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幼年期


ワタクシ五歳になりました。

ワタクシ、五歳になりました。


因みにワタクシ、あの髭面のオッサンに連れられてオッサンの実家で育てられる事になりました。


オッサンの実家は大貴族! などでは無く、大衆食堂……


客の入りはそこそこの、普通の実家でした。


うん、もう期待なんてしません。


するだけ無駄と解りました。


あ、因みにワタクシの新しい名前は【ラオウ】 ……なんで世紀末覇者の名前なんでしょ…


そして、髭面のオッサンの名前は【ハッサン】 ……平凡、てかオッサンとハッサン、一文字しか違わないじゃねーですか。


などと回想に更けっていました。


「お~いラオウ、お袋が飯食えってよ~」


オッサ……ハッサンがワタクシを呼びに来ました。


あっ、我が家のセカンドネームは【ベンツボ】 ……いや、コッチの世界では普通なんです、ホントにホントに。


なのでワタクシのフルネームはラオウ=ベンツボ、日本読みならベンツボ=ラオウ……やっぱり嫌です。


因みに昼のランチタイムが終わり、客足が引いた時間帯が我が家のお昼時間です。


「なぁラオウ、そろそろオメーも学校に行ってみるか?」


ベンツボ=ハッサンが話し掛けてきました。


「五歳で学校ですか、ベンツボ?」


「ベンツボて…なんでセカンドネームで呼んでんだ、ラオウ?」


ベンツボに意識が行き過ぎました。


「もうラオウも五歳かい、時間が過ぎんのは早いもんだねぇ……」


我が家の肝っ玉母ちゃん、エリス母ちゃんがしんみりしてます。


恰幅が良くいつも笑顔ですが、母ちゃんは怒ると怖いです。

閻魔の二百倍怖いです。


「ん、ラオウ君も大きくなったよね」


痩せまくりのボーンアイデンティティのこの人は、大黒柱の親父様ロンド父ちゃんです。


我が家では権力が一番下の人になります。


「だろ?ラオウも五歳になったし、そろそろ下町の無形塾に幼年部で入れてもいいと思うぜ」


ベンt……ハッサンが 「そうしよう、決定っ」 と盛り上がっています。


因みに、実はハッサンはまだ二十四歳でオッサンまではいってない……かと。


ハッサンの髭面と老け顔が悪いんですよ。


そしてワタクシはベンツボ家の養子として迎え入れられ、ハッサンは義兄になるのですよ。


……どう見ても父親ですって。


「無形塾って、あのハッサンが卒業した剣術道場兼学問所のですか?」


ワタクシが聞くとハッサンが答えました。


「おぅ、そうだ。ラオウもあそこで学べば俺みたいな立派な戦士になれるぜ!」


ドヤ顔で言ってくるハッサン……むさ苦しいです。


「んー、ワタクシはまだまだ遊んでいたいお年頃なのですが……」


ワタクシはヤンワリと断ってみました。


「つぅか……ラオウ、オメーなんで自分の事をワタクシなんて言うんだ?」


それは地球にいた時の記憶があるからです、とは言えず……


「さぁ……癖、ですかね?」


当たり障りのない返答をしました。


「ラオウはハッサンと違って礼儀が出来てるんだよ!」


豪快に笑いながらエリス母ちゃんが言いました。


ロンド父ちゃんは 「確かにねぇ」 と言いながら笑顔です。


「ちぇっ、言ってらぁ」


ハッサンはそう言って苦笑いしながら酒を飲みました。


なんだかんだで、チートなんて無くても結構幸せなのかもですね。

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