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僕の異常な学園生活  作者: マロ
2/21

短い入学式と衝撃の事実

「入学式が始まるから速く移動しなさーい」


この半年間を思い出していると学園の中から教師の声が聞こえ僕も慌てて移動を始める。


「絶対に紹介状の差出人が国王だってバレない様にしないと。」


そう僕は心に誓い入学式に参加するために学園へと走り出した。



早々と受付を済ませると入学式の会場になっている闘技場コロッセオに案内される、闘技場が学園内にあるって敷地面積広過ぎるだろ、なんて考えながら中へ入るともうほとんどの人が集まっていた。

指定された座席に移動して受付で渡されたパンフレットに目を通すと今日の予定について書かれていて、学園長の挨拶に生徒会長の挨拶で最後に生徒会顧問からの説明があって入学式は終わりみたいだ。


話を聞くだけで終わるのは楽で助かるなぁ、なんて考えていると教師として白い鎧を身に付けた白騎士と、紺のローブの胸元に金のバッチをつけた王宮魔法師が並んでいる列の中で、一人だけ見慣れない服装をした男性が目に留まる。


「新入生は全員揃ったようじゃな、ではこれよりライネル魔法騎士学園入学式を始める!ワシはマギア・フォークスこの学園の長を任されておる!」


突然響き渡る声に驚いて視線が壇上にいる老人、マギア・フォークス学園長に向く。


「この学園はワシの先祖であるライネル・フォークスが魔法の普及と発展を目的に建てたものじゃ、それが今や最高峰と呼ばれるまでのなったのもこうして入学してくれる皆のおかげじゃ礼を言う。しかし最高峰と呼ばれるからにはそれに恥じない教育をしていくことになる、辛い場面や苦しく逃げ出したい場面にこれから直面するじゃろう、じゃがワシはそこで逃げ出さない諦めない心を魔法以上に極めてほしいと思っておる。最後にこの学園に極東から留学生が来ることになっておる、これはリーメ王国の長い歴史の中で初の試みであるがあまり肩肘張らずに仲良くしてほしい。これは余談だが留学生は新入生達のクラスへ割り振られることになっておる、しかも極東でもかなりの実力者らしいからの気をつけてな。」


楽しそうに笑いながらマギア学園長は壇上を降りて行った。

学園長の話が終わると同時に僕を含めた新入生達がざわめきだした、それも当然だ極東から留学生が来るなんて説明されてないし何よりもこの事は公にされていないはずだ。

新入生達のざわめきが収まらないなか、燃えるような赤く長い髪を揺らして一人の女子生徒が壇上に上がった。


「静粛に!」


女性の言い放った一言でざわめきが収まり会場に静寂がもどる。


「私は3年のナミル・ジル・オルディンこの学園の生徒会長をやっている、新入生も周知の事実だとは思うがリーメ王国第一王女でもある。留学生の件に関して皆が驚くのも無理は無いと思う、かく言う私も学園長の口から聞かされるまで知らなかった為驚いている。だがこのような些細なことで驚いてはこの学園ではやっていけないだろう。」


一般に公にされていない事実を些細なことで済ませる時点でこの学園に常識は通用しない事を一瞬で理解すると同時に僕の中の不安が大きくなる。


「あまり詳しい事を話してしまうと今後の楽しみが無くなってしまうので何も言わないでおく、これからの学園生活で身をもって味わってほしい。だが学園長の言う通り辛く苦しい時が必ずくるだろう、その時は私たち先輩に相談してくれ、同じ学び舎に通う者として必ず協力することを約束しよう。」


新入生に向かって一礼するとナミル生徒会長は壇上を降りていき、入れ替わりで紺色のローブを羽織った女性が壇上に上がってくる。


「私は生徒会顧問をやっているカレン・ダリオンだ、総勢200名の新入生諸君入学おめでとう。君たちの学園生活が有意義になることを願う。さてこれから留学生について説明するが、するにあたって極東の使者を任されている雷電さんから直接説明していただく。では雷電さんお願いします。」


カレン先生が簡単に祝辞を述べると雷電と呼ばれる人が壇上へ上がってくる。


「初めまして皆さん、早速ですが留学生について三つ説明します。一つは人数で男性二名女性二名の計四名が明日からお世話になるということ、二つ目は四名全員が極東から出るのが初めてということ、三つ目これが一番重要です。私も含めた極東出身者は魔法が使えません、以上を踏まえて仲良くして頂きたい。ご迷惑をかけるとは思いますが宜しくお願いします。」


雷電さんは深くお辞儀をすると壇上から降りて行く、極東の人は魔法が使えない今まで習っていた教科書にも載っていない事実に僕たち新入生はどよめいていたが、そのどよめきをカレン先生の声が打ち消した。


「静まれ!お前らはいちいち騒がないと駄目なのか!驚くなとは言わんが静かにしろ!それに私は一度雷電さんと手合わせをしたことがあるが、魔法が使えないハンデを補って余りある実力の持ち主で私は手も足も出なかった。しかも雷電さん曰く留学生も相当な腕前だと聞いている甘く見てると痛い目にあうぞ、これで入学式は終わりだ!各教室に移動を開始しろ!」


先生の声に従い一斉に移動を始める、でも魔法が使える事が当たり前の僕たちの輪に魔法が使えないのが当たり前の留学生は馴染めるのかどうかそこに僕は不安を感じていた。


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