今宵も鬼は泣く
「ふぅ・・・。」その男はため息に似た息を出した。
その男は自分の部屋と思われる部屋を見回した。
ビルの25階ぐらいの所にある殺風景な部屋。フローリング、白い壁、しかしその中にも
非日常的なものが混じっている
人間に限りなく同じような人形、そして真っ白な棺。その男は夕日に向かって立ち上がった。
その男の外見も異様の一言である。真っ黒なローブ、真っ黒なフード、その男は立ち上がり言った。
「・・・仕事の時間だ。・・・。」と
その直後その男の持っている二つ折りの携帯電話に電話が来た。その携帯電話ですら黒い。
その男はまるで風の流れを言い表すような口ぶりで言った。
「・・・ハイこちら燐斬異常問題解決所です。」少し会話をした後その男、霊斬は自分の部屋を後にした。
* *
「最近部屋に物音が絶えないんですが。」と裕福そうな男が霊斬に語りかけた。
「なにか異常な事でなければいいのですがねぇ。」と男は続ける。
「・・・その部屋に人はいるんですか?」燐斬が言ったと同時にその男は葉巻に火をつけて
「いやいやあそこの部屋に私の家の使用人は入らした事がありませんよ。」とその男はガラス製の灰皿を寄せて葉巻を1,2回叩いた
「・・・わかりました。調査しましょう。」と言うと同時に霊斬は立ち上がりその部屋への歩を進めた。
* *
「ここです」その男は厳重に札が張ってある扉を開けた。
その中には札や陣や黒魔術的なものまで置いてある。
「・・・。」しかし燐斬はそんなものは見向きもせず白い手袋をつけた。そこにはどの本にも載ってない陣が書かれていた
「なにをするんですか?」とその男が言った途端、燐斬は何もない空間を殴りつけた。その攻撃は青い閃光とともに消え去った
「!」男は驚いた顔を隠せずにいた。燐斬が吹き飛ばしたと思われる空間には煙が立っている。
燐斬は懐からカードのようなものを出してその空間に飛ばした。するとカードはその空間で止まり、緑色の淡い光とともに
床に落ちた。
「・・・終わりました・・・。」燐斬はそのカードを拾いながら男に話した。男は戸惑いながらも答えた
「あ・・・ぁあご苦労さま・・・」そして燐斬は「・・・それでは・・・。」と言って帰ろうとしたが
「待ってくれ!」と男が言った、男は続けて
「今のは幽霊やそうゆう物なのかね?」と、燐斬は言った「・・・ちがいます・・・。」続けて
「・・・今のは人間の無念や罪、言霊などが集まって構成された、『燐』です。幽霊などの方が格段に上・・・いやそもそもが違いますから・・・。」
男はしきりに首を傾げてる。「・・・では・・・。」燐斬はその男の家を出ようとする。しかしまた男が呼び止めて言う。
「お金はいらないのかい!」としかし燐斬は「・・・私は食うには困ってませんから・・・。」といってその男の家を出た。
* *
燐斬は自分の部屋に帰って一息つき、そして立ち上がり、人形の所まで歩く。
「・・・ここからが大仕事・・・。」と呟き、燐斬は先ほどのカードを人形に差し込んだ。
そのカードは折れずにまるで水の中に入れたかのように吸い込まれてゆく。
人形は一瞬青白い光を出したと思うと、次は小刻みに震えている。燐斬はその人形を抱えて、白い棺に入れた。
そして燐斬は言う。
「・・・思い出せ・・・数多のモノが混ざり合った坩堝から自らの形を・・・思い出せ・・・!」
そして白い棺は色を変えてゆく。純白から少しくすんだ赤に、途端、真っ赤な光のように輝き、そして棺は消えてなくなった。
燐斬は言った「・・・あとはどう動くのか・・・だ。」そして燐斬は自分の椅子に座って。息を潜めるように静かに眠った。
* *
そして後日、燐斬は新聞を見た。すると一面の端のほうにこの前の男が何者かによって暴行を受けたという事件があった。
その記事を読み終わり。新聞を机に置くと、燐斬の部屋の扉が勢い良く開かれた。
そこには半裸の男が立っていた。燐斬は「・・・来たか・・・。」と呟くだけだ。その男は右わき腹に傷を負っていた。
「なぁ、先生、この、身体を、変えてくれよぉ、昨日のようにさぁ!!」その男は続けて「もう少しで、復讐が、叶うんだよぉ!!」
と言う。しかし燐斬は無言のまま白い手袋をはめてその男の前に立った。そして燐斬は言った。
「無理」その声は今までのゆっくりとしてしゃべり方ではなかった。キッパリと現実を諭すように言う。
すると男が「無理?ムリ?むり?アハハァハハハハッハハアッハハハ!!ふざけんなっ!!」と言いながら燐斬に殴りかかった。
燐斬は皮一枚で回避して男、いやこの前の人形のこめかみに渾身の一撃を与えた。するとその身体は青く燃え出した。
その男は苦しそうにのた打ち回り燐斬へ向けて声にならない声でこう言った。
「なんで・・・なんで・・・もうすぐ人間になれたのに・・・畜生、ちくしょう、チク・・ショウ・・・」
程なくしてその身体からは灰すらも残らずに消えてしまった。
「・・・お前の核は創られ、そしてあるべき所に今戻った。この夕日はお前への慰めかもな・・・。」
そういって燐斬は夕日に身体をむけ呟いた。
「・・・仕事なんだよ・・・。」
その赤い鬼のような目が、今日の夕日のように淡く、悲しく揺れていた。
完
ドモ、おはこんばんは
え~っと今回の読みきりは如何でしょうか?反響の声が聞こえそうですっ!さん、はい!
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がっくり・・・(あんまり聞こえなかったから落ち込んでいる)
つづかない話ですが。この話はふと私が思い浮かんだものでして
かけなかったり、苦しんだりしましたがまさに
れっかの如く燃える一過性のやる気で
たちなおって、暇をみてゲーム・・・じゃなくて書いてって
ようやく完成したときには薄い疲れは吹き飛びました。
未熟者ですが読んでいただきありがとうございました。
P,S
このあとがきに含まれている文字、見つけられるかな?
Lv3ぐらいだな・・・うん。