73 ドレイク戦
やはり尻尾も下からじゃないと無理か。俺は蜥蜴のしっぽの根元部分を下からすくい上げるようにロングソードで斬り上げる。
「ギイイイイイイイイイアアアアアアア」
うおおおおおおおりゃあああああああああああ~。
全身の力をロングソードを握るその手と腕に集約し思いっきり跳ね上げる。
分厚い皮膚を裂き、骨にあたる感覚。
脚を踏ん張り全身で上へと突き抜ける。
ロングソードが抜け、トカゲのしっぽが落ちた。
「ギャアアアアアアアアアアアアアアアアア」
よっぽど痛かったらしく、とんでもない大音量の叫び声が響き渡る。
トカゲのしっぽきりって言葉があるけどこれがほんとの蜥蜴のしっぽ斬りだ。
ただ、普通の蜥蜴と違って分離するような造りになっていないようで確実にダメージは入った。
“よしきたあああああああああああああ~”
“まじかよおおおおおおお~~~”
“Bランクの人畜無害が全く歯が立たなかったのにこいつ何者?”
”しっぽ斬ったった──!”
“ショーゴ───ジャイアントキリング起こせええええええ”
“いけええええええええええ~~”
しっぽの断面はもちろん生身がむき出しだ。
これを使わない手はない。
俺はしっぽの断面を正面からロングソードで思いっきりブッ刺してやった。
「ギイイイイイイイイイイイイイアアアアアア」
「うるさい。叫んでもやめないぞ」
鼓膜が破れるかと思うほどの音量だけど、ここで手を緩めるわけにはいかない。
ザクザクとしっぽの根元から中へとブッ刺す。
刺すたびに蜥蜴は叫び声をあげるが、場所が急所に遠いからか何度刺しても消える様子はない。
ただ、間違いなく弱ってきてはいる。
もう無傷の所がないほどにしっぽの断面は刺しつくした。
これ以上刺しても倒せそうにはない。
あとは正面からとどめをさすしかないか。
“えぐい。鬼の所業だ。尻の真ん中をあそこ迄突かれたら……”
“モンスターに情けは無用。ただもう便座に座れることは二度とない”
“いや、このままおし切れば勝てる”
”おしりきれば勝てる”
”ちょっと、うまいけど冗談言ってるところじゃないから”
“いけいけいけいけ。どんどんやれ。刺して刺して刺しつくせ”
弱っているとはいえ大型の蜥蜴だ。
細心の注意を払いつつ正面へと回る。
でかいけどそれと引き換えに腹の部分も広い。
的は大きいので外しようはない。
「ガアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ」
俺の姿を捉えた蜥蜴が牙をむき吠えた。
そして、炎を吐いた。
放物線を描き俺へと向き合って来る。
ホークアイによるビジョンが位置情報を伝えてくる。
運悪く、俺の後方線上には三谷さんがいる。
やはり一筋縄ではいかない。
先の二匹のそれより範囲が広い。
三谷さんとは距離があるが、届いてしまう可能性がある。
咄嗟だった。
そんな事をやったことはなかった。
ただ俺の生存本能が、戦鬼たるガッシュファルトの記憶がそうさせたのだろう。
ロングソードを振り上げ、剣の腹の部分で上段から振り下ろし迫る炎を真っ二つに斬った。
“どえええええええええええええええええ”
“斬ったアアアアアアアアアアアアア”
“アニメみたい”
“マジで斬れるんだな。いいもん見たわ”
”ドレイクのブレスがわれたああああ”
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