラの弟か?」


「やはり同じ王宮魔導師である姉をご存知なのですね。姉はアデオン家の誇りであり私の目標でもあるんです!ここを選んだ理由も姉が卒業生だからで…」


突然始まったお姉さん自慢にクラス全員が呆気に取られていると先生によって話が遮られる。


「お前がミラが好きなのはわかった、そんなお前に良い事を教えてやる、Aクラスの担任はミケラ・アデオンつまりお前の姉だ。大好きな姉に恥をかかせない様に励むんだぞ、では他のクラスも下校を始めているので今日はもう解散だ気を付けて帰るように。」


そう言い残してカレン先生は早足で教室を後にし、それに続いて皆が一斉に帰り支度を始めるが、姉が教師をしているという話を聞いたパラク君だけ何故かその場で立ち尽くしている。

そんな彼を尻目にクラスメイトが教室を後にする中、僕も家に帰る前に寄り道しないといけないから早く帰ろうと立ち上ると、教室の入り口に金髪ロングの女の子が立っているのに気が付いた。


「ライオ・シーベルトはいるかしら。」


その女の子の一言で僕の背筋が凍り付いた。

なぜならその声の主はフェーレス・デル・オルディン、彼女はこの学園の生徒会長をしているナミル・デル・オルディンの妹つまりリーメ王国の第二王女だ。

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