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チー天

「……次、尼崎 達人、前へ」


突然ですが、ワタクシ尼崎(アマガサキ) 達人(タツヒト)は、閻魔大王様の前で天界への入国審査待ちをしています。


これまた突然ですが、実は現世で事故死してしまいまして……


しかも犬のうん……ゴホン、(フン)に足元を滑らせて死亡……


ワタクシ、死にたいです。


既に死んでますが。


「何をしておる、後が支えておるのだ、早くしろっ!」


閻魔大王様に怒られてしまいました……


小走りで近付きます。


「あー……まぁなんだ、尼崎 達人、貴様は天界にも地獄にも行けぬ」


ふぬ、ワタクシは天界にも地獄にも行けぬと……えっと、は?


「……なんで?」


……素で聞き返してしまいましたよ、ええ、そりゃもう。

閻魔大王様は、少々言いづらそうに言いました。


「実はな……貴様は閻魔帳リストに載っておらん、つまりは死んで無い筈なのだ」


……意味が解りません。


「つまり……天界側の手落ちだったらしく、貴様は何処にも居場所は無いのだ」


成る程、それなら納得……出来るか阿呆っ!


「ふざけんなっ!」


ワタクシ、怒ってしまいました。


「貴様……誰に向かってその口を開いておるかっ!」


閻魔大王様が鬼の様な…と言うより鬼そのものの顔でプルプル震えています。


「………な、……なーんちゃって、テヘっ」

……ごまかせたでしょうか、恐かったんです、ホントに……


閻魔大王様は、はぁ……と溜息をつきながら脱力してしまいました。


「もういい、取り敢えず詳しくは天界の長に聞け……」と、今まで閻魔大王様と話していた筈なのに、何故かいきなり神殿っぽい所に来ていました。


……ワープですか?


「ん? お主が尼崎 達人か?」


目の前に、なんだか無駄に高貴なオーラを纏ったチビっ子が……て、なんだ迷子ですか。


「お主、失礼な奴だな……」


迷子が大人びた口調で話してきます、うんうん、背伸びしたい年頃ですよね、解りますよ。


……ん?


「ワタクシ、声に出してましたか?」


考えが声に出てましたでしょうか?


「阿呆、心の中などワシには簡単に読める」


成る程……は?


「お主……【?】とかが無駄に多い奴じゃの……」


迷子は溜息をつきなが「迷子ではない、ワシは神じゃ」神様らしいです。「取り敢えず話を進めるぞ?」


神様を名乗る迷「だから本物じゃ、ふざけてるならお主の魂を救わぬぞ?」神様です、はい。


「かい摘まんだ話は閻魔から聞いておろう、お主の魂は行き場が無い」


はい、閻魔から凄まじく簡単な感じで聞きました。


「閻魔を呼び捨てか、お主……ま、まぁいい……お主には行く場所が無い、そこで……」


そこで?


「お主には直ぐに転生してもらう」


転生……携帯小説で言うチートのフラグって奴ですねっ!?


「携帯? チート? お主何を言っておる?」


え? だって小説だと……


「お主は阿呆か、そんな馬鹿馬鹿しい話がある訳なかろう」


え? え? でも天界のミスって閻魔の奴が……


「天界のリストに手落ちが有ろうが無かろうが、そんなふざけた転生がある訳無かろう」でも……


「しつこい奴じゃのう……大体、その携帯小説とやらの内容は知っておるが、神を殴ったり馬鹿にしたり……小説を書いた奴らは、皆地獄行きが決定しておる」


ひ、ひでぇです……


「酷いのはどっちじゃ……まぁいい、お主には直ぐに転生してもらう、拒否権はない」


死んでいいで「お主、死んどるじゃろ」ですよね。


「因みに、地球は定員が埋まっておるので五千京年待ちじゃ」


五千京て……


「なので太陽系を超えて、地球から見た超銀河群の遥か先、超銀河団に属する惑星に転生させる事に決まった」


超……銀河団?


「あー……つまり凄まじく目茶苦茶想像もつかない程絶望的な迄に遠い惑星じゃ」


……解りやすい様で解りにくい説明でした。


「お主……少しは勉強しておけよ……」


普通は知りませんよ、はい。「ふむ?そんなものか?」


そんなものです。


「そうか……それはすまなんだ」


いえいえ。


「まぁよい、その世界はお主達から見た所謂ファンタジー、魔法やら魔物やら精霊やら妖精やら悪魔やら魔王やら勇者やら王様やらギルドやら魔法陣やら召喚やらがある世界らしい」


な、長い……てか(らしい)って……?


「ワシの孫が夏休みの宿題で創った惑星じゃからのぅ、ワシも詳しく知らん」


いや、ツッコむ場所が多すぎてどうしたらいいのか、


「ツッコミなどいらぬ、納得するだけでよい」


酷過ぎる……


「諦めよ、では普通に転生て事で……」


ちょっ……


………


……


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